はじめに
本調査の目的
本調査は、退職届をメールで送付する際に使えるテンプレートや例文、マナーや注意点を分かりやすくまとめたものです。実務で迷いやすいポイントを具体例で示し、受け取り側に誤解を与えない書き方を目指します。
想定読者
退職を考えている社員、管理職、または人事担当者を対象としています。初めて退職届をメールで出す方でも使えるよう、段階的に説明します。
本稿で扱う内容
- メール送付の法的位置づけと伝え方の段階
- 退職届の例文と状況別テンプレート
- 送付時のマナーや注意点
使い方の目安
まずは本文で基本を理解し、例文を自分の状況に合わせて調整してください。重要な点は、受け取り手への配慮と記録を残すことです。必要に応じて、口頭や書面での正式な手続きを補うことをおすすめします。
注意事項
各社の規定や労働慣行が異なります。社内の就業規則や人事担当者に確認しながら活用してください。
メール送付の法的位置づけと段階的アプローチ
法的位置づけ
退職の意思表示は、法律上は口頭やメールでも有効です。労働契約法などで「退職の意思は明確に伝えれば足り、通常は14日前に通知すればよい」とされています(具体的な日数は契約や就業規則で確認してください)。
ただ、社会人の一般的なマナーとしては、可能なら書面で手渡しすることが望まれます。書面は誤解を避け証拠にもなるため、後の手続きがスムーズになります。とはいえ急用や対面が難しい場合は、メールでの連絡も実務上問題ありません。
段階的アプローチ(おすすめの進め方)
- 面談依頼のメールを送る
- まずは「相談したいことがあるので面談の時間を頂けますか」と簡潔に依頼します。例:「お時間をいただけますでしょうか。業務についてご相談したいことがございます。」
- 面談で直接意志を伝える
- 面談時に退職の意向を丁寧に伝えます。口頭で伝えた後、理由や希望する退職時期を明確に伝えると誤解が減ります。
- 退職届(書面)を提出する
- 面談後に正式な書面を手渡し、同時にメールで送付しておくと安心です。書面が難しければ、メール本文に要点を整理して添付または本文送信します。
- 緊急時のメール直送
- 急を要する場合は、面談が組めないままメールで退職意志を伝えても構いません。その際は「面談希望」と明記し、受領確認を求めると確実です。
退職届メールの例文と基本構成要素
必須記載事項
- 退職希望日(最終出勤日)
- 提出日(メール送信日)
- 所属部署・氏名
- 宛先(上司・人事など)
基本構成要素(順序例)
- 挨拶と名乗り
- 退職の意思表示(明確に)
- 退職希望日
- 退職理由(簡潔に)
- 引継ぎや業務対応の姿勢
- 感謝の言葉
- 署名(部署・氏名・連絡先)
例文1:面談依頼(退職を相談したいとき)
件名:退職に関する面談のお願い
いつもお世話になっております。部署の氏名です。退職についてご相談したく、面談の機会をいただけますでしょうか。ご都合の良い日時をお知らせください。よろしくお願いいたします。
例文2:退職意思を伝えるメール
件名:退職のご報告(氏名)
お世話になっております。○○部の氏名です。私事で恐縮ですが、一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたしたくご報告申し上げます。引継ぎは責任を持って行います。これまでのご指導に感謝申し上げます。
例文3:理由を記載する場合(簡潔)
私事ではありますが、家庭の事情により退職を決意いたしました。詳細は面談でご説明いたします。```
### 例文4:健康上の理由
医師の診断に基づき療養が必要となったため、業務継続が困難と判断し退職を希望いたします。診断書の提出が必要であればお知らせください。“`
例文5:正式な退職届を本文に記載するテンプレート
退職届
提出日:○年○月○日
氏名:○○ ○○
所属:○○部
退職希望日:○年○月○日
理由:一身上の都合により
以上
例文6:シンプルな退職届メール
件名:退職届提出(氏名)
お世話になっております。○○部の氏名です。添付の退職届をもって、○年○月○日付で退職いたします。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
各例は状況に応じて調整してください。退職理由は簡潔にし、引継ぎの姿勢を示すと受け取りやすくなります。メール本文に正式な退職届を記載する場合は、提出日と署名を忘れないでください。
メール送付時の重要なマナーポイント
件名は短く明確に
件名は一目で用件が分かるようにします。例:「退職届(氏名)」「退職のご報告/氏名・退職希望日」。日付や「至急」など不要な語は避け、相手が開封する優先度を判断しやすくします。
本文の基本構成(簡潔に)
- 挨拶と名乗り(誰が送っているか明確に)
- 退職の意思と退職希望日(簡潔に)
- 感謝の言葉(具体例を一つ二つ)
- 引継ぎや業務対応の簡単な方針
- 対面での相談を希望する場合はその旨
- 連絡先と署名
短く分かりやすい文章を心がけ、詳細は面談で詰める旨を伝えます。
送付タイミングと宛先の注意
まず直属の上司に直接伝えるのが望ましいです。どうしてもメールで送る場合は業務時間内に送信し、忙しい時間帯や退社時間直前は避けます。宛先は最小限にし、人事宛が必要かどうか事前に確認します。
添付ファイルと書面の扱い
会社のフォーマットがあればそれに従い、署名済みのPDFを添付します。後で確認できるように自分の控えも保存します。重要書類は誤送信に注意して添付先を再確認してください。
言葉遣いと表現のマナー
感情的な表現や批判は避け、礼儀正しく書きます。退職理由は簡潔に触れる程度に留め、詳細は面談で話す旨を伝えます。敬語と能動的な表現で責任ある印象を残します。
送付後のフォロー
受領確認をお願いし、面談日時や引継ぎの具体日程を調整します。返事がない場合は数日後に確認の連絡を入れます。最後まで丁寧に対応して信頼を維持します。


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