はじめに
この記事の目的
会社を辞めるとき、退職日や手続きは意外と悩みの種です。本記事は、退職日を中心に必要な準備や当日の流れ、退職後に行うべき手続きまでを分かりやすく解説します。円満退職とスムーズな新生活への第一歩をサポートします。
対象読者
- 退職を考えている方
- 上司や人事にいつ伝えるか迷っている方
- 退職日周辺の手続きが不安な方
具体例を交えながら、初めて退職する人にも分かるよう説明します。
本記事で学べること(概要)
- 退職日と最終出勤日・離職日の違い
- 退職日を決めるときのポイント
- 退職日当日と直前にやるべきこと
- 退職後の社会保険や税金などの手続き
読み方のコツ
章ごとに順を追って読めば、退職の流れがつかめます。急ぎの人は「退職日当日・直前にやるべきこと」を先に確認してください。
注意事項
企業ごとにルールが異なります。就業規則や雇用契約書、人事窓口にも必ず確認してください。
退職日とは?最終出勤日・離職日との違い
退職日とは
退職日は会社との雇用関係が法的に終了する日です。その日に従業員でなくなり、給与や社会保険、雇用保険の扱いが確定します。例えば「3月31日を退職日」と契約すると、その日をもって社員でなくなります。
最終出勤日とは
最終出勤日は実際に会社へ出社する最後の日を指します。有給休暇の消化や在宅勤務の関係で、最終出勤日と退職日が異なることが多いです。例として、最終出勤日が3月15日で、有休を使って3月31日が退職日になる場合があります。最終出勤日は業務引き継ぎや備品返却の目安になります。
離職日とは
離職日はハローワークなど公的手続きで失業状態とみなされる日です。通常は退職日の翌日が離職日になります。離職日を基に雇用保険の受給開始日や待機期間が決まるため、手続きに影響します。
よくある確認ポイント
- 雇用契約書や就業規則で退職日の扱いを確認してください。
- 有給消化中でも退職日は変わらない点に注意してください。給与や保険の扱いは退職日基準で決まります。
- 離職票や源泉徴収票などの発行時期を確認し、ハローワークへ行くタイミングを把握しましょう。
退職日を決めるときに考慮すべきポイント
就業規則と退職のルールをまず確認
退職手続きは会社ごとに決まりがあります。就業規則で「何日前までに申し出るか」「有給の取り扱い」「最終出勤日と離職日の扱い」を確認してください。口約束だけで進めるとトラブルの原因になります。
申し出のタイミング(目安)
多くの企業は数週間から数カ月の猶予を求めます。転職先が決まっている場合は、入社日の調整も考えて早めに伝えます。余裕を持てば引き継ぎもスムーズにできます。
引き継ぎと繁忙期への配慮
重要業務やプロジェクトの途中で辞めると迷惑がかかります。可能なら繁忙期や決算期を避けて退職日を設定しましょう。引き継ぎ資料やマニュアルを作成し、後任への引き継ぎ期間を確保します。
社会保険・年金の空白を避ける
転職の場合は、原則として前職の退職日と新職の入社日の間に空白がないのが理想です。保険や年金の手続きが簡単になり、手当の損失を防げます。入社日前日を退職日にするのがよくある方法です。
賞与や手当の支給タイミングの確認
賞与の支給基準に「在職時のみ支給」とある企業もあります。賞与時期が近いなら、受給条件を確認して退職日を調整するか、事前に相談してください。
簡単なチェックリスト
- 就業規則の退職ルールを確認
- 退職願の提出時期を決める
- 引き継ぎスケジュールを作る
- 社会保険・年金の空白を避ける日程を検討
- 賞与や有給の扱いを確認
これらを踏まえて、円満で無理のない退職日を設定しましょう。
退職日当日・直前にやるべきこと
退職日前日までに準備すること
- 引き継ぎ資料を完成させる:業務の目的、作業手順、関係者の連絡先、重要なログイン先を分かりやすく記載します。ファイル名や保存場所を明記し、後任が迷わないようにします。
- 返却物のリスト化:会社貸与のPC、社員証、通勤定期、制服、備品などをリストにして写真を撮り、返却時のトラブルを防ぎます。
- 取引先・関係者へのあいさつ:メールまたは電話で退職の報告と引き継ぎ先を伝えます。短い文面例を用意しておくと安心です。
- 個人データの整理:私物ファイルや個人アカウントのログアウト、私用データのバックアップを行います。必要なものは個人用に保存してください。
- 連絡先の交換:今後の連絡用に必要な同僚や取引先と連絡先を交換します。
退職日当日の行動チェック
- デスク・ロッカーの整理整頓:私物を持ち帰り、社内備品は所定の場所へ戻します。清掃をしてから引き渡すと印象が良くなります。
- 社内でのあいさつ:上司や同僚に直接感謝を伝えます。短い挨拶の言葉を用意しておくと落ち着いて話せます。
- 引き継ぎの最終確認:後任と一緒に資料を確認し、不明点をその場で説明します。
- PC・メールの整理:社用メールの整理、不要な個人データの削除、パスワードや自動ログインの解除を行います。重要データは上書きや移管の方法を明確にします。
- 退職面談と書類の受け取り:面談で最終確認をし、備品の返却や離職票、源泉徴収票など必要書類を受け取ります。受領印や控えを確認してください。
- 最後の確認リストを持参:返却物チェックリスト、身分証、筆記具を持って行くと受け渡しがスムーズです。
ちょっとした準備で当日の不安を減らせます。周囲への感謝を忘れず、冷静に手続きを進めてください。
退職後にやるべき手続きと注意点
健康保険・年金の切り替え(退職後14日以内が目安)
会社の健康保険や厚生年金を脱退したら、原則として14日以内に市区町村で国民健康保険や国民年金への加入手続きを行います。持ち物は離職票や健康保険被保険者資格喪失証明書、身分証明書、年金手帳(または基礎年金番号が分かるもの)です。任意継続という選択肢が使える場合もあるので、保険組合に確認してください。
失業保険の申請(ハローワーク)
離職票を持ってハローワークで求職の申し込みを行い、失業給付の手続きをします。必要書類は離職票、身分証明書、預金通帳(振込先)などです。手続きはできるだけ早めに行うと安心です。
税金の扱い(住民税・所得税)
会社で年末調整しない場合や退職後に収入が変わる場合は、確定申告が必要になることがあります。住民税は前年所得に基づき自治体から請求されるため、会社を通した特別徴収が終わると自分で納付書で支払うケースが多いです。自治体に納付方法を確認しましょう。
会社からの問い合わせ対応
退職後に書類の確認や手続きのため会社から連絡が来ることがあります。連絡が取れる電話番号やメールアドレスを残し、応対できるようにしておくと滞りません。
その他の手続き・注意点
・住民票の移動、マイナンバーの管理、銀行口座情報の確認を行ってください。
・書類はコピーを取って保管するとあとで便利です。
・不明点は市区町村窓口、年金事務所、ハローワークに早めに相談しましょう。
まとめ|円満退職・スムーズな新生活のために
退職日と最終出勤日の違い
退職日は雇用の終了日で、給与や保険の扱いが変わる日です。最終出勤日や離職日は別になることが多いので、就業規則や雇用契約を必ず確認してください。
退職前に心がけること
- 就業規則を確認して必要な手続きを把握する。
- 上司や人事に早めに相談して退職日を調整する。
- 引き継ぎ資料を作成し、後任と直接やり取りする。
- 業務の優先順位を整理し、残作業を明確にする。
退職当日・直後のポイント
- 備品や鍵、PCの返却を忘れない。
- 関係者へ感謝の挨拶をする。メールやメッセージで丁寧に伝えるとよいです。
- 雇用保険被保険者証や源泉徴収票など書類を受け取る。
退職後の手続き(主な例)
- 健康保険と年金の切替え(国民健康保険・国民年金など)。
- 失業保険の手続き(受給要件を確認)。
- 住所・銀行口座・給与振込先などの変更手続き。
人間関係と将来のために
- 円満退職を心がけると、推薦状や紹介につながります。
- 退職後も連絡先を整理して、必要なときに連絡できるようにしておくと安心です。


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