源泉徴収票の見方と支払金額の正しいポイント解説

目次

はじめに

源泉徴収票の「支払金額」欄は、会社から受け取ったお金の合計を示す重要な欄です。本記事では、その意味と正しい見方をやさしく丁寧に解説します。多くの人が「支払金額=年収」と考えますが、実際には含まれる手当や含まれない非課税項目があり、細かい違いが出ることがあります。

この記事の目的

・支払金額欄が何を表すかを分かりやすくする
・どんな手当が含まれ、どんなものが含まれないかを具体例で示す
・支払金額と「給与所得控除後の金額」など他欄との違いを説明する
・金額の確認ポイントや必要になる場面、注意点をまとめる

誰に向けているか

会社員やアルバイト、派遣の方、転職や確定申告で源泉徴収票を扱う人向けです。専門用語を最小限にして、初めて見る方でも分かるように書いています。

次章からは、支払金額の具体的な中身や確認方法、よくある誤解まで順を追って説明します。安心して読み進めてください。

源泉徴収票とは何か?その役割

概要

源泉徴収票は、会社など雇用者が従業員に支払った給与や賞与の合計額と、そこから差し引かれた所得税の額などを記載した公式な書類です。年末調整後や退職時に発行され、本人や税務署、自治体が収入を確認するために使います。

主な記載内容(わかりやすく)

  • 支払金額:一年間に支払われた総支給額(給与・賞与など)
  • 所得税の源泉徴収税額:会社が天引きして国に納めた税金
  • 各種控除額:社会保険料や扶養控除など、税金計算に使う数字

発行されるタイミングと受け取り方

年末調整が終わる12月から翌年1月ごろ、または退職時に発行されます。会社から郵送や手渡しで受け取るのが一般的です。

利用場面の具体例

  • 確定申告や住民税の手続き
  • 住宅ローンやクレジットの審査での所得証明
  • 転職先への提出(必要な場合)

注意点

源泉徴収票は公式書類なので、紛失しないように保管してください。内容に誤りがあれば、発行元の会社に早めに確認しましょう。

支払金額欄の意味と年収との関係

支払金額欄とは

支払金額欄は、その1年間(1月1日~12月31日)に会社があなたに支払った給与の総額を示します。給与・賞与・各種手当など、税法上の課税対象となる支給がすべて合算されます。一般的には「年収」とほぼ同じ意味で考えて差し支えありません。

含まれるもの(課税対象の具体例)

  • 基本給
  • 残業代・深夜手当・休日出勤手当
  • 住宅手当・家族手当・役職手当・職能手当
  • ボーナス(賞与)
    これらは給与として課税されるため、支払金額欄に反映されます。

含まれないもの(非課税の具体例)

  • 通勤手当(一定額までの非課税分)
  • 出張旅費や実費弁償
  • 法定の非課税手当
    これらは支払金額欄に含まれません。

年収との関係と具体例

例えば、月給25万円で年間賞与50万円、通勤手当年間12万円(非課税部分)なら、支払金額は(25万×12)+50万=350万円となります。通勤手当は非課税のため支払金額には加算されません。

確認のポイント

支払金額が年収と同じかを確認するには、給与明細の総支給額と賞与の合計を照らし合わせてください。非課税手当が除かれている点に注意してください。

支払金額欄に含まれない非課税手当の具体例

概要

支払金額欄には所得税の課税対象となる給与が記載されます。ここでは、その欄に含まれない代表的な非課税手当を具体例を交えてわかりやすく説明します。

具体例(代表的なもの)

  • 通勤手当
  • 定期代やバス代など、通勤に要する実費の補填です。通勤手当は「一定額まで非課税」とされることが多く、実費精算や定額支給でも実態が通勤費であれば支払金額欄に算入されません。
  • 出張旅費・交通費
  • 業務上の出張に伴う交通費(電車・新幹線・航空運賃・タクシーなど)や宿泊費は、実費として支給される場合に非課税です。日当も業務に伴う実費の補填であれば非課税となります。
  • 転勤に伴う費用の一部
  • 引越し費用や、転居に伴う一時的な住居費など、勤務に伴う実費負担は非課税となる場合が多いです。領収書や社内規程に基づく実費精算がポイントです。
  • 実費弁償(業務上の経費精算)
  • 仕事で必要な物品の購入や会場費、交通費などを会社が実費で精算する場合は非課税です。実費を超えて手当のように上乗せされると課税対象になることがあります。

非課税となる理由と確認ポイント

  • なぜ非課税か:これらは“給料としての利益”ではなく、従業員が業務や通勤で実際に負担した費用の補填だからです。
  • 確認方法:給与明細や受領書(領収書)、社内の支給区分を確認してください。源泉徴収票の支払金額に反映されていなければ非課税扱いである可能性が高いです。
  • 注意点:実費の名目でも、金額が相当額を超えたり、領収書がなく一律で高額に支給されると課税となる場合があります。不明な点は総務や税務の担当者に確認してください。

「支払金額」と「給与所得控除後の金額」の違い

概要

支払金額は会社から受け取った年収の合計を指します。給与や手当などの合計で、いわゆる“額面”の金額です。一方、給与所得控除後の金額は支払金額から給与所得控除を差し引いたものです。税法上、会社員に認められる必要経費の代わりと考えると分かりやすいです。

違いを分かりやすく

支払金額=収入の総額(額面)
給与所得控除後の金額=課税のもとになる金額(支払金額−給与所得控除)
給与所得控除は収入に応じて金額が大きくなり、収入が増えるほど控除額も増えますが、丸ごと経費になるわけではありません。

具体例(イメージ)

支払金額が4,000,000円で、給与所得控除が900,000円なら、給与所得控除後の金額は3,100,000円です。ここからさらに社会保険料控除や基礎控除などを差し引いて課税所得が決まります。

実務上のポイント

源泉徴収票で両者を確認してください。支払金額は年収の目安になり、給与所得控除後の金額が実際の課税ベースに近い数字です。税負担を知るときは必ず控除後の金額を基準にしましょう。

支払金額欄の金額が正しいか確認するポイント

準備するもの

  • 1月から12月までの給与明細(すべて)
  • ボーナス明細や各種支払通知書
  • 転職があれば前職と現職の源泉徴収票

確認の手順

  1. 給与明細に記載の「支払額」を月ごとに合計します。賞与(ボーナス)は別に記載されていることが多いので、忘れずに足してください。
  2. 合計額と源泉徴収票の「支払金額」欄を比べます。金額が一致すればまず問題ありません。
  3. 金額が合わない場合は、下の点をチェックします:
  4. 非課税の手当や精算(通勤手当の非課税分など)が明細にどう表示されているか。
  5. 年の途中入社・退職で給与が複数の会社に分かれていないか(前職の分は前職の源泉徴収票に反映)。
  6. 後払いの手当や精算が翌年に回っていないか(支払日が重要です)。

不一致があったら

まず勤怠・給与担当者に確認します。明細の記載ミスや集計漏れ、年末調整での修正が原因のことが多いです。必要なら前職の源泉徴収票を合わせて合算してもらい、訂正を依頼してください。

ワンポイント

照合は支払日の属する年で行います。明細の合計と源泉徴収票の金額が一致するかを冷静に確認することが一番大切です。

源泉徴収票の「支払金額」が必要となる主な場面

以下は、実務でよく源泉徴収票の「支払金額」(年収証明)を求められる代表的な場面と、そのときに知っておきたいポイントです。

  • ローン審査(住宅ローン・マイカーローンなど)
    銀行や金融機関は返済能力を確認します。源泉徴収票は確かな年収証明になり、提出を求められることが多いです。直近の前年分を用意するとスムーズです。

  • 賃貸契約(賃貸住宅の入居審査)
    家主や管理会社が家賃支払い能力を確認します。給与明細より源泉徴収票を重視する場合があります。

  • 転職・内定後の年収確認
    転職先が入社手続きで前職の年収証明を求めることがあります。退職後も再発行を依頼できます。

  • 確定申告や副業の手続き
    確定申告で前年の給与所得を確認する際に役立ちます。副業がある場合は合算の確認が必要です。

  • 公的手続き(扶養控除・保育園申請・各種助成金)
    扶養判定や収入基準の確認で源泉徴収票を使います。提出形式(原本・コピー)は窓口の指示に従ってください。

  • その他(保険の審査、奨学金申請など)
    年収を基にした審査で求められることがあります。

準備のコツ:発行年度を確認し、金額に誤りがないか、非課税手当が反映されない点や控除後の額と混同しない点を必ずチェックしてください。紛失した場合は勤務先に再発行を依頼しましょう。

よくある誤解・注意点

  • 支払金額は手取りではありません

支払金額欄は社会保険料・源泉所得税・住民税などが差し引かれる前の総額です。たとえば、支払金額が4,000,000円でも、社会保険で約500,000円、税金で約200,000円が差し引かれれば、手取りは約3,300,000円になります。手取りと混同しないよう注意してください。

  • 給与明細の「総支給額」と必ずしも同じではない

給与明細の総支給額には、非課税の通勤手当や出張旅費が別扱いで表示されることがあります。源泉徴収票の支払金額には非課税扱いの手当は含まれないため、金額が異なる場合があります。具体例として、通勤手当が年間200,000円で非課税なら、給与明細の総支給にその分が含まれていても、源泉徴収票の支払金額には反映されません。

  • ボーナスや一時金の扱い

賞与は支払金額に合算されますが、年の途中で退職・入社があると計算が複雑になります。複数社で働いた場合は各社の支払金額を合算して確定申告や住民税の計算に使います。

  • 間違いに気づいたら

支払金額に誤りがあれば、まず勤務先の人事・給与担当に問い合わせてください。訂正が必要なら源泉徴収票の再発行を依頼します。税務署に確認する必要がある場合は、会社と相談して対応してください。

まとめ:支払金額欄の正しい見方

要点

支払金額欄は、1年間に支払われた課税対象の給与などの総額を示します。通勤手当や出張旅費など非課税のものはここに入りません。年収の証明や各種申告で基準となる重要な金額です。

なぜ正しく見る必要があるか

この金額を基に税額や社会保険料、給付の判定が行われます。表に記載された「給与所得控除後の金額」とは計算目的が異なるため、両者を混同しないことが大切です。

実務的なチェックポイント

  • 支払金額が1月から12月分の合計になっているか確認してください。
  • 非課税の手当が別に記載されているか、または除外されているかを確認します。
  • 給与明細や年末調整の記録と照らし合わせてずれがないか見てください。

金額に疑問があるとき

差異を見つけたら、まず勤め先の総務や担当者に問い合わせてください。修正が必要な場合、源泉徴収票の再発行などで対応してもらえます。

支払金額欄を正しく理解すると、年収の確認や申告がスムーズになります。落ち着いてチェックして、不明点は早めに確認しましょう。

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