はじめに
源泉徴収票は、1年間に受け取った給与や税金の額を証明する大切な書類です。確定申告や住宅ローンの申し込み、年末調整での確認などで求められる場面が多く、紛失したり発行元が変わったりすると再発行が必要になります。
本記事は、源泉徴収票の再発行に関する手続きと注意点をわかりやすくまとめています。まず第2章で再発行を依頼できる場所を説明し、第3章で具体的な依頼方法を紹介します。第4章では依頼時に用意する情報やよくある注意点を示し、第5章で時間と費用の目安をお伝えします。第6章では再発行ができない場合の対処法、第7章でよくある質問に答えます。
たとえば、会社を退職してから源泉徴収票が手元にない場合や、コピーを紛失した場合など、実際のケースに即して手順を説明します。この記事を読めば、再発行の流れや準備すべき事項がしっかり分かりますので、落ち着いて手続きを進めてください。
源泉徴収票の再発行はどこでできる?
概要
源泉徴収票の再発行は、給与を支払った勤務先(会社)が行います。市役所や税務署、コンビニでは再発行できません。ただし、必要に応じて市役所で課税証明書など別の書類を取得できる場合があります。
再発行を頼む先
- 勤務先の経理部・人事部・総務部など、給与や年末調整を担当する部署に連絡してください。担当部署名は就業規則や社内案内に記載されていることが多いです。
- 退職済みであっても、当時の勤務先が発行元になります。可能なら退職時の担当者や代表電話に問い合わせてください。
会社以外ではできない理由
源泉徴収票は給与支払者が作成する法定書類です。税務署や市役所は元の発行者に代わって再発行できません。代わりに使える書類があるかどうかは、申請先の要件によります。
代替手段の例
- 会社が連絡取れない・倒産した場合は、市区町村の課税証明(所得証明)や、税務署での所得に関する相談を検討してください。提出先によってはこれらで代用できることがあります。
ワンポイント
まずは勤務先の給与担当部署に電話やメールで再発行を依頼し、必要な本人確認書類や受け取り方法を確認してください。手続きの流れが早く分かります。
再発行依頼の具体的な方法
1. 電話で依頼する
まず総務や人事などの担当部署に電話します。会社名・在籍期間・氏名を伝え、「源泉徴収票の再発行をお願いします」とはっきり伝えてください。窓口の受付時間や郵送・メールの方法を確認します。電話は手早く状況を把握できます。
2. メール・オンラインで依頼する
企業がメールや社内ポータルを用意している場合は、指示に従って申請します。氏名・生年月日・在籍期間・返送先住所を必ず記載します。添付ファイルで本人確認書類を求められることがあるので、送信方法やファイル形式を確認してください。
3. 書面・郵送で依頼する
所定の申請書がある場合は印刷して記入・押印のうえ郵送します。申請書がない場合は、宛名・依頼内容・連絡先・返送先住所を明記した文書を同封します。書留や簡易書留で送ると安心です。
4. 退職後・派遣・パートの場合の注意
退職後でも勤務していた会社に依頼します。派遣社員は派遣元、パート・アルバイトは勤務先に依頼してください。勤務形態によって担当窓口が異なることがあります。
5. 本人確認・委任について
本人以外が依頼する場合、委任状や本人確認書類のコピーが必要です。送付方法や原本確認の有無を事前に確認してください。
6. 依頼の文例(短い例)
「源泉徴収票の再発行をお願いします。氏名:〇〇、在籍期間:20XX/XX〜20XX/XX、返送先住所:〒XXXX、連絡先:090-XXXX-XXXX」
以上が一般的な手順です。企業によって異なりますので、まずは担当部署に連絡して指示を受けてください。
依頼時に必要な情報・注意点
必要な基本情報
- 氏名(フリガナもあると親切です)
- 社員番号や従業員ID(ある場合)
- 連絡先(携帯番号・メールアドレス)
- 再発行を希望する年度(例:2021年分)
会社は通常、過去7年分の源泉徴収票を保管しています。必要な年度は正確に伝えてください。年度を間違えると別の年で発行されることがあります。
本人確認と代理人対応
会社は本人確認を求めることが多いです。運転免許証や健康保険証など、氏名と住所が確認できる書類を準備してください。代理人が依頼する場合は委任状と代理人の身分証明書が必要になります。
依頼の方法と伝え方のポイント
口頭・メール・社内システムなど、会社が指定する方法で依頼します。メールや書面で依頼する場合は、上記の必要情報を箇条書きで明記すると伝わりやすいです。例:「山田太郎/社員番号1234/携帯090-1234-5678/2022年分を郵送で希望」
受け取り方法と注意点
郵送・手渡し・電子データなど受け取り方法を先に確認してください。住所が変わっている場合は事前に届け出を行い、誤送を防ぎましょう。発行に時間がかかる場合があるため、余裕を持って依頼してください。
再発行にかかる時間と費用
発行までの目安
再発行の一般的な目安は1〜2週間程度です。会社や窓口の処理状況によって前後しますが、通常はこの範囲を見込んでください。
データでの発行と即日対応について
PDFやデータでの発行なら、数日で受け取れることがあります。即日発行は多くの事業所で難しいため、急ぎの場合は事前に問い合わせて対応可否を確認してください。
費用の考え方
再発行自体は基本的に無料で対応することが多いです。ただし、事務手数料を請求する職場や、郵送を伴う場合の送料が発生することがあります。
郵送依頼の具体的な準備
郵送で依頼する際は、返信用封筒と切手を同封するのが一般的です。返信先住所と氏名を明記した封筒を同封すると手続きがスムーズになります。
注意点
混雑時や年末年始は処理が遅れる場合があります。必要な書類や本人確認が不足すると再発行までに時間が伸びますので、依頼前に確認してください。
再発行できない場合の対応
概要
会社が倒産・吸収合併したり発行者に連絡できない場合は、別の窓口や代替書類で対応します。まずは状況ごとに相談先と手続きを確認しましょう。
会社が倒産・合併したとき
倒産した場合は破産管財人や清算人に問い合わせます。吸収合併ならば存続会社(合併後の会社)にまず連絡してください。連絡先が不明なときは税務署にも相談できます。税務署は源泉徴収票の発行者が不明/入手不能な場合の手続を案内します。
税務署への届出(源泉徴収票不交付の届出書)
発行をどうしても受けられないときは、最寄りの税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出します。これにより確定申告などで不利益にならないよう税務署が対応します。届出書の記入例や必要書類は税務署で確認してください。
業務委託・派遣の場合の注意
業務委託は支払側が源泉徴収を行わない場合があります。派遣は派遣元か派遣先のどちらが源泉を出すかを確認してください。契約書や支払明細を手元に用意して、該当する事業者へ問い合わせると手続きが早まります。
市区町村の課税証明書(所得証明書)の活用
源泉徴収票がどうしても入手できない場合、住民税の課税証明書(所得証明書)を代用できることがあります。市区町村役場で取得し、確定申告や各種手続きで提出可能か事前に窓口に確認してください。
実務的な手順(例)
- まず発行元に再度連絡し、応答がなければ担当窓口を記録する
- 破産・合併時は破産管財人・存続会社を探す
- 税務署へ相談し、不交付届出書の提出を検討する
- 必要なら市区町村で課税証明書を取得して代用する
必要に応じて、税理士や市区町村・税務署の窓口で個別相談すると安心です。
その他のよくあるQ&A
Q1: パート・アルバイトでも再発行できますか?
はい。勤務形態に関係なく、会社が源泉徴収票を発行します。受け取れない場合は勤務先に頼んで再発行を依頼してください。
Q2: 本人以外が依頼できますか?
多くの場合、税理士や家族でも依頼できます。会社によっては委任状や本人確認が必要です。事前に勤務先に確認すると安心です。
Q3: 年金の源泉徴収票はどこに連絡すればいいですか?
年金の源泉徴収票は、年金を支払っている機関(年金事務所やねんきんダイヤル)に連絡してください。自分の年金受給番号や本人確認書類が必要になることが多いです。
Q4: 会社が倒産しているときは?
会社がすでにない場合は、支払元の記録が残る税務署やハローワークに相談する方法があります。状況によって対応が異なるため、まずは最寄りの窓口に相談してください。
Q5: 電子データで受け取れますか?
勤務先によってはPDFなどで送ってくれることがあります。郵送を希望する場合はその旨を伝えてください。
Q6: 再発行でよくあるトラブルは?
連絡先が変わっている、本人確認が不十分、担当者が不在などです。連絡方法と必要書類を事前に確認するとスムーズです。
疑問があれば、状況(勤務先の対応、受け取りたい形式など)を教えてください。必要に応じて、依頼文の例や問い合わせ先の伝え方を一緒に考えます。


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