源泉徴収票の見方と所得額のポイントを詳しく解説

目次

はじめに

「源泉徴収票を見ても、どの数字が年収で、どの数字が課税対象なのかわかりにくい」と感じていませんか?この文書は、源泉徴収票に記載された「所得額」の見方と意味をやさしく解説します。

目的

源泉徴収票の「支払金額(年収)」と「給与所得控除後の金額(課税対象)」の違いを理解し、普段の家計管理や確定申告、各種手続きで正しく数字を確認できるようになることを目指します。

誰に向けているか

  • 初めて源泉徴収票を見る方
  • 年収と課税所得の違いを知りたい方
  • 確定申告や住宅ローン審査で書類を使う予定の方

本書の読み方

第2章以降で各項目を順に説明します。まずは全体像を把握し、気になる箇所があれば該当章だけ読んでも理解できるように構成しています。実例を交えて丁寧に説明しますので、安心して読み進めてください。

さっそく第2章で、源泉徴収票とは何かを見ていきましょう。

源泉徴収票とは?

源泉徴収票は、会社などが従業員に発行する“1年間の給与に関する証明書”です。具体的には、給与や賞与の合計(支払金額)と、そこから差し引かれた所得税(源泉徴収税額)、社会保険料などが記載されます。年末調整が終わったあと、翌年1月末までに発行されるのが一般的です。

用途の例
– 転職時:新しい勤務先に前年の所得を示す書類として提出します。
– 確定申告:医療費控除などで申告するときに添付や参照します。
– ローン・各種手続き:収入証明として使われます。

見方のポイント
– 発行者(会社名)と受給者(あなた)の氏名をまず確認してください。
– 金額は欄ごとに意味が異なります。次章以降で主要な項目を丁寧に解説します。

注意点
– 紛失した場合は勤務先に再発行を依頼してください。
– 電子発行される場合もあり、その場合は保存方法に注意してください。

源泉徴収票で確認できる4つの主要項目

源泉徴収票には特に確認しておきたい4つの金額欄があります。それぞれの意味と、どこを見ればよいかを分かりやすく説明します。

1. 支払金額

給与や賞与など、1年間に会社から支払われた総額です。いわゆる「年収」に近い数字です。例:支払金額が500万円なら、その年に会社から受け取った合計が500万円ということです。給与明細の合計と一致するかをまず確認してください。

2. 給与所得控除後の金額

給与収入から給与所得控除を差し引いた金額で、課税対象となる大枠の金額です。簡単な例:支払金額500万円-給与所得控除150万円=350万円がここに表示されます。税金計算の出発点になるため、ここが正しいか重要です。

3. 所得控除の額の合計額

社会保険料控除や基礎控除、配偶者控除などを合計した金額です。例えば、社会保険80万円+基礎控除38万円=118万円のように表示されます。これが大きいほど課税所得が下がります。支払い控除の額が実際の控除と合っているかを確認してください。

4. 源泉徴収税額

会社が給与から差し引いて税務署に納めた所得税の合計額です。年末調整で調整済みの金額がここに示されます。例:源泉徴収税額が30万円なら、それだけ税金として先に納められています。金額が想定と違うときは、年末調整の明細や会社の総務に確認しましょう。

支払金額とは?―年収の見方

支払金額は、1年間に会社から支払われた給与・賞与・手当などの総支給額です。いわゆる「年収」にあたり、源泉徴収票ではまずこの欄を見れば年間の受け取り総額がわかります。

主に含まれるもの

  • 基本給、残業代、役職手当など課税対象の手当
  • 賞与(ボーナス)

含まれない代表例

  • 非課税の通勤手当(定期代の支給分)や出張旅費
  • 会社の福利厚生で実費精算された費用

具体例

  • 月給30万円、賞与50万円の場合:30万円×12+50万円=410万円。これが支払金額(年収)です。

ポイント

  • 副業がなければ、支払金額がその年の年収とほぼ一致します。ローン申請や年収の確認ではまずこの欄を使うことが多いです。次章で、ここからどのように課税対象の金額が算出されるか(給与所得控除後の金額)を説明します。

給与所得控除後の金額とは?―課税所得の見方

意味

給与所得控除後の金額は、源泉徴収票の「支払金額」から「給与所得控除」を差し引いた金額です。この金額を基にして所得税の計算が進みます。源泉徴収票では「給与所得控除後の金額」の欄に記載されています。

計算の流れ(かんたん)

  1. 源泉徴収票の「支払金額」を確認します(=年収に近い金額)。
  2. 収入に応じた給与所得控除額を確認します。控除額は収入に応じて段階的に定められています。
  3. 支払金額 − 給与所得控除 = 給与所得控除後の金額

具体例

年収900万円の場合:支払金額900万円 − 給与所得控除195万円(※850万円超は一律195万円)= 705万円。これが給与所得控除後の金額です。

見るときのポイント

  • この金額は「課税対象のもと」になる金額です。基礎控除や扶養控除などをここから差し引いて最終的な課税所得を出します。
  • 手取り額(実際の給料)とは異なります。社会保険料や雇用保険、住民税の計算と混同しないように注意してください。
  • 控除額は年収ごとに変わるため、該当する控除表で確認すると確実です。

その他の項目

ここでは源泉徴収票に記載される「その他の項目」について、特に「所得控除の額の合計額」と「源泉徴収税額」を中心に、わかりやすく説明します。

所得控除の額の合計額

「所得控除の額の合計額」は、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除など、本人に適用される各種の控除を合算した金額です。控除が大きいほど課税対象となる所得が少なくなり、結果として税負担が軽くなります。

例:支払金額が500万円、給与所得控除後の金額が300万円で、所得控除の合計が100万円なら、課税対象となる所得は200万円になります。数字で確認するとイメージしやすいです。

源泉徴収税額

「源泉徴収税額」は、その年に給与から差し引かれた所得税の合計額です。年末調整や確定申告で最終的な税額と比較し、差額があれば追加で納めるか還付を受けます。

例:年間で源泉徴収された税額が10万円でも、最終的な税額が15万円なら5万円を追加で納めます。逆に差額がマイナスなら還付となります。

控除内訳の見方と確認ポイント

  • 各控除の内訳欄を確認し、社会保険料や扶養親族の情報に誤りがないか確かめてください。
  • 配偶者控除や扶養控除は対象となる配偶者・扶養親族の年収や続柄で金額が変わります。該当性を確認しましょう。
  • 源泉徴収税額が年末調整後の金額と合っているか、明細や人事部に問い合わせて確認してください。

必要があれば、源泉徴収票と給与明細を並べて数字を照合すると安心です。

源泉徴収票の「所得額」を見るときのポイント

はじめに:「所得額」という言葉は文脈で指す内容が変わります。年収を知りたいのか、税金の計算のもとになる金額を知りたいのかをまず明確にしましょう。

  • 支払金額(年収)を確認する
    支払金額は1年間に会社が支払った総額です。給与や賞与が含まれます。転職時の年収確認やローンの申請で用いるのはこの欄です。

  • 給与所得控除後の金額(課税のもと)を確認する
    税金や住民税の計算の基準になるのは、給与所得控除などを差し引いた後の金額です。源泉徴収票にはすでに計算された金額が記載されているので、税負担を知りたいときはこちらを見ます。

  • 確認するときのチェックポイント
    1) 「年収=手取り」ではありません。手取りは社会保険料や税金を差し引いた後の金額です。
    2) 賞与や一時的な手当がある場合、支払金額に含まれるか確認してください。
    3) 「所得額」と言われたときは、具体的にどの欄(支払金額/給与所得控除後の金額)を指すか確認しましょう。

  • 迷ったら
    税金や公的手続きで必要なら、源泉徴収票を示して「年収(支払金額)を確認したい」か「課税対象となる所得(給与所得控除後の金額)を確認したい」かを伝えると、相手も正しく扱いやすくなります。

注意点・よくある質問

非課税手当は支払金額に含まれない

源泉徴収票の「支払金額」には、通勤手当や出張旅費などの非課税手当は含まれません。たとえば通勤定期代は非課税扱いで、支払金額に入らないため年収と源泉徴収票の金額が違うことがよくあります。

転職した場合の合算

年の途中で転職したら、前職と現職の源泉徴収票を合算して申告します。会社ごとに発行されるため、前の会社から必ず受け取り、合算して年間の所得を確認してください。

紛失したときの対応

紛失した場合は勤務先に再発行を依頼できます。退職後に連絡が取りにくいときは、ハローワークや税務署ではなく、まず前の会社の人事・総務に問い合わせましょう。

よくある質問(Q&A)

  • Q: 支払金額と手取りが違う理由は?
    A: 社会保険料や税金、非課税手当の扱いで差が出ます。
  • Q: 源泉徴収票に誤りがあったら?
    A: 早めに会社に訂正を依頼し、訂正後のものを受け取ってください。
  • Q: 確定申告が必要か分からないときは?
    A: 年間の所得や控除の状況で判断します。分からなければ税務署に相談すると安心です。

まとめ:源泉徴収票で見るべき「所得額」

この記事の締めくくりとして、源泉徴収票で「どの金額を見ればよいか」を分かりやすく整理します。

結論

  • 年収を知りたいときは「支払金額」欄を見ます。会社がその年に支払った総額です。給与や手当が含まれます。
  • 税金の対象となる所得(課税所得)を知りたいときは「給与所得控除後の金額」欄を見ます。ここからさらに各種控除が引かれて税額が決まります。

具体例

例:支払金額が5,000,000円の場合、給与所得控除後の金額は概ね3,800,000円程度になることが多いです(控除額は金額により変わります)。

確認のポイント

  • 複数の勤務先がある場合は各源泉徴収票を合算します。
  • 年の途中で退職・入社した場合、その年の実際の支払額が反映されます。
  • 表示に不明点があれば人事や経理に確認してください。

源泉徴収票の各欄を用途に合わせて確認すれば、自分の年収や税の仕組みがより分かりやすくなります。必要に応じて、税理士や窓口に相談するのも有効です。

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