はじめに
本書の目的
この文書は、在職証明書の雛形(テンプレート)についてわかりやすく解説することを目的としています。在職証明書の基本的な意味、よくある利用場面、雛形の入手方法や記載すべき項目、作成時の注意点、具体的な記載例まで順を追って説明します。
誰のための文書か
転職やローン申請、ビザ手続きなどで在職証明書が必要な方、人事や総務の担当者、雛形を探しているフリーランスの方にも役立つ内容です。専門用語をできるだけ減らし、具体例で補足します。
読み方のポイント
初めて在職証明書を作る場合は、第2章と第4章を中心に読み、雛形をベースに第5章の注意点を確認してください。具体的な記載例は第6章で示します。ページ全体を通して、実際の利用場面を想定しながら読み進めると実務に活かしやすいです。
在職証明書とは何か
定義
在職証明書は、従業員が現在その会社に勤務していることを会社が公式に証明する書類です。就労証明書・勤務証明書・雇用証明書と呼ばれることもあります。役所や金融機関、他社など第三者に対して在籍を示すために使います。
主な利用例
- 転職先への提出
- 住宅ローンや賃貸契約の審査
- 保育園や学校の入園・入学手続き
- ビザや公的手続きの証明
主な記載項目
- 氏名、雇用開始日、所属部署、役職
- 勤務形態(正社員・契約社員など)と雇用期間
- 労働時間や職務内容(必要に応じて)
- 発行日、発行者の氏名・連絡先、会社の押印
発行者と効力
通常は人事部や総務が発行します。公的な「法的効力」があるわけではありませんが、会社名義の正式な書類として広く認められます。金融機関や自治体によっては原本や社印付きの様式を求めることがあるため、提出先の指定を事前に確認してください。
用意するときのポイント
- 提出先が求める項目・形式を確認する
- 署名・押印が必要かを確認する
- 発行に日数がかかることがあるため余裕を持って依頼する
在職証明書の主な利用シーン
転職活動時
転職先が現職の在籍を確認するために求められます。提出先は採用担当や人事で、在職期間・役職・雇用形態が中心です。例:内定後に現職確認のため「在職証明書の提出をお願いします」と言われる場合があります。
住宅ローン・賃貸契約時
金融機関や不動産会社が収入・在籍を確認します。ローン審査では給与額の確認書類も求められますが、在職証明書で勤務先と在籍期間を確認することが多いです。提出は原本を求められることがあるため、事前に確認してください。
保育園・学校入学時
保護者の就労状況の証明が必要な場面があります。勤務時間や雇用形態(正社員・パートなど)を明記すると手続きがスムーズです。例:保育所の申込みで「就労証明書として在職証明を提出してください」と指示されます。
副業開始時
副業先や手続きで本業の在籍証明を求められることがあります。会社の就業規則や兼業許可が必要な場合は、人事に相談して正式な書類を用意しましょう。
外国人労働者のビザ申請・更新時
ビザの申請や更新で、雇用先の在籍を証明するために使います。雇用期間・職務内容・雇用形態の記載が重要です。大使館や入国管理局が指定するフォーマットを確認してください。
注意点として、発行依頼は通常人事・総務へ行い、原本提出や電子発行の可否を事前に確認してください。
在職証明書の雛形・テンプレートについて
入手方法
Word・Excel・PDF・Googleドキュメント形式で、無料かつ登録不要でダウンロードできるサイトが複数あります。就業規則や人事関連サイト、自治体の雛形集などが主な入手先です。検索時は「在職証明書 テンプレート 無料」などの語句を使うと見つかりやすいです。
テンプレートの基本構成と記載項目
- 従業員の基本情報:氏名、住所、生年月日
- 雇用・勤務状況:雇用形態、役職、入社日、勤務期間、勤務時間、勤務日数、給与情報(必要な範囲で)
- 会社情報:会社名、所在地、代表者名、連絡先、会社印
- 書類作成日(発行日)
- その他:提出先指定の有無や用途(例:ローン申請、ビザ申請など)
テンプレート利用時のポイント
- 提出先の要件を必ず確認してください。機関によっては押印や署名、原本提出を求めることがあります。
- 必要項目が不足している場合は追記してください。例えば給与の内訳や在籍期間の明記が必要なケースがあります。
- 電子提出の場合はPDF化し、改ざん防止のために署名・捺印の画像を添付するか、電子署名を利用すると安心です。
- 発行日は最新の日付を記入し、原本は会社で保管してください。
注意点
個人情報の取扱いに注意し、不要な情報は記載しないようにしてください。提出先のフォーマットが指定される場合は、そちらを優先して作成してください。
在職証明書作成時の注意点
社内フォーマットを優先
会社によって様式が異なります。社内規定や過去の発行例がある場合は必ずそれを使います。公的な統一書式はありません。
提出先の確認
提出先で指定される記載内容や期限を事前に確認します。指定があれば漏れなく反映してください。
必須記載項目の確認
氏名・在職期間・職名・雇用形態(正社員・契約社員等)・業務内容の要旨は基本項目です。日付や表記ゆれに注意します。
押印・署名
会社印または代表者印が求められる場合が多いです。電子署名が許容されるかも確認します。
個人情報の取り扱い
目的外利用は避け、必要最小限の情報に留めます。本人確認を必ず行います。
内部手続きと保存
発行履歴や承認者を記録し、所定の期間保存します。複数部発行時の管理に注意してください。
よくあるミスとチェックリスト
日付誤記・職名の誤表記・印鑑の欠如・提出先の要件未反映が多いミスです。発行前にチェックリストで確認します。
具体的な在職証明書雛形(記載例)
以下は実際に使える在職証明書の雛形と記載例です。必要に応じて会社の書式に合わせてください。
雛形(必須項目)
在職証明書
氏名:_________
生年月日:_________
住所:_________
上記の者は、当社に下記の通り在籍していることを証明します。
【雇用形態】_________
【役職】_________
【入社年月日】_________
【勤務期間】_________
【勤務時間/日数】_________
会社名:_________
所在地:_________
代表者名:_________
発行日:_________
会社印/署名:_________
(提出先指定欄が必要な場合は追加してください)
記載例(正社員)
在職証明書
氏名:山田 太郎
生年月日:1985年4月1日
住所:東京都中央区○○1-2-3
上記の者は、当社に下記の通り在籍していることを証明します。
【雇用形態】正社員
【役職】課長
【入社年月日】2010年6月15日
【勤務期間】2010年6月15日〜現在
【勤務時間/日数】9:00〜18:00(休憩1時間)/週5日
会社名:株式会社サンプル
所在地:東京都千代田区△△4-5-6
代表者名:代表取締役 佐藤 花子
発行日:2025年11月7日
会社印/署名:
記載例(アルバイト)
在職証明書
氏名:鈴木 花子
生年月日:1998年2月20日
住所:埼玉県さいたま市○○町
【雇用形態】パート/アルバイト
【役職】(該当なし)
【入社年月日】2023年9月1日
【勤務期間】2023年9月1日〜現在
【勤務時間/日数】17:00〜22:00/週4日
会社名:カフェ・ド・サンプル
所在地:埼玉県さいたま市△△1-2-3
代表者名:店長 田中 一郎
発行日:2025年11月7日
会社印/署名:
記載時のポイント
- 発行日は実際の発行日を記載してください。
- 会社印や代表者の署名があると正式性が増します。
- 給与や雇用契約の詳細を記載する場合は、本人の同意を確認してください。
- 提出先が指定されている場合は「提出先:○○」欄を加えると便利です。
- 勤務期間は開始日〜現職の場合は「〜現在」と明記します。
まとめ
ここまでで在職証明書の要点を分かりやすく整理します。
-
雛形の入手方法:Word、Excel、PDF形式で無料ダウンロードできます。検索キーワードは「在職証明書 雛形 無料」「在職証明書 テンプレート」です。
-
記載すべき基本項目:氏名、在籍期間・雇用形態、役職・職務内容、勤務地、会社名と住所、発行日、発行者の署名または押印。提出先の指定がある場合は必ず合わせてください。
-
作成時の注意点:社内規定や個人情報の取扱いを守って作成し、事実と異なる記載をしないようにします。署名や押印の有無、原本提出かコピーかの指定を確認してください。
-
利用シーンと運用:住宅ローンやビザ申請、入学手続きなど用途に応じて文面を調整し、発行は余裕を持って依頼します。
最後に、テンプレートは便利ですが、そのまま提出せずに社内ルールや提出先の要件を確認してから発行してください。必要なら第6章の雛形をコピーして利用してください。不明点があればお手伝いします。


コメント