就業規則でわかる結婚休暇の制度と取得方法完全ガイド

目次

はじめに

目的

本書は、企業が就業規則に「結婚休暇」を導入・設計する際の指針を分かりやすく示すことを目的としています。結婚休暇の意味や相場、規定の書き方、取得条件、有給・無給の扱い、慶弔休暇との関係、導入手順までを網羅します。実務担当者が自社の事情に合わせて制度を作れるよう、具体例を交えて解説します。

想定読者

人事・総務担当者、経営者、就業規則を見直したい管理職の方を想定しています。労働法の専門家でなくても理解できる表現で、現場ですぐに使える内容を提供します。

本書の構成と読み方

全8章で構成します。まず基本的な考え方を示し、続けて具体的な規程例や運用のポイントを紹介します。各章は独立して読めますが、制度設計を一からする場合は章順に読むと理解が深まります。

注意事項

本書は一般的な指針です。法的に必須の事項は別途確認してください。具体的な運用は、自社の就業規則や労働条件に合わせて調整してください。

結婚休暇とは何か

定義

結婚休暇とは、従業員本人やその子が結婚する際に取得できる特別休暇です。式や手続き、準備・片付けに充てるための休暇を想定しています。会社ごとに呼び方や条件が異なります。

対象者と場面例

一般的には本人の結婚が主な対象ですが、子の結婚や直近の親族を対象にする場合もあります。たとえば「本人の結婚で3日」「子の結婚で1日」といった運用がよく見られます。

目的

結婚に伴う公的手続きや式の準備、家族対応など、短期間で特別な配慮が必要な場面をカバーします。急な対応や移動、役所の手続きにも使えます。

法的な位置づけ

結婚休暇は労働基準法で定められた法定休暇ではありません。そのため、企業が日数や有給・無給の扱いを自由に決められます。ただし、労働基準法第89条により就業規則に規定することが義務付けられている点に注意が必要です。

運用の工夫例

・取得日数:1日〜5日を設定する例が多い
・有給か無給か:有給とする会社が多いが、無給や半日単位の運用も可能
・申請方法:事前申請と結婚を証明する書類の提出を求める場合がある

各社で運用が異なるため、就業規則に明確に記載し、従業員に分かりやすく周知することが重要です。

結婚休暇の取得日数

概要

本人の結婚では一般的に5日、長めに設ける企業では7日程度が相場です。子の結婚では2〜3日が多く見られます。

本人の結婚

基本は5日が目安です。例えば入社規模の中堅企業Aでは結婚当日を含めて5日、福利厚生の手厚い企業Bでは7日を付与する例があります。

子の結婚

親が対象の休暇は短めで、2日または3日が一般的です。身内の準備や出席に必要な日数を想定しています。

公務員の場合

国家公務員は法定休暇として5日、地方公務員は条例や規則により5〜7日と差があります。

取得のルール

原則として連続取得が定められることが多いです。分割取得を認めない規定が一般的ですが、会社の判断で例外を設けることもあります。

具体例と注意点

結婚式の日を起点に連続した日数を付与する企業が多いです。週末や祝日をどう扱うかは就業規則で明確にしてください。

就業規則への記載方法

はじめに

結婚休暇を導入する際は、就業規則へ明確に記載します。対象、日数、申請手続きなどを具体的に示すことで、社員に分かりやすくなります。

記載すべき主な項目

  • 対象者の範囲:正社員・契約社員・パートなど誰が対象か。
  • 取得日数:例)結婚の際に3日を付与する。
  • 取得期限:例)結婚日から前後30日以内に取得可。
  • 分割取得の可否:例)分割不可、または1日ずつ可。
  • 申請手続き:申請期限(何日前まで)、申請書式(紙・電子)、承認者(上長や人事)を明記。
  • 備考:有給扱いか無給か、証明書の提出要否、引継ぎのルール。

文例(参考)

「結婚休暇は、当社に在籍する正社員および契約社員を対象に、結婚の際に3日間を付与する。取得は結婚日を基準に前後30日以内とし、分割取得は不可とする。取得希望者は休暇開始の3日前までに所定の申請書を提出し、上長の承認を受けること。休暇は有給とする。」

運用上の注意

申請フローや証明書の扱いを具体的に決め、周知・保存方法を整備してください。入力例や書式を就業規則の別添にしておくと現場で使いやすくなります。

取得条件の設定

取得時期と起算点

多くの企業は入社6か月経過後を取得開始とします。起算点は入籍日や挙式日、あるいは会社が定める日でも構いません。例:入籍日を起算日とし、入社6か月経過後に申請可。

取得期限と分割の可否

取得期限を明確に定めます(例:起算日から1年以内)。一度に連続で取得するか、分割して取得するかは会社が決められます。例:連続5日間、または最大3回に分割して合計5日まで。

証明書類と申請手続き

婚姻届の写しや式場の案内状などを提出させる運用が一般的です。申請は事前に期日を定め、上長の確認を必須にします。

繁忙期の制限と配慮

繁忙期は取得制限を設けられますが、業務調整や代替要員の確保といった配慮も記載してください。公平性を保つために基準を明文化するとよいです。

有給・無給の取り扱い

概要

結婚休暇を有給にするか無給にするかは、企業が自由に決められます。慣例として有給にする会社が多いですが、就業規則で無給と定めることも可能です。

法的な位置づけ

日本の労働法上、結婚休暇を有給とする義務はありません。したがって、会社は規程で支給の有無や日数を定めます。

運用の具体例

  • 有給扱い:特別休暇として給与を支払う(例:結婚休暇3日を有給)。
  • 無給扱い:給与を支払わないが、出勤扱いの調整や代替休暇を認める場合があります。

就業規則への記載例

「結婚に際して○日間の結婚休暇を付与する。給与の扱いは有給(または無給)とする。」と明確に記載します。

運用時の注意点

  • 給与計算ルールを明確にする。例えば税・社会保険の扱いを人事・経理で共有します。
  • 運用に一貫性を持たせる。例外を設ける場合は基準を示します。
  • 事前申請や証明書類の要否を定めると混乱を防げます。

以上を踏まえ、企業方針に合わせて社内ルールを明確に定めることをおすすめします。

慶弔休暇との関係

概要

結婚休暇は慶弔休暇の一部に位置づけられる場合と、単独の特別休暇として規定する場合があります。どちらの扱いでも問題はありませんが、運用の明確化が重要です。

一括化の利点と注意点

  • 利点:就業規則や勤怠管理を簡素化できます。例えば「慶弔休暇:結婚・出産・弔事を含め合計○日」と定めれば管理が楽になります。
  • 注意点:出来事の性質が異なるため、必要日数や有給扱いが異なると従業員に不公平感が生じます。具体的な基準を示す必要があります。

実務例

  • 別々に規定する場合:結婚休暇3日(有給)と明示。手続きと日数が分かりやすくなります。
  • 一括で規定する場合:慶弔休暇として分類し、対象と日数を表で示す(結婚:3日、有給/弔事:5日など)。

運用のポイント

  1. 取得対象と日数、有給/無給の扱いを明確に書く。2. 申請方法や必要書類(婚姻届の写し等)を定める。3. 勤怠システムで区分を分け、柔軟な相談窓口を設けると運用がスムーズです。

導入のステップ

ステップ1:取得日数を決める

社内で付与する日数を決めます。例:3日、5日、7日など。短すぎると利用しにくく、長すぎると運用が負担になります。実例として「結婚式や手続きに合わせて3日付与」が多く使われます。

ステップ2:取得期限を設定する

いつまでに使えるかを明確にします。例:婚姻日から6か月以内、結婚前後3か月以内など。期限を定めると運用が簡単になります。

ステップ3:連続取得か分割取得か決める

連続取得のみ、または分割も可にするかを選びます。例えば「最大5日まで、うち連続は3日まで」といった柔軟な設定も可能です。

ステップ4:繁忙期の制限を検討する

繁忙期に制限を設けるか検討します。例:繁忙期(決算月や繁忙シーズン)には運用上の調整を求める旨を定め、申請は早めに提出してもらう運用にします。

ステップ5:就業規則へ記載する

決めたルールを就業規則や規程に明記します。必要事項は目的、対象者、日数、取得期限、申請方法、賃金扱い(有給か無給か)です。

ステップ6:勤怠管理システムの整備

勤怠システムに休暇区分を追加し、申請フローと承認者を設定します。具体例:コード「結婚休暇」を作り、申請時に必要書類を添付できるようにします。

周知と運用チェック

導入後は社内説明会やQ&Aを行い、試行運用で問題点を洗い出します。実際の運用で申請状況や繁忙期の影響を確認し、必要があればルールを見直します。

退職の悩み、Yameriiにお任せください

もう無理しなくて大丈夫。
Yameriiがあなたの退職を全力サポート!


✅ 最短即日退職
✅ 会社とのやり取りゼロ
✅ 追加料金なしの明朗会計

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次