退職後に源泉徴収票がもらえない理由と対処法まとめ

目次

はじめに

本記事の目的

退職後に「源泉徴収票がもらえない」と困っていませんか。源泉徴収票は年末調整や確定申告で必要な大切な書類です。本記事では、もらえない理由や確認ポイント、実際に取るべき対処法を分かりやすく解説します。

誰に向けた内容か

  • 退職予定・退職直後の方
  • 前職の給与や税金の手続きで不安がある方
  • 源泉徴収票が届かない、または紛失した方

記事の流れ(本シリーズの構成)

  1. 源泉徴収票の基本と必要性
  2. いつ・どうやってもらえるか
  3. もらえない典型パターン
  4. 届かないときの確認ポイント
  5. 具体的な対処法(連絡先や申請手順)

読み方のポイント

各章で実例や手続きの順序を示します。初めての方でも迷わないよう、順を追ってご案内しますので安心して読み進めてください。

源泉徴収票とは何か?退職後になぜ必要になるのか

概要

源泉徴収票は、1年間(または在職期間)に受け取った給与や賞与の金額と、そこから差し引かれた所得税などが記載された会社発行の書類です。会社が作成して従業員に交付することが法律で定められています。

主な記載項目(わかりやすく)

  • 支払金額:その年に支払われた給与の合計
  • 所得税の控除額:給与から天引きされた税金の合計
  • 雇用期間:在職していた期間(年の途中で退職した場合はその期間)

退職後になぜ必要か

退職後は年の途中で収入が途切れることが多く、年末調整が会社で完結しない場合があります。たとえば、年の途中に退職してそのまま就職しなければ、自分で確定申告をして税金の過不足を清算する必要があります。その際、源泉徴収票が税額の根拠資料になります。

具体的な利用シーン

  • 転職先に提出して年末調整を受けるとき
  • 自分で確定申告をする際の添付書類
  • 住宅ローンや賃貸の収入証明として求められるとき
  • 住民税の算定に会社から自治体へ情報が渡るとき

どの場面でも、源泉徴収票は「その年にいくら稼いで、いくら税金を払ったか」を示す大切な証明書です。退職後は特に、手元にあるか確認しておくと安心です。

源泉徴収票はいつ・どのようにもらえるのか

在職中に受け取る場合

  • 年末調整が終わったあと、通常は12月から翌年1月にかけて会社が交付します。年末まで在職していた場合、会社は翌年1月31日までに交付する義務があります。

退職後に受け取る場合

  • 退職した人には、会社が退職日から1か月以内に交付することが法律で定められています。多くの会社は最終給与の支払い日やその前後に発行します。

受け取り方法

  • 手渡しで渡されることが一般的ですが、退職日に間に合わないときは自宅あてに郵送される場合が多いです。郵送の際は普通郵便や簡易書留などで届きます。

12月に退職したとき

  • 12月に退職した場合は、12月の給与明細と一緒に交付されることが多いです。もし退職日に間に合わなければ、退職後1か月以内をめどに会社が発送します。

それ以外の時期に退職したとき

  • 12月以前に退職した場合は、退職後およそ1か月で届くのが目安です。会社の事務処理の都合で数日〜数週間の差が生じることがあります。

実務上の注意点

  • 転職先で源泉徴収票が必要な場合は、受け取りが遅れると手続きに影響します。受け取りが遅いと感じたら、退職した会社の総務や人事に連絡して発送状況を確認してください。

退職後に源泉徴収票が「もらえない」ケースの典型パターン

退職後に源泉徴収票が手元に届かないと不安になります。よくある典型パターンを分かりやすく整理します。

1. 法定期限(1か月)がまだ

退職後に会社は原則1か月以内に交付します。退職してから日が浅い場合は、まず期限を確認して待ちましょう。

2. 会社は出しているが郵送事故や住所不備で届かない

会社が発行済みでも、郵便事故や旧住所で届かないことがあります。発送日と宛先を会社に確認してください。

3. 「申請しないともらえない」との誤解

源泉徴収票は会社が交付する書類です。自分で申請しなければ出ないと誤解している例があります。

4. 会社の事務処理が遅れている

担当者の引継ぎ不足や繁忙期で処理が遅れることがあります。内部確認を促しましょう。

5. 会社が発行義務を理解しておらず対応しない

特に小規模事業所では手続きや法的義務の認識が薄い場合があります。丁寧に請求して説明を求めてください。

6. 会社が倒産して連絡がつかない

倒産や事業停止で交付できないケースがあります。状況に応じてハローワークや税務署などへ相談が必要です。

7. 実は受け取っているが紛失している

郵便受けに届いている、受取済みだが紛失したということもあります。再発行を依頼しましょう。

交付を意図的に拒まれることは本来少なく、源泉徴収票の交付は会社の法的義務です。まずは発行状況と発送先を確認することをおすすめします。

退職後に源泉徴収票が届かないときの確認ポイント

退職後に源泉徴収票が届かないとき、まず落ち着いて確認してください。以下のポイントを順に確認すると原因の特定が早くなります。

1. 退職日からの経過日数を確認

通常は退職後1か月ほどで届きます。1か月未満なら事務処理中の可能性が高いです。年末調整時期は遅れやすい点も念頭に置いてください。

2. 住所・連絡先の誤りをチェック

会社に届けている住所や電話番号が正しいか確認します。引っ越しをしている場合は郵便の転送届を出したか確認してください。転送されていないと旧住所に届きます。

3. 発送方法と宛名を確認

普通郵便で送られることが多いですが、簡易書留や手渡しの場合もあります。会社が社員全員分をまとめて渡す手続きをしていることもあります。

4. 前職の担当部署に問い合わせ

総務・人事・給与担当に「いつ発送したか」「宛先はどこか」などを尋ねます。メールや書面で記録を残すと安心です。再発行の可否や手続きも確認してください。

5. 転職先に確認

新しい勤務先の人事が前職から受け取っていることは稀ですが、念のため確認すると安心です。会社間で直接やり取りする場合もあります。

これらを順に確認すれば、多くの場合は原因が分かり対応につながります。必要なら再発行や再送を依頼しましょう。

源泉徴収票がもらえないときの具体的な対処法

1) まずは前職の会社へ連絡

最初に会社に問い合わせるのが基本です。連絡先は人事部・総務部・経理・給与担当、または小規模なら社長や事務担当者に当たります。電話やメールで構いませんが、記録を残すためにメールか書面(内容証明を含む)をおすすめします。

2) 問い合わせ時に伝える項目(例)

  • 氏名(旧姓があれば併記)
  • 生年月日
  • 在籍期間(入社・退職日)
  • 送付先住所
  • 必要な年度(例:2024年分)
    これらを伝えれば、担当者が該当書類を特定しやすくなります。

3) 再発行の依頼方法

紛失や未着の場合も再発行を依頼できます。電話で事情を伝えて、メールや書面で正式に依頼してください。数日から数週間で郵送されることが多いです。急ぐ場合は到着希望日を伝え、速達や手渡しを相談します。

4) 会社が対応しない・連絡が取れないときの相談先

  • 税務署:確定申告の方法や代替書類の扱いについて相談できます。
  • 労働相談窓口(都道府県の労働局など):発行拒否や会社とのトラブルに関する助言を受けられます。
  • 弁護士や労働組合:対応が難しい場合に検討します。

5) 証拠を残すことが大切

問い合わせ記録(送信メール、通話記録、内容証明など)を保存してください。確定申告や失業手続きで必要になったとき、代わりの証拠として役立ちます。

困ったときは早めに動き、税務署に相談しながら進めると安心です。

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