損害賠償と請求書の書き方や送付時の注意点を徹底解説

目次

はじめに

本記事の目的

本記事は「損害賠償請求書」について、書き方から送付方法、注意点、法的根拠、保管や電子化まで実務的にわかりやすく解説します。交通事故や契約違反など具体的なケース別の例文や必要書類も掲載し、自力で請求書を作成・送付できることを目指します。

想定読者

  • 初めて請求書を作る方
  • 相手にどう伝えるか迷っている方
  • 書式や手続きの流れを知りたい方

本記事の構成と使い方

次章以降で、請求書の意味、記載項目、ひな形、送付方法、届いた後の対応、保管・電子化など全13章で順を追って説明します。各章は実例と注意点を交えているので、必要な章だけ参照しても役立ちます。

注意事項

本記事は一般的な解説です。個別の紛争や高額請求、法的手続きが必要な場合は、弁護士など専門家に相談してください。

損害賠償請求書とは?

定義

損害賠償請求書とは、他人の債務不履行や不法行為によって生じた損害について、金銭での補償を求めるために作成する文書です。請求の意思と金額、理由を明確にして相手に伝え、後のやり取りの証拠にします。

使用場面(具体例)

  • 交通事故でけがをしたとき
  • 契約違反で経済的損失が出たとき
  • 知人の持ち物を壊してしまったとき
    これらの場面で被害の内容と請求額を書いて送ります。

目的と効果

請求書は口頭の要求より強い意思表示になります。内容証明郵便などで送れば、送付日や文面を証拠化できます。相手が誠意ある対応をとるきっかけになることが多いです。

注意点(作成前に考えること)

請求額は証拠に基づき算出してください。感情的な表現は避け、事実と根拠を中心に記載します。必要なら弁護士や専門家に相談してください。

損害賠償請求書の記載項目

はじめに

損害賠償請求書には、事実と請求の要点を明確に記載します。後で争点になりにくくするため、具体的に書くことが大切です。

基本情報

  • 日付:作成日を明記します。
  • 宛先:相手方の氏名・住所・会社名・担当者名。
  • 請求者:請求する側の氏名・住所・連絡先(電話・メール)。

事実の記載

  • 発生日時・場所・状況を時系列で簡潔に書きます。
  • 関連する証拠(写真、事故証明、契約書など)を特定して添付します。

賠償請求の意思

  • 「損害賠償を請求します」と明確に記載します。
  • 必要なら交渉可否や期限内の対応を求める旨も書きます。

損害の金額と内訳

  • 総額を明記し、項目ごとの内訳を示します(例:治療費、修理費、休業損害、慰謝料)。
  • 金額の根拠(領収書、見積書、診断書)を示し、計算方法も簡潔に説明します。

支払条件・期限・振込先

  • 支払期限(日数または具体的な期日)を明示します。
  • 振込先口座情報や支払方法を記載します。

添付書類

  • 領収書、診断書、見積書、写真、契約書のコピーなどを列挙して添付します。

署名・捺印

  • 最後に請求者の署名(捺印)を入れます。法人なら代表者名と捺印を忘れずに。

その他の注意点

  • 金額や事実を曖昧にしないこと、証拠はコピーを保存すること、期限は現実的に設定することを心がけてください。

必要であれば、上記を元にひな形や例文を作成します。

損害賠償請求書のひな形・例文

ひな形(例文)

令和○年○月○日

(被請求者)○○ 様

(差出人)○○ ○○

件名:損害賠償請求書(交通事故による慰謝料等)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、下記のとおり損害賠償を請求いたします。

事故日時:令和○年○月○日 午後○時頃
事故場所:○○市○丁目付近

請求合計金額:¥350,000

請求項目内訳:
– 治療費:¥120,000(添付:診療明細書、領収書)
– 通院交通費:¥5,000(添付:交通費精算書、領収書)
– 入通院慰謝料:¥80,000(添付:通院記録、診療報告)
– 後遺障害慰謝料:¥0(該当なしの場合)/該当あり:¥200,000(添付:後遺障害診断書)
– 休業損害:¥30,000(添付:勤務先の休業証明、給与明細)
– 過失割合による控除:10%(添付:事故状況説明、当方の主張証拠)

入金先:○○銀行 ○○支店 普通口座 1234567 口座名義 ○○ ○○

請求期限:本書到達後14日以内に上記口座へご送金ください。

敬具

(添付書類一覧)
1. 診療明細書・領収書
2. 交通費領収書
3. 休業証明書・給与明細
4. 後遺障害診断書(該当時)
5. 事故現場写真、実況見分書(ある場合)

過失割合について(判例を踏まえた説明)

過失割合は、事故の態様や信号・速度・歩行者の有無などを総合して判断します。判例では、各当事者の注意義務違反の程度や事故直前の行動を比較して割合を決めるとされています。具体的には、追突・右折・直進・交差点侵入などの典型的なケースごとに基準が示され、これを参考に当方は10%の過失を見込んで算出しています。過失割合に争いがある場合は、示談交渉、調停または訴訟で最終的に決まります。

記載上のポイント

  • 金額は内訳ごとに明示し、添付資料を必ず記載してください。
  • 入金先は振込ミスを避けるため口座名義まで正確に記載します。
  • 過失割合は説明と証拠を付けて主張し、相手と調整できる余地を残します。

以上を参考に、実情に合わせて数字や添付書類を調整してください。

損害賠償請求書を作成する際の注意点

1) 日付・氏名・連絡先は正確に

請求書の冒頭に日付、請求者の氏名(法人なら代表者名)、住所、電話番号を明記します。日付は時効の起算点に関わるため必ず入れてください。

2) 請求内容と金額を具体的に

何に対する損害賠償かを項目ごとに分け、金額の内訳や算出根拠を示します。曖昧な表現は避け、いつ・どのように被った損害かを明確にします。

3) 裏付け資料を添付する

領収書、診断書、修理見積書、契約書など証拠になる書類を必ず添付します。原本は手元に保管し、提出はコピーでも構いませんが写しに「原本と相違ない旨」を付けると安心です。

4) 時効対策としての日付の重要性

損害賠償請求権は消滅時効があります。請求書の日付は時効を中断する効果があるため、日付と発送方法(送付日)を記録しておきます。

5) 文面の書き方とトーン

感情的にならず、事実と請求額、支払期限(例:14日以内)を明記します。支払がない場合の対応(法的手続きの検討など)も簡潔に触れます。

6) 送付前のチェックと相談

書き漏れや計算ミスがないか再確認し、必要に応じて弁護士や専門家に相談してください。特に高額請求や争いが予想される場合は専門家の助言を得ると安心です。

損害賠償請求書の送付方法

概要

損害賠償請求書は、相手に「請求した」ことを確実に残すために送付します。最も確実なのは内容証明郵便で、送付の事実と文面を郵便局が証明してくれます。

内容証明郵便で送る手順(実務的)

  1. 同文を3通用意します(郵便局で扱う決まりです)。
  2. 請求書は日付・請求金額・支払期限・振込先等を明確に記載します。
  3. 証拠となる領収書や写真はコピーして添付します(原本は控えで保管)。
  4. 郵便局の窓口で内容証明の手続きを行い、必要なら配達証明を付けて到達日も記録します。

その他の送付方法と向き不向き

  • 書留・配達記録:配達の有無を残せますが、文面の証明にはならないため内容証明と併用することが多いです。
  • 電子メール:手早いですが法的証拠力は弱いため、事前連絡や補助的手段として使います。
  • 手渡し・弁護士送付:直接手渡せれば確実ですが、トラブルの際は第三者(弁護士)による送付がより強い証拠になります。

送付時の注意点

  • 住所・氏名を正確にする。誤送は無効になるおそれがあります。
  • 支払期限は現実的かつ明確に設定する。
  • 請求後のやり取りは記録しておく(メール、メモ)。

保管と電子化

送付した控えは3〜5年程度保管します。スキャンして電子化できますが、紛争時には紙の原本を併せて残すことをおすすめします。

損害賠償請求書が内容証明郵便で届いたら

まず落ち着いて確認する

内容証明郵便で届いたら、慌てず封筒の表記と受取日を確認し、中身をコピーして保管してください。内容証明は相手が「いつ」「どんな内容」を送ったかを公的に証明します。証拠として重要です。

確認するポイント

  • 請求の内容(何をどれだけ請求しているか)
  • 請求の根拠(いつの出来事か、契約や事故の具体的事実)
  • 支払期限や対応期限が書かれているか
  • 証拠の添付や今後の連絡方法
    具体例:事故による修理代、商品の欠陥による返金など。

まず取るべき対応の流れ

  1. 書面をコピーして日付をメモする。郵便の受領印も残す。
  2. 請求内容を冷静に検討する。自分で説明できない点はメモする。
  3. 期限がある場合は期限内に連絡するか、回答を準備する。
  4. 不安なら弁護士や消費者相談窓口に相談する。

証拠とやりとりの保存

受取時の封筒、内容証明の写し、関連するメールや領収書などは必ず保存してください。今後のやりとりは書面か内容証明で残すと安心です。

無視した場合のリスク

無視すると相手が裁判や強制執行など法的手段を取る可能性があります。早めに対応や相談をすることで、事態を軽くできる場合が多いです。

損害賠償請求書の種類と法的根拠

概要

損害賠償請求の代表的な法的根拠は「債務不履行」と「不法行為」です。債務不履行は契約で定めた義務を守らなかった場合に成立します。例えば納品遅延や契約違反による損害が該当します。不法行為は他人の権利や法的利益を侵害した場合で、交通事故や名誉毀損が典型例です。

主な法的根拠と特徴

  • 債務不履行(民法415条): 契約の存在が前提です。契約違反、損害、因果関係の立証が必要です。契約書や納品記録が証拠になります。
  • 不法行為(民法709条): 契約の有無に関係なく成立します。違法な行為、過失、損害、因果関係を示します。事故報告や目撃証言、医療記録が重要です。
  • 製造物責任(PL法): 欠陥製品による被害について、事業者に賠償責任が生じます。必ずしも過失の立証は不要です。

請求書の種類と書き分け

請求書を作るときは、どの法的根拠に基づくかを明示してください。根拠により要求する賠償内容や添付すべき証拠が変わります。たとえば契約違反なら契約書や履行状況の証拠を、不法行為なら事故の状況や医療証明を優先して添付します。

実務上の注意点

法的根拠を誤ると請求が退けられることがあります。まず事実関係を整理し、最も適切な根拠を明記して請求書を作成してください。必要に応じて弁護士に相談すると安心です。

損害賠償請求書の保管期間と保管方法

推奨される保管期間

損害賠償請求書は一般的に3年から5年程度の保管をお勧めします。契約や事故の内容、保険会社や裁判での利用可能性を考えると、請求から少なくとも3年は残しておくと安心です。特に長期にわたる損害や後日争いになる可能性がある場合は5年程度保管してください。

原本の保管方法

原本は最も重要な証拠です。火災や盗難のリスクを減らすため、施錠できる金庫や耐火キャビネットに保管します。会社で管理する場合はアクセス権を設定し、誰が閲覧したか記録を残すと信頼性が高まります。

コピーと分散保管

原本は1か所に集め、コピーは別の場所に保管してください。例えば原本を金庫に、コピーを別のオフィスや自宅の保管箱に置くとリスク分散になります。紙のコピーは耐水性のケースに入れると安心です。

電子化する場合の注意点

スキャナーでPDF化する際は解像度を上げ、日付や署名が鮮明に写るようにします。PDF/Aなど長期保存に適した形式で保存し、暗号化やパスワードで保護してください。クラウドを使う場合はバックアップを二重に取り、アクセスログを残すと証拠性が高まります。原本は可能な限り保存しておくことを忘れないでください。

廃棄のタイミングと方法

保管期間が過ぎたら個人情報を含む書類は裁断機で細断してください。廃棄の記録(いつ、誰が廃棄したか)を残すと後のトラブル回避になります。

実務チェックリスト

  • 保管期間を記録して期限管理する
  • 原本を耐火・施錠できる場所に保管する
  • 電子ファイルをバックアップし暗号化する
  • コピーを別の場所に分散保管する
  • 廃棄時は細断し記録を残す

以上を守ることで、請求書を証拠として有効に維持できます。

損害賠償請求書の電子化について

電子化の利点

損害賠償請求書を電子化すると、検索や共有がしやすくなります。紙の劣化や紛失リスクを減らし、複数人での確認もスムーズに行えます。

電子化の方法

スキャナーやスマートフォンのカメラで読み取り、PDFなどの汎用フォーマットで保存します。読み取り時は文字が鮮明に映るよう照明を整え、ページ順や日付が正しいか確認してください。

ファイル形式と管理

推奨はPDF(テキスト検索可能なOCR付き)です。ファイル名に「作成日・請求先・件名」を入れ、バージョン番号を付けると管理しやすくなります。クラウドと外付けハードディスクの両方に保存し、定期的にバックアップを取ってください。

セキュリティ対策

アクセス権限を設定し、パスワードや暗号化で保護します。重要書類は二段階認証を使うと安心です。監査ログを残して誰がいつ閲覧や変更をしたか記録しましょう。

原本の保存

電子化しても、できれば紙の原本は一定期間保管してください。裁判や証拠保全が必要になったときに原本が役立つことがあります。

電子署名と証拠性

電子署名を付すと真正性を担保しやすくなります。法的効力についてはケースごとに異なるため、重要な場面では専門家に相談することをおすすめします。

損害賠償請求書の流れと必要書類

1. 全体の流れ

  1. 損害の発生と責任の確認:何が起きたか記録し、誰に責任があるかを明確にします(例:交通事故で相手の過失)。
  2. 証拠の収集:領収書や写真、診断書などを集めます。
  3. 請求書の作成:請求額と理由を分かりやすく書きます。計算根拠も添えます。
  4. 送付:内容証明郵便や配達記録で相手に送ります。
  5. 相手の対応待ち:応じない場合は示談交渉、調停、訴訟へ進みます。

2. 主な必要書類(場面別)

  • 物損・修理費:見積書、修理領収書、写真
  • 損害賠償(治療費):診断書、領収書、通院歴のメモ
  • 休業損害:勤務先の休業証明、給与明細
  • 契約トラブル:契約書、注文書、メールのやり取り
  • 交通事故:事故証明書(警察)、当事者の連絡先、実況見分の写し

3. 書類の整理と保存

  • 原本は大切に保管し、提出時は写しを用意します。
  • 日付順にファイルし、目次やメモを付けると相手や裁判所に説明しやすくなります。
  • 電子化する場合はスキャンして日付・ファイル名を統一してください。

4. ワンポイント

請求額の根拠が明確だと相手の理解が早まります。書類が足りない場合は早めに取り寄せましょう。

損害賠償請求書の無視について

無視が招く主なリスク

損害賠償請求書を放置すると、相手は裁判を起こしたり、判決後に強制執行(給与差押えや預金差押え)に踏み切ったりする可能性があります。通知を無視すると「誠実な対応をしなかった」と評価され、不利になることがあります。

まずやるべきこと

  1. 落ち着いて請求書の内容を確認する:請求金額、請求の理由、期日を確認します。具体的な請求根拠が書かれているかを見てください。
  2. 証拠を整理する:契約書、領収書、メールのやり取りなど、反論や減額に使える資料を集めます。
  3. 相手に連絡する:事実誤認や支払困難であれば、速やかに連絡して事情を説明し、交渉の余地を作ります。

無視した場合の具体的な流れ(例)

請求無視→催告や内容証明郵便→訴訟提起→判決→強制執行。この流れは時間と費用を要し、最終的に差押え等で実害が出ます。

弁護士に相談するタイミング

請求額が大きい、事実関係が複雑、相手が交渉に応じない場合は早めに弁護士へ相談してください。弁護士は法的リスクの評価、交渉、必要時は訴訟対応まで助けてくれます。

注意点

  • 無視は選択肢ではありますが、リスクが高いです。短期的には時間を稼げても、後で不利になる可能性があります。
  • 支払能力がない場合は正直に伝え、分割払いや和解案を提示することで裁判を回避できる場合があります。

損害賠償請求書の実務的なポイント

概要

損害賠償請求書は形式だけでなく、実務的な配慮が重要です。ここでは実務で押さえるべき具体的なポイントを分かりやすく説明します。

記載は漏れなく、計算は明確に

請求金額の内訳を細かく書きます(損害項目・金額・算出根拠)。支払期限と振込先、遅延時の扱い(利息)も明記してください。数字は誰が見ても分かるように整理します。

裏付け資料を必ず添付する

領収書、見積書、写真、診断書、契約書などを添付すると説得力が増します。原本は保管し、コピーを同封します。

送付方法と証拠の残し方

重要な請求は内容証明郵便で送ります。配達証明を付ければ受領の記録を残せます。送付控えは電子・紙ともに保存してください。

保管期間と証拠保存

書類は長めに保管します。法的手続きになった場合に備え、関連資料は整理しておきます。写真やメールは日時情報ごとに保存してください。

対応がない・争いになった場合の流れ

まずは再請求や交渉を試みます。合意が得られない場合は調停・少額訴訟・訴訟など次の手段を検討します。早めに専門家に相談すると選択肢が明確になります。

専門家に相談するタイミング

請求金額が大きい、相手が反論してくる、法的期限が迫る場合は早めに弁護士や司法書士に相談してください。書面の作り方や証拠の揃え方で結果が変わることがあります。

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