退職日が変更されたときに知っておくべき対処法とは

目次

はじめに

目的

この章では、本書全体の目的と読み進め方をやさしく説明します。退職日にまつわる法律上の権利や実務の考え方を、具体例を交えて丁寧に解説するガイドです。退職日を会社に一方的に変えられた場合や、自分で変更したい場合に取るべき行動がわかります。

本書で扱う範囲

  • 退職日と最終出社日の違い
  • 退職日を決める権利は誰にあるか
  • 合意後の退職日の変更の可否
  • 会社側が退職日を前倒し・後ろ倒しした場合の対処法
  • 実務的な手順(相談先、記録の取り方、交渉の進め方)

この章の読み方(想定読者)

  • 退職を考えている方
  • 既に退職手続き中で退職日について不安がある方
  • 労働問題に備えたい方

具体例を多く用いて、堅苦しくならない表現で進めます。条文の引用は最低限にし、実務で使える対応策を中心に説明します。途中でわからない言葉があれば、次の章で順に解説しますので安心して読み進めてください。

退職日とは何か ― 最終出社日との違い

退職日の定義

退職日とは労働契約が正式に終了する日です。書面や合意で決められ、社会保険や雇用保険の資格喪失日と直結します。口頭だけでなく、メールや書面で確認しておくと安心です。

最終出社日との違い(具体例)

最終出社日は職場に最後に出勤した日です。一方で退職日は契約が終わる日。例えば、最終出社日が3月25日でも退職日が3月31日とされることがあります。逆に出勤が最終日=退職日となる会社も多いです。

保険や手続きへの影響

社会保険は退職日の翌日が資格喪失日になります。退職日と最終出社日がずれると、保険料の計算や給付手続きにずれが生じるため、手続きが複雑になります。

会社が一致を求める理由

人事や社会保険の手続きを簡素化するため、会社は退職日と最終出社日を一致させたがります。ずれがあると事務処理や説明が増えるからです。

実務上の注意点(社員向け)

  • 退職日を明確に書面で確認する
  • 健康保険・年金・雇用保険の資格喪失日を確認する
  • 不明点は人事に相談し、記録を残す
    これらを押さえておくと、あとでトラブルになりにくくなります。

退職日を決める権利は誰にあるのか

法律上の原則

日本の民法第627条では、期間の定めのない雇用では「労働者の申し入れから2週間で退職できる」と定められています。つまり、退職するかどうか・いつ申し入れるかの権利は労働者にあります。会社が一方的に「この日が退職日だ」と決める権利は基本的にありません。

就業規則との関係

就業規則に「3か月前に申告」などの規定があっても、民法の2週間ルールを覆すことはできません。ただし、現実的には引き継ぎや業務の穴を考え、会社のルールに沿って早めに申し出ることが望ましいです。職場の秩序を保つために、双方で話し合って退職日を決めるのが普通です。

実務上の流れ(例)

  1. 退職の意思を伝える(口頭+書面が望ましい)
  2. 希望の退職日を提示する(2週間後でも可)
  3. 引き継ぎ日程や最終出社日を打ち合わせる
    会社は提案や調整を行えますが、最終判断は労働者の意志に基づきます。

会社が一方的に決めた場合は?

会社が一方的に退職日を設定した場合は、その決定は原則認められません。合意が得られないときは、労働基準監督署や労働相談窓口に相談できます。具体的な対応は状況により異なるため、記録(メールや書面)を残しておくと安心です。

ポイント

  • 退職の意思表示は労働者の権利です。
  • 実務では合意形成を重視してください。

一度合意した退職日は原則変更できない?

合意した退職日の意味

退職日を決めると、労働契約の終了時期について当事者同士で約束が成立します。会社はその日を前提に人員計画や後任手配を行い、労働者は次の職場や私生活の予定を立てます。合意は互いの期待に基づく重要な取り決めです。

なぜ原則変更できないのか

合意後に一方的に退職日を変えると、人員配置や採用の計画が乱れます。会社が勝手に日を早めれば引継ぎが不十分になり、労働者が一方的に延ばせば会社の業務に支障が出ます。こうした理由で原則として簡単には変更できません。

変更が可能な場合と手続き

労働者と会社が両方合意すれば、退職日は変更できます。口頭でも成立しますが、後のトラブルを避けるため書面やメールで新しい日付を確認しておくと安心です。例:本人が転職先の都合で退職を早めたい場合、会社と話し合い双方が合意すれば早めることができます。

一方的な通告は認められない

会社から「退職日を前倒しする」と一方的に通告された場合、原則として拒否できます。逆に労働者が一方的に延期するのも問題です。まず話し合いで合意を目指してください。必要なら労働相談窓口や弁護士に相談する選択肢もあります。

実務的な注意点

変更が必要になったら早めに相手に伝え、理由を明確に示しましょう。合意に至ったら書面で残すこと、引継ぎ計画や退職届の記載内容も確認することをおすすめします。

会社に退職日を前倒し・後ろ倒し「された」場合

概要

会社が退職日を早める(前倒し)・遅らせる(後ろ倒し)ように求める場面はあります。どちらも労働者の生活や計画に影響します。ここではそれぞれの法的性質と実務上の対応を分かりやすく説明します。

前倒しされた場合(会社都合)

労働者の意思に反して退職日を早められると、解雇に近い性質を持ちます。解雇と同じく、会社は原則として30日前の予告が必要です。予告できない場合は30日分の解雇予告手当を請求できます。例:4月30日退職の合意があるのに4月10日に「今日で辞めてください」と言われた場合、会社に解雇予告手当を求める余地があります。

後ろ倒しされた場合(会社の延長)

労働者が退職の意思を示しているとき、民法627条に基づく2週間ルールが働く場合があります。会社が一方的に退職日を延ばすと、労働者の自由を過度に制限する恐れがあり違法となる可能性があります。残業や引き継ぎの必要性を理由に長期間延ばす場合は慎重に判断してください。

実務上のポイント

  • 会社の一方的な変更は原則認められません。納得できない場合は記録(メールや録音、日時のメモ)を残してください。
  • まずは話し合いで条件を確認し、合意ができれば書面で残すと安心です。
  • 交渉で解決しないときは、労働基準監督署や弁護士、労働組合に相談してください。必要に応じて解雇予告手当や未払賃金の請求を検討します。

退職日変更を求められたときの対処手順

1. まずは内容を正確に確認・記録します

誰が、いつ、どのように(口頭・メール・文書)退職日の変更を求めているかを確かめます。変更の理由と希望する新しい日付、期間の幅をその場で聞き、可能ならその場でメールやメモに記録してください。例:”○月末を○月中旬に前倒ししたいと言われた”。

2. 自分の希望と権利を整理します

就業規則や雇用契約書の退職に関する条項、残業や引継ぎの状況、家族や転職先の予定を確認します。退職日は一方的に決まるものではない点を押さえ、どうしても動けない理由(引継ぎの必要性、転職先の入社日、家族事情など)を具体的にまとめます。

3. 直属の上司と話し合う(実務的対応)

感情的にならず、記録を基に話します。代替案を用意すると交渉しやすくなります(例:引継ぎを早めるためのマニュアル作成や有給消化の提案)。会話は可能ならメールでフォローして記録を残してください。

4. 合意したら必ず書面で残す

合意内容は日付を明記した書面(メール可)で交わし、双方の署名または送信記録を保管します。書面には新しい退職日、引継ぎ内容、最終出社日などを明記しましょう。

5. 納得できない場合の相談先

会社と合意できない、または会社が一方的に変更を強行する場合は、労働基準監督署やハローワーク、労働組合、社会保険労務士、弁護士に相談してください。会社の行為が労働基準法違反に当たる場合は行政指導や助言が受けられます。

例文(上司への返答)

・確認メール例:”本日、退職日を○月○日に変更したい旨を伺いました。理由と希望日を文書でいただけますか。私の事情は△△のため、○月末が望ましいです。調整案として□□を提案します。”
・断るとき:”引継ぎや入社日調整のため、現時点では変更が難しいです。代替案を一緒に検討したいです。”

大切なのは、事実を記録し冷静に交渉することです。書面を残せば後々のトラブルを防げます。

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