はじめに
この文書は「源泉徴収票」と「6月」に関する疑問をやさしく解説することを目的としています。会社員やアルバイト、フリーランスで確定申告をする人など、源泉徴収票を受け取る可能性のある方に向けた内容です。
本書では次の点を中心に説明します。まず第2章で「源泉徴収票が対象とする期間」について、どの給与や手当が記載されるのかを具体例で示します。第3章では「源泉徴収票をもらうタイミング」を、年末調整や退職時の扱いを含めて整理します。第4章では「6月分」が書類中で何を指すのか、締め日や支払日との関係をわかりやすく説明します。
読み進めることで、源泉徴収票を正しく読み取る基礎が身につきます。普段あまり気にしない書類でも、理解しておくと税務手続きや年末調整で迷わず対応できます。次章から具体的に見ていきましょう。
源泉徴収票が対象とする期間
対象期間の基本
源泉徴収票は、その年の1月1日から12月31日までに支払われた給与や賞与をまとめた書類です。発行は月ごとではなく、1年分として1通(勤務先ごと)発行します。年度単位で税額や社会保険料の調整を行うため、1年を単位に集計します。
給与・賞与の扱い方
源泉徴収票には「支払金額」「源泉徴収税額」「社会保険料の控除額」などが記載されます。これらは実際に支払われた日付が属する年に計上します。例えば6月に支払われた給与は、その年の源泉徴収票に含まれます。
複数の勤務先や転職がある場合
年中に転職や掛け持ちがあれば、各勤務先からそれぞれ源泉徴収票が発行されます。転職した場合は退職時に前の勤務先が発行し、新しい勤務先は年末に1年分をまとめて作成します。確定申告や年末調整で合算して扱います。
よくある誤解(「6月分」について)
「6月分だけの源泉徴収票」は存在しません。月別の明細(給与明細)は受け取りますが、源泉徴収票は年単位で発行されます。必要な場合は給与明細を確認するか、勤務先に年途中の金額証明を相談してください。
源泉徴収票をもらうタイミング
基本の受け取り時期
一般的に、会社員は翌年の1月末までに勤務先から源泉徴収票を受け取ります。年末調整が終わった後、12月末から1月中旬ごろに配られることが多いです。税務署に提出するための書類なので、会社は速やかに発行します。
6月に必ずもらえるわけではない
「6月に源泉徴収票がもらえる」と誤解されることがありますが、通常はそうではありません。6月はボーナス支給や年度途中の手続きがある月ですが、源泉徴収票は年単位の給与をまとめて発行するため、年末調整後に渡されるのが原則です。
退職・中途入社の場合の例外
退職や退職時に会社を離れる場合、会社はその時点までの給与について源泉徴収票を発行します。たとえば6月に退職した際は、退職時に1月から退職月までの分をまとめた源泉徴収票が早めに発行されます。中途入社でも前職・現職それぞれから受け取ります。
受け取り方法と確認ポイント
受け取り方法は紙の手渡しや郵送、社内ポータルやメールでの電子交付があります。受け取ったら支払金額や源泉徴収税額、支払い期間が正しいかを確認してください。不備や未着があれば、早めに人事・給与担当者に連絡しましょう。
「6月分」は何を指すか
概要
「6月分の税金」や「1~6月分の源泉所得税」と聞くと、従業員がもらう源泉徴収票と混同しやすいです。ここでいう「6月分」は会社が税務署に納める、ある期間の源泉所得税のことです。一方、従業員に交付される源泉徴収票は、1年間の給与や天引きされた税額をまとめた年次の書類です。6月時点や月ごとに源泉徴収票が発行されるわけではありません。
具体例でわかりやすく
たとえば、6月の給与から会社が所得税を差し引きます。その差し引いた税金を会社が税務署に納めるとき、扱う額は「6月分の源泉所得税」と呼ばれます。しかし従業員が受け取るのは、年末までの給与や税額を合算した「源泉徴収票」です。ローン申請などで税金の証明が必要な場合、月ごとの納税ではなく年単位の源泉徴収票や給与明細を提出します。
会社に確認するときのポイント
- 欲しいのは「年分の源泉徴収票(給与所得の源泉徴収票)」かどうか確認してください。
- 月別の金額が必要なら給与明細を請求すると良いです。
- 納付のタイミングや名称で混乱する場合は、人事・総務に具体例を示して尋ねてください。
これで「6月分」と「源泉徴収票」の違いがはっきりします。必要な書類を正確に伝えると手続きがスムーズです。


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