はじめに
この記事の目的
アルバイトを辞めるとき、「源泉徴収票はどうなるのだろう」「いつもらえるのか」「もらえなかったらどうすればいいのか」と不安になる方は多いです。本記事では、その疑問に分かりやすく答えます。専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明します。
誰に向けた記事か
アルバイトをしている学生やフリーター、初めて退職を経験する方を主な対象としています。雇用形態が変わった人や複数の職場がある人にも役立ちます。
読んで得られること
- 源泉徴収票が誰に、いつ発行されるか
- 受け取り方法と発行義務の基本
- 届かない・紛失した場合の対処法
- 確定申告や転職でなぜ必要かの具体例
本書の構成
第2章以降で発行タイミング、受け取り方法、紛失時の対応、必要となる場面、記載内容の確認ポイントを順に解説します。読み終えると、退職時の手続きで慌てずに対応できるようになるはずです。
アルバイト退職時、源泉徴収票は必ずもらえる?
退職したアルバイトでも発行義務があります
会社(バイト先)は、退職した従業員に対して退職日までの給与・賞与・源泉徴収税額を記載した源泉徴収票を発行する義務があります。正社員だけでなくアルバイトやパートでも同じ扱いです。書面での交付が原則なので、受け取る権利があります。
いつ・なぜ必要か
源泉徴収票は年間の所得証明になります。確定申告や転職先への提出、年末調整の確認などで必要です。たとえば、年の途中で退職して別の職場に再就職する場合や、アルバイトで副収入があり税金の調整が必要なときに使います。
もしもらえないときの基本対応
まずは勤務先に発行を依頼してください。退職時に手渡しがなければ郵送を頼めます。対応がない場合は最寄りの税務署に相談すると、発行を促す方法や手続きの案内を受けられます。
大切な書類なので、受け取り後は紛失しないよう保管してください。
源泉徴収票の発行タイミングと受け取り方法
概要
退職した場合、勤務先は原則として「退職後1か月以内」に源泉徴収票を発行・交付する義務があります。年末調整後にまとめて12月に発行されることもありますが、年の途中で退職したときは1か月以内が目安です。
主な受け取り方法
- 郵送:一般的です。自宅に届くため住所変更があるときは事前に会社へ伝えてください。
- 会社で直接受け取り:総務や人事に取りに行くことができます。会社側の取り扱いに従ってください。
- データ受領(電子):従業員の同意があればPDFなどで受け取れます。電子で受け取る場合は保存方法や個人情報の取り扱いに注意してください。
受け取りまでの簡単な手順
- 退職時に担当者へ発行時期と受け取り方法を確認する。
- 住所変更があれば早めに連絡する。
- 電子で受け取りたい場合は同意や手続き方法を確認しておく。
- 受け取ったら支払金額・源泉徴収税額・勤務先名などを確認する。
補足
年の途中で複数の勤務先がある場合、それぞれの勤務先から源泉徴収票を受け取ります。未着や紛失時の対応は第4章で解説します。
源泉徴収票が届かない・紛失した場合の対処法
届かないと感じたらまず連絡
退職から1か月以上たっても源泉徴収票が届かない場合は、まずバイト先に連絡しましょう。電話やメールで直接依頼するのが手早いです。連絡がつきにくいときは文書で請求します。
再発行の依頼方法
電話・メールで依頼する際は、氏名・在籍期間・発行を求める年を伝えます。文書で請求する場合は、下記の事項を明記し、返信用封筒と切手を同封します。
- 氏名(旧姓がある場合は併記)
- 現住所(退職時の住所が異なる場合は両方)
- 生年月日
- 在籍期間(入社・退職日)
- 何年分の源泉徴収票が必要か
- 連絡先(電話番号、メール)
簡単な文例:
「源泉徴収票の再発行をお願いいたします。上記の通り在籍しておりました。返信用封筒を同封しますので、よろしくお願いいたします。」
雇用主が交付に応じない場合
正当な理由なく交付しない場合、雇用主は所得税法に違反する可能性があります。まずは担当者や総務に再度申し入れ、それでも対応がないときは最寄りの税務署に相談してください。税務署は交付を促す助言や相談に応じます。
紛失した場合
紛失しても再発行は可能です。遠慮せず勤務先に依頼してください。再発行まで時間がかかることがあるため、余裕をもって早めに手続きすると安心です。
源泉徴収票が必要となる具体的なケース
1. 確定申告をする場合
年の途中で退職して他の会社で働いたときや、副業で年間の収入があるときは確定申告が必要です。例:アルバイトを途中で辞めて別の職場で働いた場合、前職の源泉徴収票を確定申告で使います。
2. 転職先で年末調整を受けるとき
転職して新しい勤務先で年末調整を受ける際、前職の源泉徴収票を提出します。そうすることで、年収の合算や税額の過不足を正確に計算できます。
3. アルバイトの掛け持ち・副業があるとき
主たる勤務先以外での所得が年間20万円を超える場合は、自分で確定申告します。掛け持ちのアルバイトはそれぞれの源泉徴収票を集め、合算して確認してください。
4. その他の場面
融資や各種手続きで所得証明が求められるときにも使われます。受け取ったら、支払金額や氏名などに間違いがないか必ず確認してください。
源泉徴収票の記載内容と注意点
概要
源泉徴収票には、その年の1月1日から退職日までに支払われた給与・賞与の合計や、源泉所得税、社会保険料などが記載されます。退職日も明記されるため、転職先や税務署での手続きに使える証明書になります。
記載される主な項目と意味
- 氏名・住所・雇用主名:誰のものかを特定するための基本情報です。\
- 退職日:退職手続きや年末調整の期間を確認できます。\
- 支払金額(1月1日〜退職日):その年に受け取った給与や賞与の合計です。確定申告や年末調整に使います。\
- 源泉徴収税額:給与から差し引かれた所得税の合計。税金が正しく差し引かれているかを確認します。\
- 社会保険料等の控除額:健康保険や厚生年金などの負担分が記載されます。\
- 控除対象:扶養控除など、年末調整で反映される控除の情報が入ることがあります。
簡単な記載例(イメージ)
- 支払金額:¥2,400,000\
- 源泉徴収税額:¥120,000\
- 社会保険料等:¥240,000\
- 退職日:2025/03/31
注意点(受け取ったら必ず確認)
- 氏名・住所・退職日が正しいかを確認してください。転職先提出や税務手続きで必要です。\
- 支払金額や源泉税額に誤りがないか照合してください。給与明細と比べると見つけやすいです。\
- 年内に複数の勤務先がある場合は、それぞれの源泉徴収票を用意し合算して扱います。\
- 訂正が必要なときは、発行元の会社に連絡して再発行や修正を依頼してください。\
- 紛失した場合でも再発行を頼めば対応してくれます。発行元が不明なときは最寄りの税務署に相談しましょう。
転職先や税務署への提出時のポイント
- 転職先へ提出する場合は退職日と支払金額が重要です。入社後の年末調整で前職分を反映するために求められることが多いです。\
- 確定申告を行う際は、源泉徴収票の金額を正確に申告してください。不明点があるときは早めに発行元へ確認しましょう。
まとめとよくある疑問
まとめ
アルバイトを辞めるときも、源泉徴収票は必ず受け取れます。法令では退職後1か月以内の発行が原則で、給与額や日数に関係なく交付が必要です。届かないときはまず会社に依頼し、それでも応じない場合は税務署へ相談できます。転職や確定申告、各種手続きで必要になるため、大切に保管してください。
よくある疑問(Q&A)
Q1: アルバイト先が小さくてももらえますか?
A1: はい。会社の規模に関係なく交付義務があります。
Q2: 退職後どれくらいで届きますか?
A2: 原則1か月以内に発行されます。遅れる場合はまず確認を。
Q3: 紛失したらどうすればいいですか?
A3: すぐに前の勤務先に再発行を依頼してください。対応がない場合は税務署へ相談できます。
Q4: どういう場面で必要ですか?
A4: 確定申告、転職手続き、扶養の手続き、住宅ローンの申し込みなどで使います。
分からない点は、退職前に会社に問い合わせると安心です。法律で守られた権利なので、遠慮せず請求してください。
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