退職届を即日提出する際に知るべき全知識ガイド

目次

はじめに

調査の背景

本レポートは「退職届 即日」に関する実務的な疑問に答えるために作成しました。退職を急ぐ方が増える中で、法的な基礎知識と実務上の注意点を整理する必要があると考えました。

本レポートの目的

退職の意思を即日に伝える場合の選択肢や、退職届の書き方・提出方法、退職後に必要な手続きを分かりやすく示します。専門用語はなるべく避け、具体例を交えて説明します。

想定する読者

・すぐにでも退職を考えている方
・退職届の書き方が分からない方
・会社と話し合う際のポイントを知りたい方

本書の構成と使い方

第2章で法的な基礎を説明し、第3章以降で実践的な方法や書式、提出の手順、退職後の手続きを順に解説します。必要な箇所だけ読み進めても理解できるように章ごとに独立させています。

即日退職の法的基礎知識

要点

雇用期間が定められていない場合、民法第628条により原則として退職の意思表示から2週間を経過すると退職が成立します。ただし、会社の合意や健康上の理由、パワハラなどのやむを得ない事情があるときは即日退職が認められる可能性があります。

民法第628条の意味

この条文は労働者も使用者も一方的に契約を終わらせられるが、相手に準備期間を与えるため2週間の予告期間を設けています。例外として「やむを得ない事由」があれば直ちに退職できます。

即日退職が認められやすい例

・急な入院や重い病気で出勤不能
・継続的なパワハラや暴言で安全が脅かされる
・賃金未払いが長期間続くとき
具体的には診断書、メール記録、同僚の証言などで事情を示すと有利です。

実務上の注意

まず退職の意思を文書で残し、証拠を集めてください。会社が拒否しても法的に争う余地がありますが、労働基準監督署や弁護士に相談することを勧めます。

退職の意思を即日で伝える3つの方法

1) 直属の上司に直接手渡しで伝える

最も礼儀正しく伝わりやすい方法です。出社して直接会える場合は、静かな場所で短く用件を伝えます。事前に退職届(簡潔な書面)を用意し、日付・氏名・「本日付で退職します」と明記して手渡します。受け取った日時を書いてもらうか、上司の氏名を控えると後の証拠になります。感情的にならず、事実のみを伝えてください。

2) メールやFAXで送信して証拠を残す

対面が難しい場合はメールやFAXが便利です。件名は「退職のご連絡(即日)」、本文は氏名・日付・即日退職の意思・引継ぎについての簡潔な説明にします。送信後は送信済みフォルダや送信表の控えを保存し、受信確認を求める一文を添えるとよいです。例文:
「本日付で退職いたします。つきましては本日をもって勤務を終了したく、ご確認ください。」

3) 内容証明郵便で確実に記録を残す

法的に強い証拠になります。内容証明は同文の書面を3通作り、郵便局を通して送ります(差出人控えと配達証明を受け取れます)。会社が受け取りを拒否しても送達の事実が残るためトラブル回避に有効です。急を要する際や対立が予想される場合に有効ですが、手続きや影響が大きくなることもあるため、可能なら労働相談窓口や弁護士に相談してください。

どの方法でも、記録を残すことが重要です。感情的な表現は避け、事実を簡潔に伝えると後の対応がスムーズになります。

退職届の書き方と記載例

基本の書式

  • 表題:退職届
  • 宛先:会社名と代表者名(例:株式会社○○ 代表取締役 ○○ ○○ 様)
  • 冒頭:私事/私儀で始める
  • 本文:退職の意思を明確に「退職いたします」と記載
  • 退職日:具体的な日付を明記(例:2025年12月1日)
  • 退職理由:「一身上の都合」でも可。やむを得ない事情がある場合は具体的に記載し、診断書などを添付するとよいです。
  • 末尾:日付・氏名・押印

記載例(一般)

退職届
私事
私儀、別紙の通り一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたします。
令和○年○月○日
住所:○○
氏名:○○(印)

記載例(即日退職・やむを得ない場合)

退職届
私事
私儀、一身上の都合により、本日(令和○年○月○日)をもって退職いたします。健康上の理由のため、診断書を添付します。
令和○年○月○日
住所:○○
氏名:○○(印)

書き方のポイント

  • 日付は希望する退職日を正確に書く
  • 理由は短く明確にする(詳細は別途説明可)
  • 書面は手書きが望ましいが、事情がある場合は印刷でも差し支えありません
  • コピーを自分で保管し、証拠として添付書類がある場合は一緒に保管してください

法的根拠の記載

必要に応じて労働基準法や就業規則への言及で正当性を補強できます。専門家に相談しながら記載することをおすすめします。

退職届の提出方法と実務的なポイント

提出方法の選び方

直接渡すか郵送するかは事情で判断します。急ぎや対面での誤解回避が重要なら直接提出、証拠を残したいなら郵送が向きます。

直接提出の手順

  • 場所とタイミング:人目の少ない落ち着いた場所で、勤務時間の始業直後や昼休み後など上司が落ち着いている時間を選びます。
  • 伝え方:簡潔に「退職届を提出します」と伝え、手渡します。感情的にならず事実を述べます。
  • 控えの確保:受領印をもらした控えを一枚用意し、日付と上司名を記入してもらってください。

郵送の手順

  • 方法:簡易書留、配達記録、あるいは法的に確実な内容証明郵便を利用します。発送控えと追跡番号を必ず保管してください。
  • 封筒の書き方:宛先(会社名・部署・担当者名)を明記し、自分の住所・氏名も書きます。中に控え用の返信用封筒を入れると受領確認がスムーズです。

実務的なポイント

  • 有給や最終出社日:可能なら翌日から有給希望を伝え、就業規則や上司と調整します。
  • 引継ぎ:最低限の引継ぎメモを用意し、後任や上司に渡します。
  • 証拠保存:退職届のコピー、受領印、郵便の控え、送付メールなどをスキャンして保管してください。

注意点

  • 口頭だけで済ませないようにし、書面での提出と受領記録を残してください。
  • 就業規則に特別な手続きがあればそれに従ってください。

退職後に必要な手続きと書類

即日退職が成立したら、必要な手続きを早めに進めます。ここでは、受け取り・申請・保管の流れを分かりやすく説明します。

最終給与の確認と受け取り

  • 最終給与、残業代、有給の消化精算を確認します。支払日と金額を会社に確認してください。振込を希望する場合は口座情報を速やかに伝えます。未払いがあれば書面で請求しましょう。

退職金・賞与の手続き

  • 退職金の対象か、支払方法や時期を確認します。会社から申請書の提出を求められることが多いので、案内に従って必要事項を記入します。

取得すべき主な書類

  • 離職票(雇用保険の手続き用)
  • 源泉徴収票(翌年の確定申告や転職先で必要)
  • 在職証明書・雇用期間証明
  • 健康保険資格喪失証明・雇用保険被保険者証

会社への依頼方法(メール例)

  • 件名:退職に伴う書類・最終給与の請求
  • 本文:氏名、社員番号、退職日、送付先住所、振込口座、連絡先を明記して送ります。返信用封筒の同封をお願いすると郵送がスムーズです。

公的手続きのポイント

  • 離職票を受け取ったらハローワークに行き、失業保険の受給手続きをします。健康保険は国民健康保険へ加入するか、家族の扶養に入る手続きを行ってください。年金の記録確認も忘れず行います。

保管と問い合わせのコツ

  • 受け取った書類はスキャンして保管します。やりとりはメールで残すと安心です。担当者名と連絡先を控えておきましょう。

必要な手続きは多いですが、一つずつ着実に進めれば問題なく完了します。何を優先するか分からなければ、まず最終給与と離職票の確認をおすすめします。

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