はじめに
本書の目的
この文書は「源泉徴収票 確定申告 書き方」をテーマに、源泉徴収票の記載内容をもとに確定申告書へ正しく転記する方法を丁寧に解説します。数値の読み取り方や転記の注意点を具体例を交えて説明しますので、初めての方でも安心して進められます。
対象読者
- 年末調整で済まなかった給与所得者
- 副業や退職があり確定申告が必要な方
- 源泉徴収票の見方に不安がある方
本書で扱う範囲
- 源泉徴収票の各項目の意味と確認方法
- 確定申告書への転記ルールと注意点
- よくある間違いとその防止法
準備するもの
- ご自身の源泉徴収票(原本)
- 運転免許証など本人確認書類
- 電卓または計算機能のある端末
- 前年分の収入・控除に関する書類(ある場合)
読み進め方
次章で源泉徴収票の各項目を順に説明します。項目ごとに何を確かめ、どの欄に転記するかを具体的に示します。実例を見ながら進めると理解しやすいです。必要があれば途中で元の書類を確認してください。
源泉徴収票の各項目の理解
はじめに
源泉徴収票は給与や控除、税額がひと目で分かる書類です。ここで各欄の意味を押さえると、確定申告書に正しく記入できます。
支払金額(給与)
1年間に会社から支払われた総額です。基本給、残業代、各種手当が含まれます。例:支払金額が500万円ならその年の総支給額が500万円です。
給与所得控除後の金額(給与所得控除)
税法で決められた控除を差し引いた後の給与所得額です。計算は定められた表に基づきますが、簡単に言えば「給与−給与所得控除=課税対象の給与所得」です。例:支払500万→控除100万→給与所得400万(概念例)。
社会保険料等の金額
健康保険、厚生年金、雇用保険の年間負担額が書かれます。確定申告では医療費控除などと合わせて確認します。例:年間60万円の負担が記載されます。
所得控除の欄
生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除などが個別に記載されます。各控除の金額と対象者(配偶者や扶養親族の有無)を確認してください。
源泉徴収税額
会社が預かって国に納めた所得税の合計額です。還付や追加納税の基礎になります。例:年内に10万円が源泉徴収されていると記載されます。
扶養親族等の数
扶養している配偶者や親族の人数と16歳未満、16歳以上の区分などが書かれます。控除適用の基礎情報です。
支払者の情報・摘要欄
会社名、所在地、法人番号や年末調整の結果などが記載されます。摘要欄には特記事項(非居住者扱い、退職金以外の事項など)が記載されることがあります。
チェックポイント
金額の桁数や氏名、扶養者の人数、社会保険料が実際の給与明細と一致しているかを確認してください。不一致があれば会社の総務担当に問い合わせましょう。
確定申告書への記入方法
準備
源泉徴収票を手元に用意します。確定申告書(A/Bの該当様式)、本人確認書類、控除証明書(社会保険、生命保険など)も揃えてください。写しを一部取ると安心です。
主な転記箇所と手順
- 収入金額(給与等):源泉徴収票の「支払金額」をそのまま転記します。桁落ちに注意してください。
- 所得控除:社会保険料控除は源泉徴収票の「社会保険料等の金額」を控除欄へ。生命保険料や地震保険料は証明書に基づいて記入します。
- 源泉徴収税額:源泉徴収票の「源泉徴収税額」を申告書の源泉徴収税額の欄へ転記します。年末調整を受けている場合でも、この欄は必ず記入します。
- その他の所得・控除:副業や医療費控除がある場合は、それぞれ別の欄に明細を添えて記入します。
注意点
- 金額は原本と必ず照合してください。桁違いや符号(マイナスの扱い)に気をつけます。
- 控除額は証明書に基づき正確に記入し、必要書類を添付または保存します。
- 同じ項目を二重に計上しないように整理してから書き込んでください。
提出前の確認
記入後はもう一度全部の欄を見直し、源泉徴収票と照合します。控えのコピーを保存すると、後の問い合わせに役立ちます。
よくあるミス例
- 「支払金額」を間違えて一部のみ転記する
- 社会保険料を控除欄に書き忘れる
- 源泉徴収税額を別の所得分と重複して申告する
以上の手順と注意点を守れば、確定申告書への転記がスムーズに進みます。


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