退職後の翌年に知っておきたい住民税の仕組みとは

目次

はじめに

この章では、本調査の目的と読み方をやさしく説明します。

目的

退職後に翌年支払う住民税について、仕組みや納付方法、納付時期、減免制度、相談先などを分かりやすくまとめました。退職時期の違いで徴収方法が変わる点や、国民年金との関係も扱います。

対象読者

会社を退職する人、退職を控えた人、家族で金銭面の準備をする方が役立つ内容です。税金に不慣れな方でも読めるように具体例を交えて説明します。

読み方のポイント

各章は独立して読めますが、第2章から順に読むと理解が深まります。まずは自分の退職時期や給与の状況を確認してから該当の章をご覧ください。例えば「年の途中で退職した場合の納付方法」については第3章を参照してください。

今後の章で、できるだけ実務で役立つ情報を丁寧にお伝えします。

退職後の住民税の基本的な仕組み

概要

住民税は「前年の1年間の所得」を基に市区町村が決める税金です。退職して所得がなくなっても、前年に得た所得に対する住民税の納付義務は残ります。年をまたいで課税が続く点をまず押さえてください。

住民税の構成

  • 均等割:住民一人につき定額で課される部分です。具体的な金額は自治体で決まります。
  • 所得割:前年の所得に応じて差が出る部分です。給与や副業、退職金の一部がここに影響します。

判定と納付のタイミング

市区町村は前年の所得を基に毎年税額を決定し、通常は6月から翌年5月までの間に分割して納めます。会社員であれば年末調整や給与からの天引き(特別徴収)で納付していましたが、退職後は自分で納めるケースがあります。

具体例

例えば2024年に退職した場合、2023年の所得に対する住民税は2024年度(通常6月から)の税額として課税されます。

注意点

退職の時期や退職金の有無で扱いが変わることがあります。次章で納付方法の違いを詳しく説明します。

退職時期による住民税の納付方法の違い

概要

退職する月によって、その年の住民税の納め方が変わります。ここでは1月〜5月に退職した場合と6月〜12月に退職した場合の違いをわかりやすく説明します。

1月1日〜5月31日に退職した場合

  • 会社は、退職時の給与や退職金から、その年の1月〜5月分の住民税を一括で差し引く処理をすることが多いです。
  • 給与明細や退職時の「最終支払額」を確認すると、住民税がまとめて天引きされているか分かります。
  • 自分で別途納付する必要は原則ありませんが、会社の処理ミスがないか確認してください。

6月1日〜12月31日に退職した場合

  • 退職月の住民税は給与から天引きされますが、翌月以降の住民税は会社の特別徴収(給与からの天引き)から外れます。つまり普通徴収に切り替わり、自分で納めます。
  • 普通徴収になると市区町村から納付書(または口座振替の案内)が届きます。納付書でコンビニや銀行、郵便局で払うか、口座振替やネットバンキングで支払います。

実務上の注意点

  • 最終の給与明細と市区町村からの書類を必ず確認してください。
  • 住所変更や未納が心配なら、退職前に会社または市区町村の税務窓口に相談すると安心です。

住民税の納付方法

普通徴収(自分で納める方法)

自治体から送られる納税通知書に従い、自分で納めます。納付書を使って銀行・コンビニ・窓口・オンラインで支払えますし、口座振替にしておけば自動で引き落とされます。一般に年4回に分けて納める自治体が多いです。ご案内の通り、6月~12月に退職した場合は普通徴収になることが多く、退職後に自治体から納税通知書が届きます。

特別徴収(給与からの天引き)

勤務先が給与から毎月天引きして納めます。転職先が決まっていれば、ほとんどの場合は新しい勤務先で特別徴収を続けてもらえます。転職先に事情を伝え、必要なら自治体からの案内書や前職の手続き書類を提出してください。転職先がなくなると普通徴収に切り替わります。

支払い方法と注意点

納付書を紛失したら自治体に連絡すれば再発行してもらえます。支払方法は窓口・ATM・コンビニ・ネットバンキング・口座振替などがあります。期限を過ぎると延滞金がかかるので、支払期日は確認してください。納付が難しい場合は自治体に相談すると分割や猶予の案内を受けられる場合があります。

具体例

例1:7月に退職した場合→自治体から納税通知書が届き、自分で納める(普通徴収)ことが多いです。
例2:8月に転職して給与が継続される場合→新しい勤務先で特別徴収が続く可能性が高いです。

住民税が減免・免除される場合

概要

住民税は特別な事情があると減免や免除を受けられます。対象は一時的に収入が大きく下がった場合や災害・失業など生活維持が困難なときです。申請制で、自動で適用されることは基本的にありません。

主な対象事由(例)

  • 失業や長期休業で収入が著しく減少した場合
  • 生活保護を受けている場合
  • 災害で家屋や資産に大きな損害を受けた場合
  • 病気やケガで働けない場合

自治体ごとの違いと要件

要件や計算方法は自治体ごとに異なります。判断は所得・資産・世帯状況などを総合して行います。申請書類や提出期限も自治体で違うため、まずは市区町村の窓口に相談してください。

東京都練馬区の具体例(参考)

練馬区でも所得や資産を基に判断します。特に失業や大幅な収入減を理由にした減免申請が多く、収入の減り具合や預貯金の状況で可否を決めます。詳細な基準は区役所の担当課に確認してください。

申請のポイントと注意点

  • 早めに窓口へ相談し、必要書類を揃える
  • 減免が認められても過去分が対象外の場合がある
  • 不明点は担当課に確認して書類不備を防ぐ

納付が難しい場合の相談方法

なぜ早めに相談するか

住民税の納付が困難なときは、早めに自治体の税務担当窓口に相談してください。滞納や延滞金を防げる可能性が高くなります。

相談する窓口

市区町村役場の税務課(または市民税課)に連絡します。電話で相談予約が取れますし、窓口で直接話すと手続きがスムーズです。

持参・用意するもの

・本人確認書類(運転免許証など)
・通帳や給与明細で収入が分かるもの
・退職届や失業給付の受給証明など収入減を示す資料
・印鑑
これらを持って行くと、的確な相談ができます。

利用できる制度(主な例)

・分割納付:数回に分けて払えます。例)年金受給までのつなぎで分割する
・納税猶予:一時的に支払いを待ってもらえる場合があります(災害や長期病気など)
・減免:事情により税額の減額や免除が認められることがあります(要相談)

相談の流れとポイント

  1. まず電話で状況を説明し、必要書類を確認してください。2. 来庁して窓口で詳細を相談し、納付計画を提示します。3. 合意になれば書面で取り決めします。現実的な返済案を示すと承認されやすいです。

その他の方法

郵送や自治体のオンライン窓口で相談・申請できる場合もあります。まずは市区町村の案内を確認してください。

国民年金との関連

概要

退職後にすぐ転職しない場合、多くの人は国民年金の第1号被保険者になります。ご提示のとおり月額の保険料(例:16,980円)を自分で納める必要があります。

第1号被保険者になると

会社員時代の厚生年金とは違い、国民年金は本人が保険料を納めます。納めた期間が将来の老齢基礎年金の計算に反映されます。

免除・納付猶予制度

収入が少ないときは全額・一部の免除や納付猶予を市区町村に申請できます。免除を受けるとその期間は保険料を払わなくて済みますが、将来の年金額は減ります。納付猶予は支払いを先送りする制度で、後で追納できる場合があります。

追納(後払い)について

未納や免除により年金額が減るのが心配なら、後から保険料を追納できます。追納するとその期間が保険料納付済み期間として扱われ、将来の年金額が増えます。追納には期限や利息の扱いがあるため、早めに確認してください。

住民税との関係

実際に保険料を支払った年は、その金額が「社会保険料控除」として所得から差し引かれます。結果として支払った年の所得税・住民税が軽くなります。免除された期間は支払っていないため控除は受けられません。

手続きと相談先

申請は市区町村の年金担当窓口や日本年金機構で行います。申請に必要な書類や追納の手続きは窓口で確認ください。心配な点は早めに相談すると選択肢が分かりやすくなります。

退職所得に対する特別な課税

基本の考え方

退職金(退職手当)は、ほかの給与や事業所得と区別して扱います。受け取った年の所得として別枠で課税され、市民税6%・県民税4%の所得割が適用されます(現年分離課税)。これにより普段の所得税率とは別の計算になります。

課税の仕組み(計算の流れ)

  1. 退職金から「退職所得控除」を差し引きます。控除額は勤続年数などで決まります。控除後が0以下なら課税されません。
  2. 控除後の金額に一定の割合を掛けて「退職所得」として算出します(一般的に半分にする扱いが多いです)。
  3. 算出した退職所得に対して、市民税(6%)と県民税(4%)の所得割をかけて住民税額を出します。

具体例(イメージ)

例:退職金300万円、仮に退職所得控除が150万円だった場合
・控除後=150万円
・退職所得=150万円÷2=75万円
・住民税(合計10%)=7万5千円
この例は説明用の数値です。実際の控除額や計算は個別に異なります。

注意点・手続き

  • 退職金は受取年に別計算されますから、他の年の所得と合算されにくくなります。
  • 事業所が源泉徴収を行う場合がありますが、最終的な住民税額は市区町村が決定します。
  • 誤りや不明点があれば、会社の総務やお住まいの市区町村の税務担当に相談してください。

まとめ

退職後の住民税について、重要な点をわかりやすく整理します。

  • 住民税は「前年の所得」を基に決まり、退職しても納付の義務が残ります。
  • 納付のタイミングと方法は退職月で変わります。1月〜5月の退職では会社が年税額を一括天引きすることが多く、6月〜12月の退職では翌年から普通徴収(自分で納付)になります。
  • 所得が大きく減ったり、失業や災害など特別な事情がある場合には減免・免除が認められることがあります。該当しそうなら市区町村の窓口に相談してください。
  • 納付が難しい場合は自治体で分割納付や納期限延長の相談ができます。早めに連絡すると対応が受けやすいです。
  • 年金や退職金の扱いで税額が変わることもあります。退職前に会社や自治体、場合によっては税理士に相談し、資金計画を立てておくと安心です。

退職は生活の大きな変化です。計画的に準備し、疑問や不安があれば早めに相談して負担を軽くしてください。

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