はじめに
この記事は、源泉徴収票を郵送する際の基本と注意点を分かりやすくまとめた入門編です。会社から従業員へ、または税理士・会計事務所から顧客へ送る際に役立つ実務的なポイントを中心に解説します。
目的
- 源泉徴収票の郵送で失敗しないための基本を知る
- 封筒の書き方や送付状の要否、郵送方法の選び方を理解する
この章で学べること
最初に、源泉徴収票がどんな書類で、なぜ郵送に注意が必要なのかをやさしく説明します。個人情報を含む重要書類であるため、封入の仕方や送達記録の残し方が郵送の品質に直結します。
対象読者
- 会社の総務・人事担当者
- 個人事業主や税理士へ書類を送る方
- 源泉徴収票の郵送方法を初めて学ぶ方
この記事は全4章で構成し、次章から封筒の具体的な書き方や保護方法、送付状の例、郵便の種類と利点・欠点を順に説明します。
源泉徴収票の郵送方法
封筒の表面(宛先)
封筒の表面には受取先を明確に書きます。会社宛なら「会社名 部署名 御中」、個人宛なら氏名をフルネームで書きます。市役所や税務署へ送る場合は「〇〇市役所 税務課 御中」と記載します。郵便番号は左上に忘れずに。
封筒の裏面(差出人)
差出人は封筒の左上か裏面中央に記載します。会社名、住所、部署名、担当者名、電話番号を記載すると連絡が取りやすくなります。例:「株式会社△△ 人事部 山田太郎 〒123-4567 東京都… TEL:03-1234-5678」。
封筒のサイズ
源泉徴収票はA4サイズが多いため、角形2号(A4がそのまま入るサイズ)をおすすめします。用紙を折りたくない場合はこの封筒が便利です。
送付状(添え状)の同封
ビジネスマナーとして送付状を添えます。送付状には送付書類(源泉徴収票)、送付目的、枚数、連絡先を簡潔に書きます。例:「源泉徴収票1通を送付します。ご確認のほどよろしくお願いします。」
郵送方法と追跡
普通郵便でも送れますが、紛失リスクがあります。追跡や受領確認が欲しい場合は特定記録郵便、簡易書留、あるいはレターパック(ライトは郵便受け投函、プラスは対面受取)を利用すると安心です。控えを1部保管し、必要なら到着日を相手に確認してください。
源泉徴収票の特徴
概要
源泉徴収票は、給与や退職金から差し引いた税額などを記載した重要な書類です。年末調整や確定申告で必要になります。退職者や休職者にも発行されますので、在職の有無にかかわらず受け取ってください。
発行時期と対象者
通常は年末のタイミングで発行します。退職した場合は退職時に交付する会社が多いです。例えば、会社を3月に辞めたら、その年の分は退職時に受け取ることが一般的です。
主な記載項目と例
- 支払金額:その年に支払われた給与の合計(例:3,000,000円)
- 源泉徴収税額:差し引かれた所得税(例:200,000円)
- 社会保険料等の控除額:健康保険や年金の自己負担分
- 支払者の名称・所在地:会社名や住所
同封の案内文例
「源泉徴収票を同封いたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。」
受け取った後の注意点
記載内容に誤りがあれば、勤務先へ訂正・再発行を依頼してください。紛失した場合も会社に再発行を頼めます。書類は確定申告や年末調整で必要になりますので、大切に保管してください。
注意点
封筒の裏面に「〆」マークを付けることや、送達記録を残す方法は大切な証明になります。以下に具体的な注意点を分かりやすくまとめます。
封筒の「〆」マーク
- 目的:封が未開封であることを一目で示します。開封済みかどうかを確認する手がかりになります。
- 書き方:封筒のフラップ(蓋)の合わせ目に沿って線を引き、合わせ目の上に「〆」と記入します。ボールペンなど消えにくい筆記具を使うと良いです。
- 効果:受取人が封を開けると線が切れたりマークがずれたりするため、開封の有無が分かります。
送達記録を残す方法
- 特定記録郵便:いつ発送したかの記録が残りますが、受取人の署名は必須ではありません。発送した証拠として使えます。
- レターパック:レターパックプラスは対面で受け取り、受領の確認が取れます。レターパックライトはポスト投函のため受領確認は得られません。どちらを使うかは証明の強さで選んでください。
- 保存するもの:控え(受領証や追跡番号)は必ず保管してください。郵便窓口で受け取る受領印やレシートが重要な証拠になります。
その他の注意点
- 宛名や住所を書き間違えないように確認してください。郵便料金不足や誤配はトラブルの原因になります。
- 重要書類は発送前にコピーを残し、個人情報が外に漏れないよう封筒の表面に不用意な情報を記載しないでください。
- 法的に確実な証拠が必要な場合は、書留(簡易書留・一般書留)の利用を検討してください。受領印付きの記録が得られ、より強い証明になります。
封筒に「〆」マークを付け、送達記録を併用することで、いつどこに送ったかをより確実に示せます。必要に応じて適切な方法を選んでください。


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