退職願の送り方を徹底解説！手渡し・郵送・メールで失敗しない方法

はじめに

退職願の提出は、今後の人間関係や手続きに影響する大切な行為です。本章では、このガイドの目的と使い方、押さえておきたい基本的な心構えを丁寧に説明します。

目的

退職願を手渡し・郵送・メールのいずれかで送る際のマナーと実務的な手順を分かりやすくまとめます。書き方のポイントや例文も掲載し、実際に使える形でお伝えします。

この記事の構成と使い方

第2章以降で、各送り方の手順と注意点、書式例を順に扱います。まずは自分の状況（上司との関係、在職中の手続き、会社規定）を確認してから該当章を参照してください。

読者へのアドバイス

退職は感情的になりやすい場面です。丁寧な言葉遣いとタイミングに気を配り、社内規定を優先して行動してください。具体的な例文やチェックリストは後章で紹介します。

退職願の提出方法と基本マナー

概要

退職願の提出方法は手渡し・郵送・メールの3つです。まずは直属の上司に手渡しで伝えるのが望ましいですが、出社できない事情や遠隔地勤務の場合は郵送やメールも認められます。どの場合も丁寧な言葉遣いと正しい書式が大切です。

提出方法と手順

• 手渡し
• 事前に面談の時間を取り、退職の意向を口頭で伝えます。
• その場で退職願を手渡します。封筒に入れる場合は表に「退職願」と明記します。

• 受領印や確認をもらったら、控えは必ず保管します。

• 郵送

• 就業規則に従い、余裕をもって発送します（一般的に1か月前が目安）。
• 簡易書留など追跡できる方法で送ると安心です。

• 受領確認が取れたら控えを保存します。

• メール

• 件名に「退職のご連絡（氏名）」と明記します。
• 本文で退職日と感謝の意を簡潔に述べ、添付で退職願のPDFを送ります。
• 返信や上司の指示を待ち、必要なら書面での提出に応じます。

共通のマナー

• まずは直属の上司に相談することが礼儀です。
• 感情的にならず、冷静に理由と希望日を伝えます。
• 会社の就業規則に従い、書面の形式や提出時期を確認します。
• 受領の証拠（控えや配達記録）は必ず残してください。

よくある注意点

• 事前連絡なしに突然提出すると印象が悪くなります。
• 勤務調整や引き継ぎのためにも余裕をもって伝えましょう。

ここまでのポイントを押さえれば、どの方法でも丁寧に退職手続きを進められます。

手渡しで退職願を提出する場合

1. 基本方針

直属の上司に手渡しする方法が最も推奨されます。まず口頭で退職の意志を伝え、その後に正式な書面として退職願を提出します。事前に時間を調整して、落ち着いて話せる場を作りましょう。

2. 封筒の準備

白無地の封筒を用意します。封筒の表に「退職願」と記入し、裏に氏名と所属を書いてください。市販の退職願用封筒でも構いません。封をのりで閉じる必要はありません。

3. 渡し方のマナー

・約束の時間に上司のもとへ伺います。忙しい時間帯は避け、あらかじめ面談のお願いをしておきます。
・退職願は両手で渡します。相手の顔を見て一礼し、簡潔に「退職願を提出いたします。ご確認ください」と伝えます。
・感情的にならず落ち着いて応対します。質問があれば簡潔に答える準備をしておきます。

4. 渡した後の対応

退職届を受け取ってもらったら、受領した日時と相手の氏名を控えておきましょう。可能であれば受領印やサインをもらえるか確認します。手続きの流れや最終出勤日、引継ぎについて話し合います。

5. よくある注意点

・直属の上司以外に渡すべきでない場合が多いので、勝手に他の人に渡さないようにします。
・対面が難しい場合は次章以降で紹介する郵送やメールの方法を検討してください。

郵送で退職願を送る場合

概要

出社が難しい場合や遠隔地勤務では、退職願を郵送で提出できます。封筒に退職願を入れ、さらに送付用の封筒（宛名：会社名・担当者名）に入れて送ります。必ず添え状（送付状）を同封し、「退職願を同封していますのでご確認ください」と一文を添えます。

準備するもの

• 退職願（署名・日付を忘れずに）
• 添え状（送付状）1通
• 返信用封筒（必要なら）
• コピー（自分用）
• 書留など追跡できる発送方法の控え

封筒の書き方

• 外封筒：会社名、部署名、担当者名を明記。部署宛の場合は「御中」、個人名が分かる場合は「様」を付けます。
• 差出人住所・氏名を必ず記載します。
• 内封筒に退職願を入れると丁寧です。

添え状（送付状）の書き方と例文

• 簡潔に目的と同封物を記載します。連絡先も書いておくと安心です。

例文：
2025年○月○日
株式会社〇〇　人事部　〇〇様

いつもお世話になっております。私、（氏名）は退職願を同封いたしました。ご確認のうえご対応いただけますようお願いいたします。
記
同封物：退職願　1通
連絡先：090-xxxx-xxxx

敬具
（住所・氏名）

送付方法とその後

• 書留（簡易書留）や配達記録郵便で発送し、控え（受領印・追跡番号）を保管します。これにより到着の証明が残ります。
• 到着後は電話やメールで到着確認をするか、返信書面を待ちます。自分の控えは必ず保管してください。

注意点：会社の就業規則に従い、提出期限や手続きを確認してから送付しましょう。

メールで退職願を送る場合

概要

リモートワークの増加で、メールで退職願を送るケースが増えました。法的にはメール提出も有効ですが、会社の規定や上司との関係を優先してください。可能なら手渡しや郵送を基本に考え、やむを得ない場合にメールを使います。

送信の基本マナー

• 宛先は直属の上司と人事を確認します。ルールで指定があれば従います。
• 送信時間は勤務時間内が望ましいです。
• 丁寧な言葉遣いで短く要点を伝えます。

件名・本文・添付の書き方

• 件名：退職願（氏名）と明記します。例：「退職願（山田太郎）」
• 本文：冒頭に退職の意思、希望退職日、簡単な理由（任意）を書きます。会社指定の様式があれば添付してください。
• 添付：退職願はPDFで添付します。ファイル名は「退職願_山田太郎.pdf」など分かりやすくします。PDF化が難しければ本文に退職願の文面を直接記載します。

送信前のチェックポイント

• 添付漏れ、宛先誤り、署名（氏名・連絡先）を確認します。
• 受信確認が取れるように、折り返しを求める一文を入れます。返信がない場合は電話で確認します。

メール例文（添付あり）

件名：退職願（山田太郎）
本文：
お世話になっております。山田太郎です。私事で恐縮ですが、一身上の都合により令和○年○月○日をもって退職いたしたく、ここに退職願を提出いたします。詳細は添付の書面をご確認ください。ご確認のうえご返信をいただけますと幸いです。
添付：退職願_山田太郎.pdf

メール例文（本文に直接記載）

件名：退職願（山田太郎）
本文：上と同様の文面を本文に入れ、署名を添えて送信してください。

退職願の書き方と記載項目

はじめに

退職願には必ず記載すべき項目があります。簡潔に、相手に誤解を与えない書き方を心がけましょう。

必須の記載項目

• 提出日：文書を書いた日付を記載します。
• 宛名：会社名と役職、受け取る方の氏名（例：株式会社〇〇 代表取締役 〇〇 様）。
• タイトル：用紙の上部に「退職願」などと明記します。
• 本文（退職の意思）：退職する旨を明確に記載します。退職理由は「一身上の都合」で差し支えありません。
• 退職希望日：会社規程に合わせた日付を入れます（例：○年○月○日）。
• 記名・押印：自署で署名し、必要なら印鑑を押します。

具体的な例文（シンプル）

（上部）退職願
（本文）私儀、一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
（末尾）令和○年○月○日
　　　　　　　　　　　　氏名（自署）
　　　　　　　　　　　　印

例文（丁寧）

退職願
私事で恐縮ですが、一身上の都合により、○年○月○日をもって退職させていただきたく、ここにお願い申し上げます。
記
退職希望日　○年○月○日
以上
令和○年○月○日
　　　　　　　　　　　　氏名（自署）
　　　　　　　　　　　　印

書くときの注意点

• 余計な理由や感情は書かないでください。簡潔に伝えます。
• 希望日は会社の就業規則や引継ぎ期間を考慮して決めてください。
• 修正は避け、訂正が必要なら新しい用紙に書き直して署名します。
• 提出前に1部コピーを残しておくと後で安心です。

送り方ごとの注意点とマナー

手渡しの場合

上司に渡す時は必ず「お時間よろしいでしょうか」と断ってから手渡します。上司が不在なら、無理に押し付けず「お戻りの時間を教えていただけますか」と伝え、後日改めて渡します。例：忙しそうな午前中は避け、落ち着いた時間帯を選ぶと良いです。

郵送の場合

配達記録が残る簡易書留や書留を使うと安心です。追跡番号と会社に到着した日付を控えておきます。封筒には正しい部署名と宛名を丁寧に書き、封入前にコピーを必ず取ります。

メールの場合

会社の規定や担当部署を確認し、正式な文面で送ります。件名は「退職願（氏名）」と明記し、送信前に上司や人事のアドレスを確認します。重要書類となるので送信後に受信確認を依頼すると安心です。

共通の注意点

提出前に口頭か電話で意思を伝えておくことを必須と考えてください。いずれの方法でも必ずコピーや送付記録を残し、誤解が生じないようにします。礼儀正しく、相手の都合を尊重して行動しましょう。

よくあるQ&A

Q：退職願をメールで送ってもよいですか？

A：法的には有効とされる場合がありますが、できれば手渡しや郵送が望ましいです。理由は形式や記録、相手への配慮です。やむを得ずメールで送る場合は署名入りPDFにして送信し、送付後に上司へ電話で確認を入れると安心です。

Q：体調不良や事情で会社に行けない時はどうすればいいですか？

A：郵送（簡易書留）やメールで提出してください。可能なら事前に上司へ電話で事情を伝え、郵送物の到着やメール受信を確認してもらいましょう。代理人に手渡してもらう場合は委任状があるとスムーズです。

Q：退職理由は詳細に書く必要がありますか？

A：「一身上の都合」で十分です。詳しい事情を書く義務はありません。会社が詳しく聞く場合は面談で説明すればよく、無理に細かく書かなくて大丈夫です。

Q：退職願と退職届の違いは？

A：退職願は“希望”を伝える書類で、撤回の余地があります。退職届は正式な“意思表示”で、受理されると撤回が難しくなります。会社の指示に従いましょう。

Q：退職日や引継ぎはどう伝えればいいですか？

A：就業規則を確認して期日を決め、退職願に記載します。引継ぎ内容や進め方も併せて上司と相談してください。

Q：一度提出した退職届を取り消せますか？

A：基本的に会社の同意が必要です。早めに誠実に相談すれば対応してくれる場合もあります。

Q：退職手続きで準備するものは？

A：健康保険証や貸与物の返却、必要書類（雇用保険関連の情報）などです。会社の総務に確認して準備しましょう。