はじめに
「退職届の日付はどう書けばよいかわからない」「提出日と退職日の違いで迷っている」といった悩みを抱えていませんか? 本記事は、退職届における「退職日」の正しい書き方と気をつけるポイントを丁寧に解説します。この記事を読めば、基本的なルールに沿って誤りなく記載できるようになります。
この章での目的
退職届で日付を書く意味と、正確に書くことの重要性を分かりやすく説明します。まずは全体像をつかんでください。
なぜ正しい日付が大切か
退職日が不明瞭だと、給与計算や社会保険・有給の取り扱いで誤解が生じます。会社との合意内容と書類の日付が一致していないと手続きが遅れることもあります。正しい記載は、トラブルを防ぎ円滑に退職手続きを進めるために必要です。
この記事で学べること
- 提出日と退職日の違い
- 日付の表記方法(漢数字・算用数字、西暦・和暦)
- 縦書き・横書きの書き方の違い
- 実務上の注意点とよくある誤り
- 具体的な記載例
次章以降で、一つずつ具体的に解説します。必要な場面で迷わず書けるよう、ポイントと例を交えて丁寧に説明していきます。
退職届に記載する日付の種類と違い
主に記載する日付
- 提出日:退職届を会社に出す日です。横書きでは右上に、縦書きでは文末(最後の行の下)に記載します。提出日を明記することで、いつ届け出たかがはっきりします。
- 退職日:雇用契約が終了する日です。本文中に「〇年〇月〇日をもって退職いたします」と明確に書きます。給与や保険の扱いに影響するため、正確に記載します。
- 最終出勤日:実際に出社する最後の日です。退職日と同日でない場合は「最終出勤日は〇年〇月〇日です」と追記します。
書き方と配置のポイント
- 提出日は形式的な位置が決まっています。横書きなら右上、縦書きなら最後に配置してください。
- 退職日は本文で明示するのが基本です。例:「令和◯年◯月◯日をもちまして退職いたします。」と記載します。
- 最終出勤日は任意ですが、引継ぎや有給消化の都合で記載しておくと誤解を防げます。
実務上の違い(注意点)
- 退職日が雇用契約の終了日として手続きに使われます。一方、最終出勤日は出社面での区切りです。
- 会社の規定や就業規則で扱いが異なることがあるため、念のため人事や上司に確認してください。
退職日記載の基本ルール
概要
退職日は、上司や人事と合意した日を明確に書くのが基本です。合意が得られていない場合は日付を空欄にして提出し、確定後に改めて提出するか、口頭で調整してから記入します。就業規則や雇用契約の規定も確認してください。
退職日をどう決めるか
・上司と相談して業務引継ぎの目安を立て、合意した日を記載します。
・会社側に引継ぎ期間や手続きの都合がある場合は、それに合わせて調整します。
文言の定型
・定型例: 「〇年〇月〇日をもって退職いたします。」
・理由は簡潔に:「一身上の都合により退職いたします。」のように短く書きます。
日付の表記ルール
・漢数字(二〇二五年)でも算用数字(2025年)でも可です。西暦・和暦もどちらでも良いですが、会社の指定があれば従ってください。
・書類内では数字表記を統一します。例えばすべて漢数字にするか、すべて算用数字に揃えます。
書式や訂正の注意点
・誤字や誤記があれば会社の指示に従い訂正印や再提出を行います。勝手に二重線で消して署名すると受理されないことがあります。
日付未確定時の実務対応
・退職日が未確定なら日付欄を空欄にして提出し、確定次第その日付を記入して再提出する旨を添えると誤解が少なくなります。
・早めに上司・人事と調整して、最終的な日付を確定してください。
退職届の書き方(縦書き・横書き別)
縦書き(書き方と配置)
1行目に「退職届」を中央寄せで書き、その下段に「私儀」と記します。本文は改行してから始め、次のように書くのが一般的です。
「この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。」
末尾には記載の順で書きます:退職日、提出日、部署名、氏名。字は読みやすく丁寧に揃えてください。
横書き(書き方と配置)
右上に提出日を記入します。本文は左から書き始め、退職日を本文中に明記します。本文末尾に部署名、氏名を並べます。見やすさを優先し、余白をとって余裕のある配置にしてください。
用紙と書き方のポイント
- 黒の万年筆やサインペンで丁寧に書きます。
- 文字は読みやすい大きさで統一します。
- 押印の要否は会社の規程に従ってください。
- 提出前に誤字・日付を必ず確認します。
実際の書き方(簡単な記載例)
縦書き例:
退職届
私儀
この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
令和〇年〇月〇日(退職日)
令和〇年〇月〇日(提出日)
○○部 山田太郎
横書き例:
(右上)令和〇年〇月〇日
本文:この度、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
末尾:○○部 山田太郎
実務上の注意点
会社指定のフォーマットに従う
会社からフォーマットや記載方法の指示がある場合は、必ず従ってください。書式や提出先、押印の有無などは企業ごとに異なります。例:人事のテンプレートがあるなら、それを使って作成します。
退職日と記載の実務
退職日を明確に書くのが原則です。記載しないケースは非常にまれで、多くは就業規則や上司との合意に基づき決めます。就業規則で定めがあればそちらを優先して確認してください。
会社都合の場合(解雇・契約満了)
解雇や契約満了など会社都合のときは、退職届そのものが不要な場合があります。会社側が書類を用意することが多いので、人事に確認しましょう。
退職理由の書き方
理由は一般に「一身上の都合」で問題ありません。会社から詳しい理由の記載を求められた場合のみ、簡潔に書きます(例:「家庭の事情のため」「健康上の理由のため」)。詳しすぎる説明は不要です。
提出時の流れと保存
提出前に上司へ口頭で知らせ、提出後は受領印や受領メールを必ずもらって保存します。コピーを手元に残し、有給消化や退職手続きの確認は早めに行ってください。
具体的な記載例
縦書き(漢数字)の例
- 令和六年九月三十日をもって退職いたします。
- 一身上の都合により、令和六年九月三十日をもって退職いたします。
横書き(算用数字)の例
- 2025年9月30日をもって退職いたします。
- 一身上の都合により、2025年9月30日をもって退職いたします。
その他のよくある例文
- 本日をもって退職いたします。(急な退職や当日付の場合)
- 退職希望日:2025年9月30日(最終出社日)
- 署名例:山田 太郎(印)
書き方のポイント
- 縦書きでは漢数字、横書きでは算用数字を使うと見た目が整います。
- 日付は冒頭に明記し、本文は簡潔に「をもって退職いたします」とするのが一般的です。
- 署名と押印は用紙の下部に行います。
上記の例を元に、自分の退職日や理由に合わせて調整してください。
まとめ
ここまでのポイントを簡潔にまとめます。
- 提出日と退職日は必ず区別する
-
提出日は書類を渡す日、退職日は実際に退職する日です。混同しないよう本文で明示しましょう。
-
退職日は本文中に明記する
-
「退職日は○年○月○日といたします。」のように明確に書き、会社の就業規則に合うか確認します。
-
表記を会社の指示に合わせる
-
日付の形式や提出方法(手渡し・メール)を統一すると誤解を避けられます。
-
実務上の流れを守る
-
提出→受領確認→引継ぎ→最終出勤の確認を行い、必要な手続きを済ませます。
-
書式と証拠を残す
-
署名・押印、控えの保管、メール送付などで証拠を残すと安心です。
-
マナーを大切にする
- 上司への事前報告や感謝の言葉、丁寧な引継ぎは円満退職につながります。
これらを守ればトラブルを避け、円満に退職できます。記載例を参考にしつつ、自分の状況に合った表現で作成してください。
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