就業規則と時間の基礎知識を詳しくわかりやすく解説

目次

はじめに

「就業時間」について、どこから手をつければよいか分からない――そんな悩みをお持ちではありませんか?本章では、本記事で扱う内容と読み方、想定する読者を分かりやすくご案内します。

本記事の目的

企業の就業規則に記載する「就業時間」について、基本的な考え方と実務で注意すべき点を整理します。定義や労働時間・休憩との違い、具体的な記載例、計算方法、見直し時のポイントまで網羅します。

誰に向けた内容か

人事担当者、管理職、小規模事業主、就業規則の作成・見直しを検討している方に役立ちます。労働者側の方にも、自分の働き方を確認する参考になります。

読み方のコツ

最初に第2章で基本を押さえ、第3〜5章で実務的な違いと計算方法を確認してください。第6章は作成・見直し時のチェックリスト、第7章は関連用語の補助説明です。必要な章だけを参照しても理解しやすい構成にしています。

それでは、まず「就業時間とは何か」を見ていきましょう。

就業規則に定める「就業時間」とは

定義

就業時間とは、就業規則で定めた「始業時刻から終業時刻までの合計時間(休憩を含む)」を指します。たとえば「午前9時〜午後6時、休憩1時間」の場合、就業時間は9時間です。

具体例

  • 9:00〜18:00(休憩1時間)→ 就業時間9時間
  • シフト制で13:00〜22:00(休憩1時間)→ 就業時間9時間

企業の記載義務

企業は雇用時に始業・終業時刻や休憩時間を就業規則や雇用契約書に明記する義務があります(労働基準法第89条)。明確に記載することでトラブルを防げます。

注意点

  • 就業時間は規則上の枠組みです。実際の賃金計算や労働時間の扱いは別の考え方になることがあります。
  • 就業時間を変更する際は労働者に周知し、必要に応じて就業規則を改定してください。

よくある誤解

「始業から終業まで=すべて労働時間」と誤解されがちですが、休憩時間は就業時間に含めても実働には含めません。具体的な扱いは就業規則で明確にしましょう。

就業時間・労働時間・休憩時間の違い

定義の違い

  • 就業時間:就業規則で定めた始業から終業までの時間帯を指します。休憩時間も含みます。会社が勤務の枠組みとして決める時間です。
  • 労働時間:実際に業務に従事している時間で、就業時間から休憩時間を除いた時間です。労働時間に対して賃金が支払われます。
  • 休憩時間:労働時間の途中に与えられる休息時間です。原則として労働から自由に使える時間で、会社が自由に使わせる義務があります。

法律上の休憩時間の基準

  • 労働時間が6時間を超える場合:45分以上の休憩が必要です。
  • 労働時間が8時間を超える場合:1時間以上の休憩が必要です。
    休憩はまとめて与えるのが原則ですが、分割して与えることも実務上あります。

具体例

  • 勤務8:00〜17:00、休憩1時間の場合:
    就業時間=9時間(8:00〜17:00、休憩含む)
    労働時間=8時間(休憩1時間を除く)

注意点

  • 休憩中に会社が業務を指示すると、その時間は労働時間になります。休憩の取り扱いを就業規則で明記しておくとトラブルを防げます。

就業規則における記載事項とポイント

記載が必要な基本事項

  • 始業時刻・終業時刻(例:始業9:00、終業18:00)
  • 所定労働時間(例:1日8時間、週40時間)
  • 休憩時間の開始・終了(例:12:00~13:00、合計1時間)
  • 変形労働やフレックスの有無と運用ルール

具体的な記載例

  • 「始業9:00、終業18:00、休憩12:00~13:00、所定労働時間8時間」
  • シフト制の場合は代表的な勤務パターンを記載(例:早番9:00~18:00、遅番12:00~21:00、夜勤22:00~7:00)

勤務体系ごとの注意点

  • シフト勤務:勤務表の作成時期、変更の通知期間、欠勤時の扱いを明示
  • フレックスタイム:清算期間、コアタイム(例:10:00~15:00)や標準労働時間の記載
  • 変形労働制:対象期間と所定労働時間の配分方法を記載

運用のポイント

  • 具体的に書くと労使の誤解を防げます
  • 時間管理の方法(勤怠システム、タイムカード等)を明示
  • 就業時間に変更がある場合の手続き(事前の周知、労使協議)を定める
  • 休憩や短時間勤務の扱い、遅刻・早退の取り扱いを明確にする

記載を丁寧に行うことでトラブルを未然に防げます。

就業時間のパターンと計算方法

よくある就業時間のパターン

  • 通常勤務(固定時間): 例)8:00~17:00(休憩1時間)→就業時間9時間、労働時間8時間。多くの企業がこの形式を採用します。
  • フレックスタイム: コアタイム以外は社員が始業・終業を調整できます。清算期間中の総労働時間で管理します。
  • シフト制: 夜勤や交替勤務がある場合、勤務パターンを複数設定します。

労働時間の計算方法(具体例で説明)

  • 労働時間=就業時間-休憩時間。上の例では9時間−1時間=8時間。
  • 時間外労働: 所定労働時間(多くは1日8時間、1週40時間)を超えた分は時間外となり、割増賃金の対象になります。例)所定8時間のところ10時間働けば、時間外2時間が発生します。
  • 休憩の取り方: 休憩は労働時間中に確実に与える必要があります。休憩が不規則だと労働時間の計算が変わるため、就業規則で取り方を定めます。

就業規則に記載すべきポイント

  • 始業・終業時刻、休憩時間の長さと取り方、時間外勤務の申請・承認手続き、割増賃金の扱いを明確に記載してください。労働基準法に基づき判断する旨も入れると安心です。

就業規則作成・見直し時の注意点

法令遵守を最優先にする

就業規則は労働基準法に沿って作成します。原則として1日8時間・1週40時間を超える労働は割増賃金の対象になりますし、休憩時間の確保も必要です。常時10人以上の労働者がいる事業所は就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務です。

記載は具体的に、曖昧にしない

「業務に応じて」「適宜休憩」などの曖昧な表現はトラブルの元になります。良い例:始業9:00 終業17:30 休憩60分、シフト例:早番8:00–16:00、遅番13:00–21:00。休憩は「労働時間が6時間を超えると45分、8時間を超えると60分」など具体的に書きます。

特別な制度はルールを明示する

フレックスタイムや変形労働時間制を導入する場合は、清算期間やコアタイム、計算方法を明記します。制度の運用方法を具体例で示すと従業員に分かりやすくなります。

作成・届出・周知の流れ

作成後は所轄の労働基準監督署へ届出します。従業員への周知も必須です。紙で交付したり、社内掲示やイントラに掲載したりして、誰でも確認できる状態にしてください。

変更時の注意点

就業規則を変更するときは、従業員に不利益が生じる場合は十分説明し、可能なら同意を得てください。説明会や書面での通知を行うと後の誤解を防げます。

運用と記録を忘れずに

実際の勤務時間や休憩の記録を残すことが重要です。記録は労務管理や労使トラブルの予防に役立ちます。疑問があるときは社労士など専門家に相談すると安心です。

関連用語・よくある疑問

用語の違い

「就業時間」「就労時間」「勤務時間」は日常的に同じ意味で使われますが、ニュアンスが少し異なります。一般的には「就業時間」が就業規則で定める働く時間を指します。「就労時間」は使用者の指示のもとで働く時間、「勤務時間」は求人票や就業案内での表現として使われることが多いです。例:求人に「勤務時間 9:00–18:00」と書く一方、就業規則ではその時間を「就業時間」として定めます。

時間単位の休暇とフレックスタイム制

時間単位の年休は、1時間単位など細かい単位で有給休暇を取得できる制度です。導入する場合は単位や手続き、控除の方法を就業規則に明記します。フレックスタイム制では、始業・終業時刻を社員が柔軟に決められますが、コアタイム(必ず勤務する時間)や清算期間、労働時間の記録方法を規定する必要があります。

始業・終業時刻、休憩の規定

始業・終業時刻、休憩時間は就業規則で明確にします。休憩は労働時間に応じて付与する義務があり、例えば6時間以上で45分以上、8時間以上で60分以上を目安にします(会社ごとに定めます)。早出・残業・深夜勤務の扱いも規定してください。

よくある疑問(Q&A)

Q1: 就業時間と労働時間は同じですか?
A1: 原則として同じ意味で扱いますが、就業規則に定めた「就業時間」を基準に管理します。

Q2: 出勤記録は必要ですか?
A2: はい。労働時間を確認できる記録(タイムカード、勤怠システムなど)を整備してください。

Q3: 休憩時間は自由に使えますか?
A3: 基本的には自由ですが、業務の都合で一時的に制約する場合は就業規則や職場ルールで扱いを示してください。

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