退職届と退職願の違いを徹底解説!書き方のポイントも紹介

目次

はじめに

目的

この章は、本資料の目的と使い方をやさしく伝えます。退職届と退職願・辞表などの違いや、正しい書き方、提出時のマナーまでを整理してお伝えします。初めて退職届を作る方にも分かりやすくまとめました。

対象読者

  • 退職を考えている会社員
  • 退職届の書き方に不安がある方
  • 人事担当で書類の取り扱いを確認したい方

本書の構成と読み方

各章で一つずつテーマを扱います。第2章は書類の違い、第3章以降は実際の書き方(フォーマット、日付、手書きかパソコンか、縦横書き、封筒、理由の書き方)を順に説明します。必要な箇所だけを参照しても使えるように作っています。

注意点

会社の就業規則や慣例によって扱いが異なる場合があります。まずは直属の上司や人事に相談することをおすすめします。

退職届と退職願の根本的な違い

概要

退職届は「退職意思の通知書」で、退職が確定した後に提出する正式な書類です。文末は事実を報告する形で「退職いたします」と記します。退職願は「退職の願い出」で、会社の承認を得るために使い、文末は「お願い申し上げます」などの願い表現を用います。

目的とタイミングの違い

  • 退職届:退職の意思を確定させ、会社に正式に通知するために出します。退職日が決まっているときに適します。
  • 退職願:まず相談し、承認を得たいときに使います。まだ調整中の段階で提出することが多いです。

書き方の表現差

  • 退職届の結び例:「退職いたします。」「よろしくお願いいたします(事実報告寄り)。」
  • 退職願の結び例:「何卒ご承認賜りますようお願い申し上げます。」「ご許可くださいますようお願い申し上げます。」

実務上の使い分けの目安

円満退職を目指すならまず退職願で相談し、承認後に退職届を出す流れが一般的です。急な事情や退職を既に決めている場合は、退職届を提出する場合もあります。

注意点

就業規則や会社の慣例を確認してください。形式や提出時期で社内の印象が変わることがあります。必要なら上司と事前に話しておくと安心です。

退職届の基本フォーマットと必須項目

はじめに

退職届に必要な項目は「日付」「宛名」「表題」「本文」「氏名(署名)」の5つです。本章では各項目の書き方と配置、注意点をやさしく丁寧に説明します。

日付

用紙の右上に作成日または提出日を記載します。和暦でも西暦でも構いませんが、本文で退職日を明記するので、ここは提出日を書くのが一般的です。例:令和〇年〇月〇日

宛名

会社の正式名称と代表者の役職・氏名を明記し、敬称は「殿」を使います。用紙の左上寄りに書くことが多いです。例:〇〇株式会社 代表取締役社長 山田太郎 殿

表題

用紙の中央に大きめに「退職届」と書きます。見やすくすることで書類の目的が一目で分かります。

本文

要点だけを簡潔に書きます。定型例を一つ挙げます:
「私儀 一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。」
退職日、所属部署名を本文または署名の上に記載します。感謝の言葉は短くて構いませんが、冗長にならないようにします。

氏名(署名)と印

用紙の下部に所属部署名とフルネームを記載し、氏名の横または下に実印または認印を押します。署名は手書きが望まれますが、会社の規程に従ってください。

その他の注意点

  • 用紙は白無地のA4や便箋が一般的です。丁寧に清書してください。
  • 日付や退職日を二重に書かないように注意します。
  • 提出前に上司や人事の指示に沿っているか確認しましょう。

以下は簡単な配置例です(行頭揃えなどは会社の慣習に合わせてください)。

令和〇年〇月〇日

〇〇株式会社 代表取締役社長 山田太郎 殿

退職届

私儀 一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。

〇〇部 山田花子 (印)

日付の記載方法

基本ルール

退職届には「提出日」と「退職日」の2つを記入します。提出日は実際に書類を渡す日付、退職日は上司と合意した最終出勤日や就業終了日です。会社の規定があればそれに従ってください。

西暦と和暦の書き方例

  • 西暦:2025年6月1日
  • 和暦:令和7年6月1日
    どちらでも差し支えありませんが、社内の書類で統一されている場合は同じ形式に合わせます。

記載の具体例(用紙上の書き方)

  • 提出日:2025年6月1日
  • 退職日:2025年7月31日(最終出勤日)
    退職日が未確定の場合は「○年○月○日(予定)」と記載し、確定後に改めて提出します。

即日退職や早期退職の場合

即日退職なら退職日に提出日と同じ日付を記入します。会社と合意できない場合は、退職日の扱いについて人事へ確認してください。

注意点

  • 書式はシンプルに。日付に曜日は必須ではありません。
  • 日付を書き換えないよう、訂正が必要な場合は新しい書面で提出します。

以上を守れば、日付の記載で混乱を招くことが少なくなります。

手書きかパソコンか

結論

退職届は基本的に手書きが望ましいです。法律上はパソコンで作成しても有効ですが、署名欄は必ず自筆にしてください。自筆の署名があることで印象がよく、トラブルを避けやすくなります。

手書きのメリット

  • 誠意が伝わりやすい。上司や人事に好印象を与えます。
  • 書き損じや訂正が少ないと丁寧さが伝わります。
  • 会社の慣習で手書きを求められることが多いです(例:小さい会社や年配の上司がいる職場)。

パソコン作成のポイント

  • 署名欄は手書きにする。印刷のままでは署名として弱いと判断されることがあります。
  • 用紙はA4、フォントは明朝やゴシックで読みやすくする。
  • 書式は会社の指定があればそれに従う(例:タイトルの位置や提出日)。

実務的な注意点

  • 用いるペンは黒のボールペンや万年筆が無難です。鉛筆や消えやすいインクは避けましょう。
  • 訂正は二重線で訂正印を押す方法を使う会社もありますが、書き直した方が無難です。
  • コピーを取って自分の控えを残してください。

提出方法のコツ

  • 可能なら直接手渡しで、相手に一言添えて渡します(「本日付で退職届を提出いたします」など)。遠隔の場合は簡易書留で送ると安心です。

縦書きと横書きの形式

縦書きの場合

  • 丁寧な印象を与えます。和文書式を重んじる場面に向きます。
  • 日付:用紙の右上に記載します(例:令和○年○月○日)。
  • 宛名:会社名と代表者名を右側に縦書きで記載します(例:株式会社○○ 代表取締役 山田太郎様)。
  • 表題:用紙の中央に大きめに「退職届」と縦書きで記載します。
  • 本文:簡潔に退職の意思を記載します(例:私事で恐縮ですが、一身上の都合により退職いたします)。
  • 署名欄:左下に所属部署と氏名を縦書きで書き、捺印します。部署名も忘れずに記載します。

横書きの場合

  • カジュアルまたは国際的な場面で使いやすいです。
  • 日付:用紙の右上に横書きで記載します。
  • 宛名:左上に会社名と代表者名を横書きで記載します。
  • 表題:中央に「退職届」と太めに大きく書きます。
  • 本文:丁寧な文面で退職の意思を述べます。箇条書きは避けて一文でまとめると読みやすいです。
  • 署名欄:右下または文末に所属部署・氏名を記入し、押印します。

書き方のポイント

  • 用紙はA4が一般的です。手書きの場合は読みやすい字で丁寧に書きます。
  • どちらの形式でも、日付・宛名・表題・本文・署名(押印)は必須です。
  • 迷ったら縦書きを選ぶと無難です。

封筒の書き方

はじめに

退職届を入れる封筒は、見た目と書き方で礼儀を示します。ここでは具体的な書き方とマナーをやさしく説明します。

表面の書き方

  • 封筒の中央に大きめの文字で「退職届」とだけ書きます。受取人(宛名)は書きません。
  • 文字は読みやすい太めの筆跡で、黒インクが無難です。
  • 封筒の向きは封を上にした状態で中央に書くと分かりやすいです。

例:
(中央に)退職届

裏面の書き方

  • 左下に所属部署と氏名をフルネームで記載します。部署名→氏名の順が一般的です。
  • 連絡用に電話番号や内線を書くこともありますが、社内のルールに合わせてください。

例:
企画部 山田太郎

封の仕方

  • のりでしっかり封をします。封がしっかりしていることが重要です。
  • のり付けした中央に「〆」と書きます。これで封を開封済みでないことを示します。
  • セロハンテープや事務用のテープで止めるのは避けるのがマナーです。

封筒の種類・色・ペン

  • 白無地の封筒が正式で落ち着きます。A4を折らずに入れるなら角形2号、折って入れるなら長形3号が一般的です。
  • ペンは黒のボールペンや万年筆を使うと丁寧に見えます。

注意点チェックリスト

  • 表面:中央に「退職届」だけ
  • 裏面:左下に所属と氏名(フルネーム)
  • 封:のりで封し中央に〆、テープは使わない

これらを守れば、見た目も礼儀も整った封筒で退職届を提出できます。

退職理由の書き方

基本の考え方

退職届の理由は簡潔で丁寧に書きます。自己都合の場合は「一身上の都合」とだけ記載すれば十分です。会社への不満や詳細な事情は書かないでください。余計な言葉はトラブルの元になります。

具体的な記載例

  • 自己都合(簡潔)
    「一身上の都合により退職いたします。」
  • 自己都合+退職日を明記する例
    「退職日:20XX年X月X日
    退職理由:一身上の都合により退職いたします。」
  • 健康上の理由を示す場合(必要なら)
    「一身上の都合(健康上の理由)により退職いたします。」

会社都合や特別な事情がある場合

会社側の都合であれば「会社都合により退職いたします」と記載する場合があります。雇用形態や手続きによって文言は変わるので、会社の人事担当と相談してください。

注意点

  • 感情的な表現や批判は避けます。
  • 詳細が必要と言われた場合でも、簡潔に事実だけ伝えます。
  • 提出前に日付・宛名・署名を確認してください。

以上の点を守れば、退職届の退職理由は失礼なく伝えられます。

第9章: まとめ

退職届は退職願と違い、退職が承認された後に提出する正式な通知書です。本書で説明したポイントを押さえると、相手に失礼なくスムーズに手続きを進められます。

  • 提出のタイミング:退職が承認された後に提出します。会社の規定がある場合はそれに従ってください。
  • 記載すべき5項目:日付、宛名(会社名・代表者名)、氏名、退職日、退職理由(簡潔)を正確に書きます。
  • 文面の作り方:簡潔で丁寧に。感謝の一言を添えると印象が良くなります(例:「在職中はお世話になり、ありがとうございました。」)。
  • 形式と作成方法:縦書き・横書きは会社の運用に従う。基本は手書きですが、パソコン作成も可。パソコン作成時は署名欄のみ手書きにします。
  • 封筒と渡し方:封筒表に宛名と自分の名前、封かんはきちんと行い、上司や総務に直接手渡しするのが望ましいです。

最終チェックリスト:誤字脱字、日付の間違い、宛先の正確さ、署名の有無、控えの保存。これらを確認してから提出してください。

以上を守れば、相手に配慮したきちんとした退職届になります。丁寧さを忘れず、最後まで円満に手続きを進めましょう。

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