はじめに
この章では、本資料の目的と読み方をわかりやすく説明します。
本資料は、2024年(令和6年)分の源泉徴収票に関する最新情報をまとめたガイドです。源泉徴収票の基本的な役割や発行時期、令和6年分で新たに追加された記載事項、様式の変更点、取得方法、確定申告との関係を順を追って解説します。特に、令和6年分で導入された定額減税に伴う「摘要欄」の新記載について詳しく取り上げます。
この資料は、給与を受け取る個人、経理・人事担当者、税務手続きが初めての方を想定しています。例えば「会社から源泉徴収票が届いたけれど何を確認すればよいか分からない」といった疑問に答えます。各章は短く区切ってあるので、知りたい項目だけを手早く参照できます。
この記事を読めば、源泉徴収票の見方がわかり、年末調整や確定申告で何を準備すればよいか見通しが立つはずです。次章から具体的な変更点と手続きについて順に解説していきます。
令和6年分 源泉徴収票の最新情報まとめ
概要
「源泉徴収票」は1年間の給与や税額を証明する大切な書類です。令和6年分については、全体の様式や記載例の見直しが行われた点に注意が必要です。本章では全体像と押さえておくべき最新ポイントを分かりやすくまとめます。
最新のポイント(要点)
- 様式の変更点は第5章、第4章で詳述しますが、記載欄の配置や注記の表現が整理されています。
- 電子的な交付や保存に関する案内が増え、受け取り方法に幅が出ています。
- マイナンバーの取り扱いや控除の記載方法に関する説明がより明確化されています。
受け取ったときにまず確認すること
- 支払金額、給与所得控除後の金額、源泉徴収税額が正しいか確認してください。具体例を挙げると、給与額が実際の振込と合わない場合は発行元に照会します。
- 扶養や社会保険料控除などの記載漏れがないか確認します。記載ミスがあると年末調整や確定申告に影響します。
- 電子交付の場合は保存方法(印刷やデータ保管)を確認してください。
次にやること
- 誤りがあれば勤務先の担当へ連絡する。2. 年末調整や確定申告で必要な書類と合わせて保管する。3. 不明点は税務署や税理士へ相談する。
この章を読めば、令和6年分の源泉徴収票でまず何を見ればよいかが分かるはずです。詳細は後続章で具体的に解説します。
源泉徴収票とは何か
概要
源泉徴収票は、1年間(1月1日〜12月31日)の給与や年金などの支払額と、天引きされた所得税の額をまとめた書類です。会社や年金機関が作成し、受給者に交付します。税金や控除の計算結果を証明する大切な書類です。
発行者と主な種類
- 会社員:給与所得の源泉徴収票
- 退職者:退職所得の源泉徴収票
- 年金受給者:公的年金等の源泉徴収票
発行者は勤務先や年金事務所で、交付は義務付けられています。
主な記載項目(例)
- 支払金額(給与や年金の総額)
- 源泉徴収税額(天引きされた所得税)
- 社会保険料や各種控除額(扶養控除など)
- 勤務先の名称・所在地、受給者の氏名・扶養人数
交付時期の目安
- 給与:年末調整後の12月〜翌年1月末
- 退職:退職後1か月以内
- 年金:翌年1月中旬に郵送されることが多い
利用方法と注意点
確定申告や住宅ローン控除の手続きで必要になります。受け取ったら内容を必ず確認し、誤りがあれば勤務先や年金機関に速やかに連絡してください。紛失した場合は再交付を依頼しましょう。
令和6年分で新たに追加された記載事項
概要
令和6年分(2024年分)の源泉徴収票では、摘要欄に定額減税に関する新たな記載が加わりました。これは2024年6月〜12月に実施された定額減税の結果を明示するためです。
具体的な記載内容
- 源泉徴収時所得税減税控除済額:減税によって差し引かれた所得税の合計額を記載します(2024年6月〜12月分)。
- 控除外額:減税で控除しきれなかった所得税の金額を記載します。減税額が不足している場合に表示されます。
- その他の注意書き:該当があれば「非控除対象配偶者減税有」などの補足が摘要欄に記載されます。
記載例
4人家族で1人あたり3万円の減税が適用された場合、摘要欄には「減税控除済額12万円」と記載されます。控除外額が0円であれば、該当期間分は全額減税済みとわかります。
確認・対応のポイント
- 摘要欄の金額が給与明細や源泉徴収の年間合計と合っているか確認してください。
- 金額に疑問があれば、まず勤務先の給与担当や税務担当に問い合わせてください。必要なら年末調整や確定申告で正す方法を案内してもらえます。
注意事項
摘要欄の記載は減税の反映状況を示すものです。控除外額がある場合は、結果として自己負担が残る可能性があるため早めに確認してください。
源泉徴収票の様式と変更点
様式の概要
令和6年分の源泉徴収票の様式自体は、令和5年分と大きな差はありません。国税庁から手書き用と入力用の様式が公表されており、企業や個人事業主はそれを基に作成します。
摘要欄に追加された記載
令和6年分では摘要欄に減税関連の記載を追加することが求められています。たとえば「〇〇税の軽減措置適用:軽減額○○円」や「特例による減額:対象期間○年○月〜○月」のように、内容と金額や期間が分かる形で記載すると分かりやすいです。
作成方法と対応ソフト
Excelでの入力やe-Tax、クラウド給与計算ソフトを使って作成できます。入力用様式は電子化に適しており、印刷して交付することも可能です。手書き用様式は項目がシンプルなので少人数の事業所で手続きしやすくなっています。
手書き用と入力用の違い
手書き用は記入欄が紙で読みやすく設計されています。入力用はセルやデータ項目がデジタル処理に向いており、ソフト間での連携や保存がしやすいです。摘要欄の追記はどちらでも行えますが、電子データにする場合は項目名を統一しておくと管理が楽になります。
実務上の注意点
摘要欄の内容は従業員や税務署に誤解を与えないよう明確に記載してください。複数の減税がある場合は項目ごとに分けて記載すると後の確認がスムーズです。
源泉徴収票の取得方法・発行時期
会社員(在職中)の受け取り
年末調整が終わると、一般に12月から翌年1月末にかけて勤務先から源泉徴収票が交付されます。勤務先の総務・人事が配布方法を案内しますので、まずは確認してください。最近は紙だけでなく、メール添付や給与明細システムからのダウンロードで受け取れるケースも増えています。
退職者の受け取り
退職した場合は、原則として退職後1か月以内に旧勤務先から交付されます。退職時に受け取り方法を確認しておくと手続きがスムーズです。もし期日を過ぎても届かないときは、旧勤務先の担当部署に再発行を依頼してください。
年金受給者の受け取り
年金受給者には日本年金機構から順次郵送されます。例として、令和7年分は1月8日〜16日にかけて発送されます。郵送で届かない場合は年金機構へ問い合わせてください。
電子交付と保存のポイント
電子データで受け取った場合は、PDFを複数の場所に保存しバックアップを取ることをおすすめします。紙で受け取った場合は折れや汚れを避け、確定申告や各種手続きで使いやすい場所に保管してください。
紛失・再発行の手続き
紛失したら発行元(勤務先または年金機構)に再発行を依頼します。再発行には本人確認が必要なことが多く、時間がかかる場合があります。確定申告の期限が迫っているときは早めに連絡してください。
受け取り時のチェック項目
- 氏名・住所・支払金額が正しいか
- 源泉徴収税額や支払者名に誤りがないか
- 電子交付ならダウンロード・印刷ができるか
不明点があれば勤務先や年金機構に確認しましょう。
確定申告との関係
概要
確定申告書を税務署に提出する際、源泉徴収票そのものを添付する必要は原則ありません。ただし、申告書に給与や源泉徴収税額など正確な数値を記入するために、源泉徴収票の内容は必ず確認してください。
添付の要否
- 紙の申告書を提出する場合でも、通常は源泉徴収票の添付は不要です。
- 税務署から求められた場合は提示や提出を求められることがあります。
記載方法(具体例)
- 給与収入欄には「支払金額」を、所得税欄には「源泉徴収税額」を記入します。
- 例えば給与が300万円、源泉徴収税額が12万円なら、それぞれの欄に3000000、120000を記入します。
手元にない場合の対処
- まず勤務先に再発行を依頼してください。多くの会社は再交付に応じます。
- 再発行が難しい場合は、支払者名・支払金額・源泉徴収税額を申告書に記載し、備考欄や別紙で事情を説明します。
- 必要に応じて税務署に相談して指示を仰いでください。
注意点
- 記載ミスがあると税額に影響します。書き写す際は丁寧に確認してください。
- 不明点は勤務先か税務署に早めに確認することをおすすめします。
まとめ
要点まとめ
- 令和6年分の源泉徴収票には、定額減税に伴う新しい記載(「源泉徴収時所得税減税控除済額」「控除外額」)が追加されました。
- 様式そのものに大きな変更はありませんが、摘要欄の記載内容に注意が必要です。
- 発行時期や取得方法は従来通りですが、電子交付が増えています。
- 確定申告では源泉徴収票の記載内容を使います。通常は添付を求められませんが、内容確認は必須です。
確認と対応のポイント
- 発行された源泉徴収票の摘要欄をまず確認してください。減税に関する項目が正しく記載されているかを見ます。
- 金額に不明点があれば、まず勤務先の給与担当へ問い合わせてください。それでも解決しない場合は税務署へ相談します。
最後に、令和6年分は定額減税の影響で例年と記載が異なる場合があります。受け取ったら必ず摘要欄をしっかり確認し、疑問があれば早めに確認することをおすすめします。
コメント