退職時に知っておきたい源泉徴収票の基本ポイント

目次

はじめに

この記事では、退職時に受け取る「源泉徴収票」について、基本から丁寧に解説します。

この記事の目的

退職時に会社から受け取る書類の中で源泉徴収票は重要です。本記事は、その種類や受け取り方、使い道、発行時期、紛失時の対応、企業側の作成方法まで、退職者と企業担当者が知っておくべきポイントを分かりやすくまとめます。

なぜ重要か

源泉徴収票は確定申告や失業給付、年金手続きなどで必要になります。書類の見方や保管方法を知っておくと、手続きがスムーズになります。

想定読者

  • 退職予定・退職直後の方
  • 人事・経理担当者
  • 税務や手続きに不安がある方

本記事の構成

第2章〜第9章で、種類・発行時期・使い道・紛失時の対処・作成手順・よくある質問を順に解説します。初めての方でも理解できるよう具体例を交えて説明します。

退職時にもらう「源泉徴収票」とは?

概要

源泉徴収票は、会社が従業員へ支払った給与や賞与、退職金と、そこから差し引かれた所得税の額をまとめた書類です。退職時には主に2種類が交付されます。

種類と違い

  • 給与所得の源泉徴収票:1月1日から退職日までの給与・賞与の合計と源泉徴収税額が記載されます。年末調整や翌年の確定申告で使います。
  • 退職所得の源泉徴収票:退職金が支給された場合に発行され、退職手当の支給額や源泉徴収額、控除額が書かれます。

主な記載項目(分かりやすく)

  • 支払金額(給与・退職金などの合計)
  • 源泉徴収税額(差し引かれた税金)
  • 社会保険料や控除額の内訳(記載がある場合)

具体例

例えば7月末で退職した場合、1月〜7月の給与合計とその間に差し引かれた税金が「給与所得の源泉徴収票」にまとまります。退職金が出たなら、別に「退職所得の源泉徴収票」が届きます。

注意点

受け取り後は内容を必ず確認してください。転職先や税務署へ提出することがあるため、紛失しないよう保管してください。次章で受け取り時期について詳しく説明します。

退職時の源泉徴収票はいつもらえる?

交付時期のルール

退職者への源泉徴収票は、会社が退職日から1か月以内に交付する義務があります。例えば9月30日で退職した場合、原則として10月末までに受け取れます。

実務上の流れとよくある例

多くの会社は給与計算や最終調整に時間がかかるため、最終出社日には間に合わず、後日郵送で届くことが一般的です。退職金がある場合は、給与用とは別に「退職所得の源泉徴収票」が届くことがあります。

受け取り方法

手渡し・郵送・窓口受取など企業により異なります。郵送の場合は転居届を出していないと届かないので、退職時に住所確認をしておきましょう。

届かないときの対処

1) 退職した会社の人事・総務にまず連絡してください。2) 1か月を超えても届かないときは、内容証明で請求するか、最寄りの税務署に相談してください。簡単なやり取りで解決することが多いです。

源泉徴収票の使い道と提出先

用途

  • 転職したときは、前職の「給与所得の源泉徴収票」を転職先に提出して年末調整を受けます。
  • 退職金がある場合や医療費控除などを申請する場合は、給与と退職金の両方の源泉徴収票が必要です。
  • 退職所得の源泉徴収票(退職金のもの)は年末調整には不要で、確定申告で使います。

提出先

  • 転職先の人事・総務:年末調整のために給与所得の源泉徴収票を渡します。
  • 税務署:自分で確定申告する場合は、退職所得の源泉徴収票を添付または提示します。

実務の流れ(簡単)

  1. 退職後、前の職場から給与・退職金それぞれの源泉徴収票を受け取る。
  2. 転職先へ給与の源泉徴収票を提出する。退職金がある場合はそのコピーを保管する。
  3. 年末調整で処理できない項目があれば確定申告で両方の票を使う。

注意点

  • 源泉徴収票は大切な書類です。紛失した場合は発行元に再発行を依頼してください。
  • 必要に応じて税理士や税務署に相談すると安心です。

退職金(退職所得)の源泉徴収票の見方

はじめに

退職金の源泉徴収票は、退職金に関する金額と税金の計算結果を示す重要な書類です。ここでは、書類の主要項目の意味と税額の計算方法、確認ポイントを分かりやすく説明します。

主な記載項目と意味

  • 支払金額(退職金の総額): 会社が支払った退職一時金の総額です。
  • 退職所得控除額: 勤続年数に応じて差し引かれる控除額で、源泉徴収票に記載されています。
  • 課税対象額(表示はない場合も): 支払金額から退職所得控除額を差し引いた額のうち、課税対象となる金額を示します。
  • 源泉徴収税額: 退職金から差し引かれた所得税の金額です。
  • 特別徴収税額(住民税): 退職後に住民税が特別徴収される場合に記載されます。

税額の計算の流れ

1) 課税対象の計算: (支払金額 − 退職所得控除額)
2) 課税対象の調整: 上記の金額の50%が実際に課税される金額になります。
 例: 支払金額3,000,000円、退職所得控除800,000円の場合
 (3,000,000 − 800,000) × 50% = 1,100,000円
3) 源泉徴収税額は、この課税対象額に基づき税率等を適用して計算されます。会社は所定の税率表や計算方法で源泉徴収を行います。

確認ポイントと対応

  • 支払金額や控除額が給与明細や退職金規程と一致しているか確認してください。
  • 源泉徴収税額が極端に多い・少ないと感じたら、会社の人事・経理に確認しましょう。誤りがあれば訂正を依頼できます。
  • 確定申告が必要な場合は、源泉徴収票を保管して税務署に提出してください。

誤記や不明点があれば早めに確認すると安心です。

源泉徴収票がもらえない場合・紛失した場合

概要

退職時に源泉徴収票がもらえない場合は、まず元の勤務先へ再発行を依頼します。会社が対応しないときは、所轄の税務署や労働基準監督署へ相談できます。

再発行の手順(具体例)

  1. まず担当者や人事にメールや書面で正式に請求します。退職日や氏名、マイナンバーの有無を伝えるとスムーズです。
  2. 返事がない場合は催促メールや電話を行い、記録を残します。
  3. それでも発行されないときは内容証明郵便で請求すると効果的です。

会社が対応しない場合の相談先

  • 税務署:源泉徴収票の発行義務について相談できます。発行を促す助言を得られます。
  • 労働基準監督署:未払いの賃金や雇用上の問題があるときに相談します。

紛失した場合の対処

再発行をまず依頼します。手元にない間は、給与明細や年末調整の控え、退職時の書類を証拠として保管してください。確定申告が必要な場合は、これらの資料で対応できることがあります。

用意する書類と注意点

身分証明書、退職日が分かる書類、給与明細、請求の記録(メールや郵便の控え)を用意すると手続きがスムーズです。再発行は時間がかかることがあるため、早めに行動しましょう。

退職者の源泉徴収票の作成方法(企業向け)

準備する情報

  • 退職者の氏名・住所・マイナンバーなど基本情報
  • 退職日、退職区分(自己都合・会社都合など)、退職理由
  • 年間の支払給与総額、源泉徴収税額、社会保険料控除額
  • 退職金がある場合は退職所得の計算結果

作成手順(7つのステップ)

  1. 人事・給与システムに退職日・区分・理由を登録します。例:3月31日退職、自己都合。
  2. 最終給与・賞与・残業代などを確定し、年間合計を出します。源泉税額も確定します。
  3. 退職金があれば、退職所得の控除や課税方法を反映して別表を作成します。
  4. 源泉徴収票(給与分)と退職所得の源泉徴収票を作成します。ソフトなら自動出力します。
  5. 記載ミスがないか二重チェックします。特に金額、退職日、区分は間違いやすい箇所です。
  6. 交付用の書面を用意します。書面交付が原則ですが、本人の同意があれば電子交付も可能です。
  7. 交付履歴を記録し、帳簿やデータを保存します。

ソフト利用時の注意点

  • 勤怠や支払データと連携させると金額の食い違いを防げます。
  • 退職理由や区分は社内ルールに沿って統一して登録してください。

交付と請求対応

書面交付が原則です。電子交付を行う場合は本人の同意を得てください。本人から紙での請求があれば、速やかに紙で交付します。

よくあるQ&A

Q1: 転職先に「退職所得の源泉徴収票」は提出しますか?

いいえ。転職先に提出するのは通常、給与所得の源泉徴収票(前職の給与分)だけです。退職金(退職所得)の源泉徴収票は、転職先の年末調整には関係ありません。

Q2: 退職金がなかったらどうなりますか?

退職金がない場合は、退職所得の源泉徴収票は発行されません。発行されるのは給与所得の源泉徴収票のみですので、それを転職先に提出してください。

Q3: 確定申告が必要なときはどうすればよいですか?

副業があったり医療費控除などで確定申告が必要な場合は、該当する源泉徴収票を申告書に添付します。具体的には、給与分は給与の源泉徴収票、退職金がある年は退職所得の源泉徴収票も添付します。

Q4: 年末調整で会社に出す書類は何ですか?

新しい勤務先には前年の給与所得の源泉徴収票を提出します。退職金の書類は通常不要です。ただし、申告書類での扱いが必要なケースでは別途対応します。

Q5: 退職金の税金は自分で申告する必要がありますか?

退職金は多くの場合、受け取り時に源泉徴収が行われますので確定申告が不要なケースが多いです。とはいえ他の所得と合わせて申告する方が有利になる場合もあるため、必要なら源泉徴収票を使って確定申告してください。

Q6: 手続きの実務的な流れ(簡潔)

  1. 退職後、会社から受け取った源泉徴収票を確認する
  2. 転職先には給与の源泉徴収票を提出する
  3. 副業や控除で確定申告が必要な場合は、該当する源泉徴収票を申告書に添付する

必要な書類や対応に不安があれば、会社の総務・人事または税務署に相談すると安心です。

まとめ

退職時は、給与所得と退職所得それぞれの源泉徴収票を必ず受け取り、大切に保管してください。転職先への提出、確定申告、各種控除の手続きで必要になる重要書類です。

受け取ったらまず記載内容(氏名、金額、税額、発行者)を確認し、誤りがあれば早めに勤務先へ連絡しましょう。紛失した場合は原則として発行元の会社に再発行を依頼します。会社と連絡が取れないときは税務署に相談してください。

紙と電子の両方で保管すると安心です。転職や確定申告の際には、必要な源泉徴収票を整理してすぐ出せるようにしておくと手続きがスムーズになります。再発行方法や給与と退職金の違いを押さえておくと、今後の税手続きが楽になります。

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