はじめに
本資料の目的
この章では、離職票を紛失した場合にどう対処すればよいかをわかりやすく説明します。離職票は失業手当の申請や各種手続きで必須になる書類です。本資料は再発行の可能性や手続きの流れ、必要な情報と連絡先の選び方などを整理しています。
離職票が重要な理由
離職票は退職理由や雇用期間が記載された公的書類です。失業給付の受給期間や金額に直接関係します。早めに再発行手続きすることで手続きの遅れや不利益を避けられます。
誰に向けた資料か
会社から離職票を受け取っていない、受け取ったが紛失した、手続きの方法が分からない方を主な対象としています。初めて手続きする方でも理解できるように、用語はできるだけ平易に説明します。
本書の使い方
第2章以降で再発行の可否、方法、申請に必要な情報、ハローワーク選びのポイントなどを順に解説します。まずは本章で目的と全体像をつかんでください。
離職票を紛失しても再発行は可能
概要
離職票は紛失や破損しても、何度でも再発行できます。紛失した場合でも適切な手続きを踏めば、再び受け取れる書類です。
再発行の基本的な流れ
- まずは勤務していた会社に連絡し、離職票の再発行を依頼します。会社が担当部署を通じて再作成します。例:郵送で送ってもらう、窓口で受け取るなど。
- 会社が対応できないときは、最寄りのハローワークに相談してください。ハローワークは発行記録や対応方法を案内します。
注意点
- 再発行には本人確認書類が必要になることが多いです(運転免許証やマイナンバーカードなど)。
- 発行までの日数は会社やハローワークによって異なります。早めに連絡すると手続きがスムーズです。
必要な場合は、次章で具体的な再発行方法を詳しく説明します。
離職票の再発行の3つの方法
離職票の再発行には主に次の3つの方法があります。それぞれの特徴と必要書類、手続きのポイントを分かりやすく説明します。
1. 退職した会社に依頼する方法
- 特徴:最も手間が少なく、会社側が手続きを行えばスムーズに進みます。会社が離職証明書をハローワークへ提出すると離職票が発行されます。
- 必要書類:本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)、委任状(会社に依頼する場合は求められることがあります)、退職日が分かる書類(雇用契約書や給与明細など)。
- ポイント:まずは人事・総務に連絡して対応状況を確認してください。会社側の処理に時間がかかる場合があるので、早めの依頼が望ましいです。
2. ハローワークで直接申請する方法(最も確実で迅速)
- 特徴:窓口で事情を説明し、担当者と一緒に進められるため安心です。手続きの案内を受けられます。
- 必要書類:本人確認書類、離職日が分かる書類、印鑑、雇用保険被保険者番号(分かれば)。
- ポイント:最寄りのハローワークに行く前に予約や受付時間を確認してください。ハローワークは会社への確認が必要な場合は支援してくれます。
3. オンラインで電子申請する方法(e-Gov)
- 特徴:自宅から申請できて便利です。対応環境が整っていれば手続きが速く進むことがあります。
- 必要書類・条件:マイナンバーカードと暗証番号、対応するICカードリーダーや対応スマホ、電子申請用のアカウント。加えて離職に関する情報(退職日や会社名)を揃えておきます。
- ポイント:オンラインは便利ですが、事前準備(カードや機器の用意、アカウント登録)が必要です。申請後は会社側の対応を待つ場合があります。
各方法のメリット・デメリットを比較して、自分の状況に合った方法を選んでください。
再発行申請時に必要な情報
概要
再発行を申請するときは、以前発行された離職票の「交付年月日」と「交付番号」を書く欄があります。わからない場合でも職員に相談すれば対応してもらえますので、まずは安心してください。
主に必要な情報
- 氏名(旧姓がある場合は旧姓も)
- 生年月日
- 住所と連絡先(電話番号)
- 会社名と所在地(できれば部署名や担当者名)
- 退職日(最終出勤日)と雇用期間
- 離職の理由(自己都合・会社都合など)
- 離職票の交付年月日・交付番号(分かれば記入)
持参する身分証明書や書類
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
- 健康保険証や雇用保険被保険者番号が分かる書類があれば持参
- 雇用契約書や最終の給与明細、退職届など、雇用期間や退職日が分かる紙
交付年月日・番号が分からないときの対応
交付年月日や番号が分からなくても、ハローワークの窓口で職員に相談してください。職員は会社名や被保険者番号、退職日などから過去の記録を照会して探してくれます。場合によっては会社に確認を取る必要があり、対応に時間がかかることもあります。
受け付けの流れとポイント
来所前に、手元にある書類をまとめておくと手続きがスムーズです。わからない項目は空欄にして窓口で説明すれば、職員が案内してくれます。急ぐ場合は事前に電話で相談し、必要書類を確認しておきましょう。
ハローワーク選びのポイント
どのハローワークで申請すればよいか
退職した会社の所在地を管轄するハローワークで申請すると、その場で離職票を再発行してもらえることが多いです。発行元のハローワークが分かる場合は、そちらへ行くと手続きがスムーズになります。
発行元が不明な場合の対応
発行元が分からないときは、前職の住所(市区町村まで)や会社名を伝えてください。ハローワークの職員がどの窓口が担当かを確認して案内してくれます。必要なら電話で問い合わせて場所を案内してもらうと安心です。
来所前に確認しておくこと
身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード)を持参してください。会社名や退職日が分かる書類やメモがあるとやり取りが早くなります。念のため電話で「離職票の再発行を希望」と伝え、必要書類や受付時間を確認しましょう。
営業時間と混雑を避けるコツ
平日の午前中や月初は混みやすいので、時間に余裕を持って行くと安心です。ウェブや電話で窓口の混雑状況を確認できる場合がありますので活用してください。
会社側の対応期間
対応期間の目安
企業が離職票の再発行に対応できる期間は、退職日から4年以内が一般的な目安です。例えば2019年1月1日に退職した場合、2023年1月1日までに再発行を依頼すると対応を受けやすくなります。
期間を超えると対応が難しくなる理由
- 書類が保管期限を過ぎて廃棄されている
- 担当者が異動・退職し、引き継ぎが不十分である
- 人事・給与システムを更新して古いデータが見つけにくい
これらの理由で、期間を超えると再発行に時間がかかったり対応できない場合があります。
会社に依頼する際のポイント
- 早めに連絡する:可能なら退職後すぐ依頼する
- 必要情報をまとめて伝える:氏名、退職日、在籍時の部署や社員番号、連絡先など
- 記録を残す:メールや書面で依頼内容と日時を保存する
- 期限を明確に伝える:いつまでに必要かを伝えると対応が進みやすい
期間内に依頼すれば企業側も対応しやすくなります。対応が難しい場合はハローワークへの相談も検討してください。
不明な点がある場合の相談
まずはハローワークに電話
手続きで分からないことがあれば、まずハローワークに電話で問い合わせると確実です。窓口に行く前に電話で確認すると、必要書類や受付時間が分かり、無駄足を防げます。
電話で伝えると良い情報
・氏名、生年月日、連絡先
・離職日や勤務していた会社名
・離職票を紛失したこと
分かれば雇用保険の被保険者番号を伝えると手続きが速く進みます。
手元に用意しておく書類
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
・印鑑(必要な場合があるため)
・雇用保険の被保険者番号や雇用期間が分かるメモ
求職登録が必要になるため、これらを用意しておくと窓口での手続きがスムーズです。
窓口での相談のポイント
質問は紙に書いておき、聞いた内容は相手の名前とともにメモしてください。必要なら予約や受付時間の確認をし、混雑する時間帯を避けると待ち時間が短くなります。
他に困ったとき
電話で解決しない場合は、直接窓口に行って相談してください。窓口では職員が具体的な手続き案内や書類の確認を行ってくれます。
会社が対応できない場合の対処法
概要
会社と連絡が取れない、または離職票の再発行に応じない場合でも、退職者自身がハローワークで手続きを進められることが多いです。控えが保管されていることがあり、事情を説明して相談すると適切な案内を受けられます。
ハローワークでできること
- 離職票の保管有無を確認し、再発行や写しの交付を受けられる場合があります。
- 会社に代わって照会・確認を行い、必要な手続きを進めます。
必要な持ち物・書類
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 離職日や会社名が分かる書類(給与明細、雇用契約書、退職届の控えなど)
- 印鑑(窓口で求められることがあります)
手続きの流れ
- 最寄りのハローワークに来所して窓口で事情を説明します。
- 担当者が保管状況を確認し、必要書類を案内します。
- ハローワークが会社へ照会したり、記録を確認して再発行の手続きを進めます。
- 交付までの日数は状況により異なりますので、窓口で確認してください。
相談時のポイント
- 会社と連絡が取れない証拠(メールや着信履歴など)を持参すると手続きがスムーズです。
- 失業給付の手続きが急ぐ場合は、その旨を伝えて優先対応を相談してください。
それでも対応できない場合
ハローワークで解決しないときは、労働基準監督署や都道府県の労働相談窓口、必要があれば弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
退職後に離職票を紛失しても、再発行は確実に可能です。手続きは難しくありませんが、流れと必要な準備を押さえることが大切です。
- 最も確実な方法
-
退職した会社の所在地を管轄するハローワークに直接申請すると、手続きが早く進みます。
-
準備しておくもの
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 会社名・所在地・退職日が分かる情報
-
委任する場合は委任状や代理人の本人確認書類
-
手続きの流れ
-
必要書類を揃え、ハローワーク窓口で再発行を申し出ます。会社側に確認が必要な場合は、ハローワークが会社へ連絡します。
-
期間の目安と注意点
- 会社が書類を確認してから発行までに日数がかかることがあります。早めに動くと安心です。
困ったときはハローワークや労働相談窓口に相談してください。適切に準備して手続きを進めれば、スムーズに再発行してもらえます。


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