はじめに
本章の目的
本記事は、退職後に「離職票」が届く前に再就職が決まった場合の手続きや給付に関する疑問を分かりやすく整理したものです。離職票の発行スケジュール、失業給付の仮手続き、再就職手当の受給条件・申請方法、離職票が届かない場合の対応、再就職時の注意点を網羅します。
なぜ重要か
例えば、退職後すぐに次の職場が決まった場合、離職票が手元にないときでもできる手続きや、給付の受け取りに影響する点がいくつかあります。本調査はそうした手順を具体例で示し、迷うことを減らすことを目的としています。
対象読者
対象は離職後に転職や再就職を考えている方、手続きに不安がある方です。各章で必要な書類、申請の流れ、窓口での相談のポイントを丁寧に解説します。どうぞ順にお読みください。
離職票が届く前に再就職しても問題ない
離職票は再就職の必須書類ではない
離職票は雇用保険の手続きで重要な書類ですが、新しい職場に採用されるための必須条件ではありません。企業は入社時に雇用契約や身分証明、給与振込口座などを求めますが、離職票を見せる必要は基本的にありません。
再就職を選ぶときのポイント
- タイミング:内定をもらったら、入社日を優先して決めて構いません。離職票の到着を待たなくても就業できます。
- 予定の伝え方:もし離職票が遅れていることを理由に説明が必要なら、率直に「手続き中で届き次第提出します」と伝えると理解されやすいです。
注意点(給付や手続き)
再就職すると失業給付の受給条件に影響します。失業保険や再就職手当の対象になるかは状況で変わるため、管轄のハローワークに相談してください。入社前に給付の受給手続きを進めたい場合は、早めに相談すると安心です。
この期間の有効活用
転職先の情報収集、引継ぎ準備、履歴書や職務経歴書の整理などに時間を使えます。離職票の到着を待つ間も、前向きに次の仕事へ進めるよう準備を整えましょう。
離職票の発行スケジュール
概要
退職後の離職票は、会社が「退職日から10日以内」に労働基準監督署やハローワークへ申請することが定められています。本人に届くまでの目安は申請から郵送まで含め約10日前後です。実際は手続きや郵送の都合で前後します。
手続きの流れ(簡単に)
- 会社が必要書類を作成・提出(退職後10日以内が目安)
- ハローワークで内容を確認・離職票を発行
- 離職票を郵送し、本人が受け取る
よくある遅延原因
- 会社側の手続きが遅れる(人事担当の繁忙や書類不備)
- ハローワークでの確認に時間がかかる
- 郵送事故や住所不備
届くまでの間にできること
- まずは会社の人事・総務に申請状況を確認してください。申請済みか、いつ発送するかを聞きましょう。
- 申請済みの証明や控えをもらえるか確認すると安心です。
- 急ぐ場合は最寄りのハローワークに相談し、状況を確認してもらうこともできます。本人確認書類が必要になることが多いです。
上記を参考に、余裕をもって動くと安心です。
離職票が届く前にできること
仮手続き(失業保険の早期開始)
退職後12日経つと、ハローワークで失業保険の仮手続きができます。離職票が未着でも求職の申し込みをして「待機期間」を開始できるため、給付開始日を早められる可能性があります。例:4月1日退職なら4月13日以降に仮手続きが可能です。
求職活動の準備
・求人検索:ハローワークの窓口や求人サイトで条件を絞って探します。
・企業研究:業界や業務内容、給与・働き方を比較して志望先を絞ります。
・書類作成:履歴書・職務経歴書を整え、写真や職歴の記載を最新にします。
・面接準備:想定質問や自己PRをまとめ、模擬面接で練習します。
ハローワークでの手続きと必要書類
離職票がなくても求職登録は可能です。持参するのは本人確認書類(運転免許証等)、雇用保険被保険者証、印鑑など。窓口で手続き方法を確認してください。
そのほか並行して進めること
・国民健康保険・国民年金の切り替え:市区町村役場で手続きします。
・転職エージェント登録:非公開求人や面接調整の支援を受けられます。
注意点:離職票の到着時期や手続きの詳細は自治体やハローワークで異なります。早めに行動して、受給期間や就職機会を有効に活用してください。
再就職手当の受給条件と申請方法
概要
離職票が届く前に再就職が決まっても、一定の条件を満たせば再就職手当を受け取れます。本章では受給条件と申請の流れをわかりやすく説明します。
受給条件(主なポイント)
- 失業給付の「残日数」が3分の1以上残っていること(例:残日数が90日の場合、30日以上残す必要があります)。
- 再就職先で原則として1年以上継続して働くことが見込まれること(正社員や契約期間が長い有期契約など)。
- 給付制限がある場合は、その期間を踏まえた上で申請すること。
具体例を交えると、離職後すぐに就職が決まり、上記を満たしていれば支給対象になります。
必要書類と準備
- 採用証明書(新しい勤務先に記入してもらいます)
- 雇用契約書や就業条件が分かる書類
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 離職票が手元にあれば持参しますが、届いていなくても手続きできます。
申請手続きの流れ
- 新しい勤務先から採用証明書を受け取る。2. ハローワークで再就職手当の申請書類を受け取る。3. 採用証明書や雇用契約書を記入・添付して提出する。4. ハローワークの審査を経て、支給が決まれば指定口座に振り込まれます。
期限と支給時期
- 申請期限:就職日の翌日から1ヶ月以内に申請してください。期限を過ぎると受給できないことがあります。
- 支給時期:申請後、おおむね1ヶ月程度で支給されることが多いです(個別の審査状況で前後します)。
注意点
- 再就職手当は非課税です。条件を満たすなら必ず申請を検討してください。
- 就職後に短期間で退職すると、手当の返還が必要になる場合がありますので、継続就労の見込みは慎重に確認してください。
- 手続きはハローワークの窓口で不明点を相談しながら進めると安心です。
離職票が届かない場合の対応
概要
会社が離職票を発行しない、または連絡が取れない場合は、管轄のハローワークに相談して再発行手続きを行います。まずは早めに行動しましょう。
相談先と申請書
「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」はハローワーク窓口やハローワークのホームページで入手できます。最寄りのハローワークに事情を伝え、案内に従ってください。
必要書類(主な例)
- 雇用保険被保険者証
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 印鑑
- 可能なら雇用契約書や給与明細などの証拠資料
手続き方法
- 窓口提出:書き方の相談ができ、対応も早めです。窓口で申請書を記入して提出します。
- 郵送提出:申請書と必要書類のコピー、返送用封筒(切手貼付)を同封します。郵送先はハローワークの案内に従ってください。
進行中の注意点
会社と連絡を試みた記録(メールや履歴)を残しておきます。証拠があると手続きがスムーズです。会社の対応が著しく悪い場合は、ハローワークで相談のうえ、労働相談窓口に案内を受けてください。
離職票が届く前に再就職した場合の注意点
給付制限があるときの基本
自己都合退職や懲戒解雇などで給付制限がある場合は注意が必要です。ハローワークの紹介で再就職する際、まず待機期間(通常7日)が終わっていることが条件です。加えて、紹介による就職であることが確認されると、待機期間満了後に一定期間(例:1か月)就労していなければならない規定が課されることがあります。必ずハローワークで自分のケースを確認してください。
手続きの進め方(離職票が未着の場合)
離職票が届いていなくても、ハローワークでの相談や求人紹介は仮で進められます。雇用保険の正式な申請や給付を受けるには離職票が原則必要です。雇用主に離職票の発行を早めてもらうか、発行できない事情がある場合は雇用主の証明書や給与明細で一時対応することになります。
実務上の注意点と具体例
再就職手当を受けたい場合は、ハローワーク紹介であることや、待機期間後に所定の就労要件を満たしていることが必要です。例えば、給付制限のある退職後にハローワークの紹介で働き始めた場合、紹介証明や雇用契約書、勤務状況の記録を保存してください。離職票が届いたら速やかに提出し、差し替えや確認があればハローワークと連絡を取りましょう。
企業とのやり取りと自分の準備
離職票の発行遅れは企業側の手続きで起きることが多いです。雇用主に発行時期を確認し、メールや書面でやり取りの記録を残してください。急ぎであればハローワークに事情を説明し、どの書類で仮手続きが可能か相談してください。


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