はじめに
在職証明書に記載する日付は、さまざまな手続きで審査の可否や効力に直結します。本資料は、実務で混乱しやすい日付の扱い方をわかりやすく整理し、ミスを防ぐための具体的なポイントを示します。
目的
在職証明書の日付に関する基本的なルールと実務上の注意点を丁寧に解説します。提出先ごとの違いや社内での統一方法も扱います。
対象読者
人事・総務担当者、担当者に依頼する社員、各種手続きで在職証明書を求められる方が主な対象です。初めて扱う方でも理解できるよう配慮しています。
本書で扱う内容（章構成の概要）
- 第2章: 在職証明書の基本情報
- 第3章: 在職証明書に記載する日付項目
- 第4章: 在職証明書の発行期間
- 第5章: 在職証明書の依頼方法と日付記載
- 第6章: 在職証明書のフォーマット
読み方のポイント
まずは提出先の指定を確認してください。次に、社内の記載ルールを整え、誤記を防ぐためのチェック項目を設けると実務が楽になります。本書では具体例を交えながら順を追って説明します。
在職証明書の基本情報
在職証明書とは
在職証明書は、従業員が現在その企業に在籍していることを証明する書類です。雇用の事実を第三者に示すために用います。\n\n### 退職証明書との違い
退職証明書は退職後に発行されるもので、在籍しているかどうかの証明とは目的が異なります。法的に発行義務があるのは退職証明書ですが、在職証明書の発行は企業の運用によります。\n\n### 発行主体と窓口
一般に人事部や総務部が発行を担当します。雇用形態にかかわらず、正社員、パート・アルバイト、派遣社員などにも発行できます。\n\n### 利用される場面（例）
– 住宅の賃貸契約やローン申請
– ビザ申請や各種手続き（在職確認）\n\n### 記載項目の概略
会社名・担当部署、氏名、所属、役職、在籍の有無や入社日などが多く記載されます。日付の扱いは第3章で詳しく説明します。\n\n### 注意点
在職証明書は企業の判断で発行可否や書式が変わります。依頼前に発行先に必要な内容や提出先の要求を確認するとスムーズです。
在職証明書に記載する日付項目
必須の日付項目
在職証明書に必ず記載する日付は次の3点です。
1. 発行年月日：証明書を発行した日付。例）2025年5月1日
2. 入社年月日：従業員が入社した日付。例）2018年4月1日
3. 在職期間：在職の開始日と終了日（または「在職中」）を明示。例）2018年4月1日～在職中、あるいは2018年4月1日～2023年3月31日
記載のポイント
- 日付は「年/月/日」の形式で正確に記載します。略式（西暦の下2桁や月のみ）は避けます。
- 退職している場合は終了日を明記し、現職なら「在職中」と記載します。混乱を避けるため「在職期間：2018年4月1日～現在（2025年5月1日）」のように発行日を併記する方法も有効です。
- 他の記載（氏名・生年月日・所属等）と整合性を取ってください。公的書類と異なる表記はトラブルの原因になります。
よくある注意点
- 日付の誤記や未来日付は致命的です。作成前に人事と確認してください。
- 依頼側から特定の期間指定がある場合は、発行前に期間範囲を確認し、必要なら複数の期間を用意します。
記載例（短文）
発行日：2025年5月1日
入社日：2018年4月1日
在職期間：2018年4月1日～在職中（2025年5月1日現在）
在職証明書の発行期間
一般企業の場合
在職証明書は人事部が社員情報を確認して作成します。目安としては、同じ内容の書類を10枚作るのに約1時間かかることが多いです。少人数の会社では即日対応できる場合もあります。
公立学校・教育機関の場合
公立学校などは内部手続きや校務分掌の確認が必要で、7日〜14日程度かかることが一般的です。年度替わりはさらに時間がかかることが多いです。
繁忙期と余裕を持つ理由
3〜4月の年度替わりや賞与・転職シーズンは依頼が集中します。余裕を持って申請すると、提出期限に間に合わせやすくなります。
発行を早めるためのポイント
必要事項を正確に伝える、申請書類を同封する、電話で到着予定を確認するなどで短縮できます。手数料を支払えば即日交付に対応する職場もあります。
注意点
長期休職や退職手続き中は在籍確認に時間がかかる場合があります。発行期間は組織ごとに差があるため、まず担当窓口に確認してください。
在職証明書の依頼方法と日付記載
作成年月日の記載位置
依頼文には作成年月日を右上に明記します。形式は「2024年3月15日」のように和暦・西暦どちらでも良いですが、受け手と揃えると誤解が減ります。
依頼文の構成と書き方
宛名、要件（件名）、前文（挨拶と依頼の趣旨）、主文（具体的な依頼内容）、末文（締めの言葉）、在職証明書への記載事項、依頼者情報（氏名・連絡先）を順に書きます。要件は短く端的にし、主文で記載してほしい日付項目を列挙します。
日付の具体的な指示例
・在職期間：入社日と在籍中なら「在職中」と記載
・証明書発行日：発行日が必要なら「発行日は作成日と同日でお願いします」
・英語表記や西暦指定がある場合は明記
例文：「在職期間は20XX年X月X日から在職中とご記載ください。発行日は作成年月日と同日でお願いします。」
送付方法と注意点
メール提出なら添付形式（PDF）指定、窓口依頼なら身分確認や印鑑の有無を確認します。日付に誤りがあると用途に使えないことがあるため、受け取ったら必ず日付を確認してください。
依頼時のチェックリスト
・作成年月日（右上）記載済み／宛名・要件明記／在職期間・発行日指定／連絡先記載／提出方法の指定
これらを明確にすると発行がスムーズになります。
在職証明書のフォーマット
基本の構成
在職証明書に法的な統一フォーマットはありません。提出先の指定があればそれに従いますが、一般的には次の項目を記載します。
- 氏名、生年月日：本人確認のために明確に記載します。
- 勤務先（会社名、部署）：正式名称で記載します。
- 在職期間：入社日と在籍終了日（現職の場合は「在職中」や発行日を含む）
- 職名・職務内容：役職と主な業務を簡潔に記載します。
- 雇用形態・勤務形態：正社員、契約社員、パートなどとフル／時短などを明記します。
- 発行日、発行者情報：会社名、担当者名、連絡先、署名・押印欄。
記載例（テンプレート）
在職証明書
氏名：○○ ○○（生年月日：YYYY年MM月DD日）
勤務先：株式会社○○○○（部署名）
在職期間：YYYY年MM月DD日〜在職中
職名：主任
職務内容：顧客対応および資料作成
雇用形態：正社員／勤務形態：フルタイム
発行日：YYYY年MM月DD日
発行者：株式会社○○○○ 人事部 担当者名（連絡先）
書き方のポイント
- 日付は西暦か和暦で統一し、年月日まで明記します。
- 終了日が未定なら「在職中」と書き、発行日を添えます。
- 提出先から様式指定がある場合、まずその指示に従ってください。
提出形式と署名・押印
- 電子提出が許容される場合はPDFでの発行が一般的です。
- 紙で提出する際は社印や担当者の署名を付けると信頼性が増します。
- 氏名や社員番号など、提出先が求める追加項目は忘れず記載してください。
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