はじめに
この記事の目的
退職願・退職届は形式や筆記具に気を使う書類です。本記事は、どの筆記具を選ぶべきか、書き方の基本や封筒の書き方、失敗したときの対処法、パソコン作成の可否まで、実務で役立つ情報をやさしく丁寧に解説します。
なぜ筆記具が重要か
退職届は公的な書面として扱われるため、見た目や訂正のしやすさが重視されます。黒のボールペンや万年筆が基本で、消せるペンや派手な色のペンは避けるべきです。適切な筆記具を使うことで、相手に誠意を伝えられます。
本記事の構成
第2章以降で、具体的な筆記具の種類と選び方、退職願・退職届の書き方の基本、封筒の書き方、失敗時の対処、パソコン作成の最新事情、最後に選び方のまとめとよくある質問を順に解説します。初めて書く方も安心して読める内容にしています。
退職願・退職届に使うべき筆記具
推奨する筆記具
- 黒のボールペン（油性・ゲルインクいずれも可）
- 万年筆（黒インク）
黒は正式文書の基本です。ボールペンは0.5〜0.7mm程度の太さが読みやすく無難です。万年筆を使う場合は、にじまない黒インクを選んでください。
避けるべき筆記具
- 消せるタイプのペン（例：フリクション）
- 鉛筆・シャープペンシル
- 青・赤などのカラーペン
消せるインクや鉛筆は書き直しが容易なため正式文書には不向きです。色付きペンも公的な印象に欠けます。
インクの種類と選び方
- 油性：にじみにくく長期保存に向く
- ゲル（黒）：発色が良く筆跡がはっきりする
- 水性（一般）：にじむことがあるため注意
にじみにくさと消えにくさを優先してください。コピーやスキャンしたときに読みやすい濃さも重要です。
書くときのちょっとしたコツ
- 事前に練習用紙でインクの出具合を確認
- 字が薄い場合は一度に強く書かず、濃さを保てるペンを選ぶ
- 誤字があったら勝手に修正せず、会社の指示に従う（第5章で詳述）
必ず黒色のボールペンか万年筆を用い、消せるペンや鉛筆、カラーペンは使わないようにしましょう。にじみにくく読みやすい筆記具を選ぶと安心です。
退職願・退職届の書き方の基本
書式の基本
退職願・退職届は縦書きが基本です。会社で横書きを認めている場合は横書きでも問題ありません。用紙は白無地の便箋が望ましく、罫線入りでも差し支えありません。封筒も白無地のものを用意します。
手書きのマナー
手書きする場合は丁寧に書いてください。字が汚くならないよう落ち着いて書き、誤字や書き損じがあれば新しい用紙に必ず書き直します。修正液や修正テープ、二重線で消す行為はマナー違反です。印象が悪くなるため避けてください。
書類に記載する項目
- 件名：退職願または退職届を冒頭に明記します。\
- 本文導入：通常「私儀（私事）により、」などの書き出しを使います。\
- 退職理由：「一身上の都合」と記載するのが一般的です。詳しい理由は口頭で説明します。\
- 退職日：退職希望日または確定日を明記します。希望日を書く場合は、調整の余地があることを念頭に置いてください。\
- 所属・氏名：所属部署名とフルネームを正確に書きます。\
- 捺印：認印を押します。シャチハタ（ゴム印）は避けてください。\
- 宛名：会社の代表者名（社長など）を記載し、「殿」または社内ルールに応じて「様」を付けます。
書き方のポイント
行間を揃え、読みやすく配置してください。句読点は最小限にすると正式な文書らしくなります。署名欄は右下に配置し、捺印は署名の横に押します。希望日を書いた場合は「令和○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」のように丁寧に結びます。
例（簡略）
件名：退職願
本文：私儀、○○一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたしたく、お願い申し上げます。
所属：○○部 氏名：山田太郎 印
丁寧に書くことで誠意が伝わります。疑問点があれば会社の人事担当に確認してください。
封筒の書き方とマナー
表面の書き方
- 封筒表面の中央やや上に「退職届」または「退職願」を大きめにはっきり書きます。縦書きなら縦に、横書きなら横に統一して書いてください。
- 宛先は表面の左上または中央左寄りに記載します。会社名・部署名・宛名（例：株式会社○○ 人事部 御中）とします。手渡しの場合は省略することも可能です。
裏面の書き方
- 封筒裏面の左下に所属部署名と氏名を記載します。部署は正式名称で、氏名はフルネームにしてください。
- 日付や住所は原則、封筒ではなく文書本体に記載します。封筒には細かな情報を載せる必要はありません。
封の仕方（手渡しと郵送）
- 手渡しの場合は封筒のふたを軽く折るだけで差し支えありません。封をしないほうが誠実さを感じさせる場面もあります。
- 郵送や封をする場合は封の中央に「〆（しめ）」や「封」と記入して封を確かにしてください。糊やテープでしっかり封をするのが基本です。
書く際の注意点
- 筆記具は黒のボールペンまたは万年筆など、消えない黒インクを使います。鉛筆や消せるペンは避けてください。
- 誤字や修正は避け、新しい封筒を用意する方が良いです。字は丁寧に、読みやすく書いてください。
- 封筒の向きや書き方は社内の慣習に合わせて統一しましょう。迷うときは上司や総務に確認してください。
書式例（簡潔）
- 表面中央：退職願
- 表面左上：株式会社○○ 人事部 御中
- 裏面左下：営業部 山田太郎
以上が封筒の基本的な書き方とマナーです。丁寧に準備することで印象が良くなりますので、落ち着いて書き進めてください。
失敗時の対処法と注意点
書き損じたときの基本対応
書き損じた場合は、修正液・修正テープ・二重線で消すことは厳禁です。必ず新しい用紙や封筒に最初から書き直してください。小さな訂正でも印象が悪くなるため、きれいな書面を用意することが大切です。
インクや文字の状態を提出前に確認
文字のにじみやかすれ、書きムラがないかを必ずチェックしてください。インクが乾くまで触らない、試し書きで用紙との相性を確認するなどの手間を惜しまないでください。
消せるボールペンは使わない
フリクションなどの消せるボールペンは印字が消える恐れがあります。重要書類には絶対に使用しないでください。
提出後に誤りに気づいた場合の対応
提出後に誤りを見つけたら、速やかに上司や総務に連絡して指示を仰いでください。多くの場合、新しい書面の再提出が必要になります。
封筒の書き損じも同様に対処
封筒に間違えた場合も貼り直しや修正は避け、きれいな封筒に書き直します。封かん前に最終確認をしてください。
確認チェックリスト（簡易）
- 新しい用紙に書き直す
- インクの乾き・にじみを確認
- 消せるペンを使っていないか確認
- 提出前に控えを一部保管
- 誤りがあれば速やかに連絡する
パソコン作成は可能？最新事情
概要
近年、退職願・退職届をパソコンで作成するケースが増えています。会社の規定や上司の慣習で許容される場合も多く、手書きが絶対という時代はやや変わってきました。ただし、正式な印象を重視する職場や社内規定では手書きが推奨されます。
いつパソコン作成が認められるか
- 就業規則や人事担当者に明記されている場合は問題ありません。
- 業務で文書を電子で扱う職場やリモート勤務が多い職場では許容されやすいです。
- 目上の方や伝統を重んじる職場では手書きを求められることが多いです。
パソコン作成時の具体的な注意点
- フォントは明朝系（MS 明朝、游明朝）やゴシック系（メイリオ）など読みやすいものを選びます。
- 余白や行間を整え、手書きと同等の体裁にします。文末や日付の位置も確認してください。
- 保存はPDFで行い、改変されにくい形式にします。
- 印刷は白いA4用紙など目立たない用紙を使い、読みやすく仕上げます。
署名・捺印は必ず手書きで
書類をPCで作成して印刷する場合でも、署名（自筆）と捺印（実印・認印を含む）は必ず手書きで行います。印鑑を押す位置を空けて印刷し、実際に自分の手で署名・押印してください。
提出方法とマナー
- 事前に直属の上司や人事に「パソコンで作成して良いか」を確認します。
- PDFをメールで送る場合は、本文で渡す旨と手書き署名の有無を必ず伝えます。
- 郵送する場合は封筒や宛名の書き方にも配慮し、折り目や汚れがないようにします。
チェックリスト（簡単）
- 規定確認→2. 書式整える→3. PDF化→4. 印刷→5. 自署・押印→6. 提出方法を確認
こうした手順を踏めば、パソコン作成でも丁寧に退職の意思を伝えられます。
退職願・退職届で使うべきボールペンの選び方まとめ
要点
退職願・退職届には黒色で消えないインク、書き心地が良くにじみにくいペンを選びます。外見よりも筆跡の安定性を重視してください。
色とインクの種類
おすすめは黒の油性か黒のゲルインクです。黒色は公式文書で一般的ですし、写真やスキャンでも読みやすく残ります。水性インクはにじみやすいため注意してください。
芯径と書き心地
太すぎず細すぎない0.5〜0.7mmを目安に選びます。0.5mmは文字が整いやすく、0.7mmは書きやすさが出ます。自分の筆圧に合うものを試し書きして確認しましょう。
にじみ・かすれ対策
紙質に合ったインクを選びます。薄い紙ならゲルよりも油性が安心です。インクがかすれないか、インクがにじんで文字が濁らないかを事前に試してください。
消せるインクは避ける理由
消せるペンは書き直しやすい反面、正式文書には不向きです。消せる性質があると内容の改ざん疑いを招く可能性があります。必ず消えないタイプを選んでください。
実際の準備と確認
提出前に必ず同じペンで一度全文を書いてみます。インクの乾き具合やにじみ、書きやすさを確認してから提出しましょう。複数本用意して万が一のインク切れに備えると安心です。
よくある質問と回答
Q：青や赤のボールペンは使えますか？
A：使えません。必ず黒色を使ってください。退職願・退職届は会社の公的な書類として扱われます。黒インクは色あせしにくく、コピーや写真にしたときも読みやすいためです。青や赤は記録性や見やすさの点で不利になることがあります。
Q：フリクションなど消せるボールペンは使えますか？
A：消える可能性があるため、絶対に使用しないでください。摩擦や熱で文字が消える性質があり、後から文字が消えてしまうと書類として成立しないおそれがあります。
Q：書き損じた場合はどうする？
A：新しい用紙・封筒に書き直してください。修正液や修正テープは使わないでください。修正の跡があると内容に疑問が生じたり、印象が悪くなったりします。すぐに出せない場合は一度上司や人事に事情を伝えてから書き直すと安心です。
Q：パソコン作成は認められる？
A：会社によっては認められる場合もあるので、事前に確認が必要です。許可されている場合は黒一色で印刷し、最後に自署で署名（または捺印）を行うと丁寧です。許可がない場合は手書きで作成してください。
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