はじめに
本資料は退職代行を利用する際に役立つ「伝え方」と「文面のポイント」を、わかりやすく丁寧に解説します。退職の意思を伝える場面は心身ともに負担がかかりやすく、伝え方次第で余計な摩擦を避けられます。本資料では次の三点を中心に説明します。
対象と目的
- 対象:退職代行の利用を検討している方、またはその依頼方法を知りたい方。
- 目的:依頼時に何を伝えるべきか明確にし、会社側に伝える内容の骨子を作ることを支援します。
本資料の構成
第2章で退職代行に依頼するときの伝え方、第3章で会社側へ伝える内容の構成、第4章で自分で伝える際の無難なフレーズ例を紹介します。順を追って準備すれば、伝え残しや誤解を減らせます。
伝え方の基本
感情的な表現を控え、事実と希望(退職日・引継ぎ・書類の受け取り方法など)を簡潔に示してください。必要な場合は書面やメールで記録を残すと安心です。
退職代行に依頼するときの伝え方
まず最初に伝える項目
退職代行に連絡するときは、事実を短く伝えると手続きがスムーズになります。必ず伝える基本情報は次の通りです。
– 会社名・部署名・所属(チーム)
– 氏名(フルネーム)と連絡先
– 雇用形態(正社員、契約社員、アルバイト等)と入社日
– 退職希望日(可能なら第1候補・第2候補)
出社や引き継ぎの可否、連絡方針
出社できるか、引き継ぎをどうしたいかは明確に伝えましょう。代行業者が会社と調整します。
– 即日退職を希望するか
– 出社可能か、不可能なら理由(心身不調など)
– 引き継ぎ資料の用意があるか、誰に引き継げるか
– 会社からの連絡を代行に全て任せるか、自分にも連絡してほしいか
伝え方のコツ(短く、事実と希望を分ける)
伝える内容は「事実」「希望」「連絡方針」の3つに分けると誤解が減ります。例:
– 事実:入社日、雇用形態、現在の出勤状況
– 希望:○月△日付で退職したい、即日退職希望
– 連絡方針:会社からは代行にのみ連絡してほしい
伝えるときの具体例(箇条書き)
- 会社名:ABC株式会社/部署:営業部/氏名:山田太郎/雇用形態:正社員/入社日:2019/4/1
- 希望:心身の不調により即日退職を希望
- 出社:不可(医師の診断書は後日提出予定)
- 連絡方針:会社とのやり取りはすべて代行へ一任
このように短く整理して伝えると、代行業者が迅速に動けます。必要なら事前にメモを作っておくと安心です。
会社側に伝える内容(構成の考え方)
はじめに
退職代行に伝えるセリフは業者が作成しますが、依頼前に自分の希望を整理してメモにしておくと手続きがスムーズです。ここでは、会社に伝えてほしい主要項目と書き方のコツを説明します。
伝えるべき項目
- 退職の意思の固さ
- いつ付で辞めるか、即日退職を希望するかを明確に書くと業者が伝えやすくなります。例:○年○月○日付で退職します。
- 本人からの直接連絡控えの希望
- 本人に連絡しないでほしい場合はその旨を伝えます。理由を簡潔に書くとトラブルを避けられます。
- 有給休暇の消化希望
- 何日分の有給を使いたいか、開始日や最終出勤日を示してください。業者が調整しやすくなります。
- 貸与物の返却方法
- 社内備品やPC、名札などの返却方法(郵送/出社しての返却/引取の可否)と期日を指定します。
- 連絡先と書類の受け取り方法
- 緊急連絡先や給与明細・離職票などの郵送先を明記してください。
メモの書き方のコツ
- 箇条書きで短くまとめる。
- 日付や日数は具体的に記入する。
- 優先順位(必須/希望)を付ける。
例文(短く使える一行)
- 退職日:○年○月○日付で退職します(即日希望の場合は「即日で退職希望」)。
- 連絡控え:本人への直接連絡はご遠慮ください。理由:○○のため。
- 有給:有給を○日消化希望(開始:○月○日〜)。
- 返却:PCは郵送で返却、期日:○年○月○日まで。郵送先:〒○○○-○○○○ ○○市○○町○○丁目○番地
このメモを退職代行に渡せば、業者が会社への伝え方を整理してくれます。できるだけ具体的に書くとやり取りが短く済みます。
自分で会社に言う場合の無難なフレーズ
はじめに
退職を自分で伝えるときは、理由を詳しく語らないことが安全です。短く、礼儀正しく、感情的にならない表現を使いましょう。
基本の伝え方(口頭・面談)
- 「一身上の都合により退職させていただきたいです。」
- 「退職の意思は固まっておりますので、本日お伝えしました。」
- 「詳細な理由は差し控えさせていただきます。」
これらは相手の詮索を避け、話を先に進められます。
メール・書面での例文
- 件名:退職のご連絡
- 本文:お世話になっております。私事で恐縮ですが、一身上の都合により○月○日付で退職させていただきたく存じます。退職日や引継ぎについては別途ご相談させてください。
簡潔に結論→調整の意思を示す流れが望ましいです。
伝えるときのポイント
- 感情的な批判や詳しい不満は避ける。
- どうしても伝えたい事実は、事実だけを時系列でメモに残す程度にする。
- 退職日や有給の扱い、引継ぎ意向は明確に伝える。曖昧にするとトラブルの元になります。
最後に
穏やかに、しかし決意ははっきり示すことが大切です。相手に配慮しつつも、自分の意思を簡潔に伝えてください。


コメント