在職証明書, 例でわかる正しい書き方と申請手続きのポイント

2025 9/27

はじめに

「在職証明書の書き方がわからない」「どの項目を書けばいいの？」と悩んでいませんか？　本記事は、在職証明書の具体例やテンプレート、依頼文の例、記載項目、発行手続きの注意点、必要になる場面、テンプレート入手方法までをわかりやすくまとめたガイドです。

特に転職や住宅ローン、ビザ申請などで在職証明書を求められる機会は多く、正確で読みやすい書類が必要になります。本シリーズは全9章で構成し、基礎から実践までを順を追って解説します。読みたい部分だけ参照して使えるよう、テンプレートや依頼文の例も用意しました。

この記事を読めば、在職証明書の作成や発行依頼を迷わず進められるようになります。まずは第2章で在職証明書の基本を確認しましょう。

在職証明書とは何か

定義

在職証明書は、会社がその社員の在籍や勤務状況を公式に証明する書類です。会社に在籍している事実や入社日、勤務形態などを第三者に伝えるために用います。転職、住宅ローン、保育園申請などで提出を求められることが多いです。

呼び名と違い

在籍証明書は「在籍証明」「在職証明」「就労証明書」とも呼ばれます。一般的に役割や記載項目に大きな違いはなく、用途に応じて名称が変わるだけと考えてよいです。

誰が発行するか

人事部や総務部が担当することが多く、担当上司が証明する場合もあります。会社の判子や担当者の署名が付くのが一般的です。

使われる具体例

転職：内定先が在籍を確認するため
住宅ローン：金融機関が勤務を確認するため
保育園・奨学金：在職や就労の証明が必要な場合
ビザ申請：滞在目的で勤務実態を示す場合

有効期間と注意点

多くは発行日から数か月以内を求められます。休職や産休の状態は正確に記載してもらいましょう。個人情報が含まれるため、提出先を明確にして依頼してください。

簡単な手続きの流れ

社内の様式に必要事項を記入して申請し、人事が内容を確認して発行します。発行に数日かかることがあるので、余裕を持って依頼してください。

在職証明書に記載される主な項目

在職証明書には決まった様式はありませんが、一般的に次の項目が記載されます。用途に応じて必要な項目を付け加えるとよいです。

氏名・住所・生年月日
申請者を特定する基本情報です。例：山田太郎、東京都○○区、1990年1月1日。
入社年月日・雇用形態
入社日と正社員・契約社員・派遣などの区分を明記します。
勤務地・勤務日数・勤務時間
勤務先の支店や主な就業場所、週の出勤日数や始業・終業時刻を記載します。
職種・業務内容・役職
職務の具体例を書きます（例：営業、経理、店舗管理）。役職があれば肩書も明記します。
給与・手当
月給・年収や各種手当の有無を示します。金額を示す場合は明確に。
契約期間・就業状況
有期契約や休職中の旨があれば記載します。
会社名・所在地・発行者・社印・発行日
会社の正式名称や発行を担当した部署・担当者名、社印と発行日が必要です。
用途に応じた特記事項
ローン申請やビザ申請など特定の用途がある場合、必要な文言を加えます。

記載は簡潔に、事実に即して書くと受理されやすくなります。必要な項目は事前に受取先に確認してください。

在職証明書の記載例・テンプレート

在職証明書の基本フォーマットと、実際に使える記載例を紹介します。必要な項目は前章で説明した通りですが、ここでは書き方のイメージを具体的に示します。

1）形式（項目一覧）

証明書のタイトル（在職証明書）
会社名・会社住所・電話番号
発行日
社員氏名・生年月日・住所
雇用形態・所属部署・役職
入社年月日・勤務場所・勤務時間
職務内容の要約
給与（任意）
代表者名・捺印

2）記載例（正式）

在職証明書
発行日：2025年4月1日
株式会社○○○○
（住所・電話）

氏名：山田太郎　生年月日：1985年1月1日
住所：東京都○○区○○町1-1-1

当社において、山田太郎は2015年4月1日より正社員として入社し、現在は営業部に所属し課長として勤務しています。勤務場所は本社、標準的な勤務時間は午前9時から午後6時です。主な職務は既存顧客の管理および新規開拓です。

（給与欄が必要な場合はここに月額または年収を記載）

代表取締役　佐藤花子（印）

3）記載例（簡易・ワンポイント）

在職証明書
発行日：2025年4月1日
氏名：山田太郎
在職期間：2015年4月1日〜在職中
所属：営業部／課長
勤務時間：9:00〜18:00
（会社名・代表者名・印を忘れずに）

4）テンプレート利用時の注意点

会社の正式名称や住所は最新のものを使用してください。
署名や押印が必要かどうか、提出先の指定を確認してください。
個人情報は最小限にし、第三者に渡す場合は本人の同意を取ります。
WordやPDFテンプレートはネットで入手できます。ダウンロード後、会社の書式に合わせて修正してください。

以上の例を参考にして、自社の様式や提出先の要件に合わせて作成してください。必要であれば、テンプレートのWord版・PDF版サンプルもご用意します。

在職証明書の依頼文・申請書の例

在職証明書は会社に発行を依頼します。ここではメールと書面それぞれのポイントと例文を示します。

依頼時のポイント

発行理由：目的（例：住宅ローン申請、ビザ申請）を明確にします。
必要項目：氏名・社員番号・所属部署・在職期間・記載希望項目（給与、役職など）を記載します。
提出期限：いつまでに必要か具体的に伝えます。
連絡先：電話・メールを明記し、質問があれば連絡できるようにします。

メール例文

件名：在職証明書発行のお願い（氏名）
宛先：人事部　ご担当者様
本文：
いつもお世話になっております。営業部の山田太郎（社員番号1234）です。住宅ローン申請のため在職証明書の発行をお願いしたくご連絡しました。記載内容は「在職期間、役職、年収（源泉徴収票の代わりとして）」で、提出期限は○月○日です。お手数ですがPDFでの発行を希望します。ご不明点は090-xxxx-xxxxまたはyamada@example.comまでご連絡ください。よろしくお願いいたします。

書面（申請書）例

在職証明書発行申請書
氏名：
社員番号：
部署：
発行理由：
必要記載事項：
提出期限：
連絡先：
提出日：
署名：

注意点

申請は余裕をもって行いましょう。
個人情報の取り扱いに配慮し、必要最小限の情報に留めます。

発行手続きと注意点

発行依頼の方法

在職証明書の発行は、メールや所定の申請書で依頼します。まず社内の規定や担当部署（人事・総務など）を確認してください。窓口がオンライン申請の場合は、指定のフォームに従って入力しましょう。

依頼時に伝えるべき項目

依頼目的（例：ローン申請、ビザ申請）、希望する証明書の種類（原本／写し）、氏名、社歴（入社日・在職期間）、連絡先を明記してください。特記事項があれば依頼時に指示を添えます。

発行にかかる時間と余裕

発行には数日から一週間程度かかることが多いです。繁忙期や確認事項がある場合はさらに日数が必要になりますので、余裕をもって依頼してください。

社印・署名と社内ルール

社印や発行責任者の署名が必要かは会社によります。押印・署名の有無、手続きの承認フローを事前に確認し、必要書類を揃えてから申請してください。

受け取り方法と取り扱い

原本を郵送するか、PDFで受け取るかを確認します。原本が必要な場面では速達や書留を利用してください。個人情報が記載されるため、受け渡しと保管は慎重に行います。

発行を依頼する際の注意点

提出先の指定がある場合はその指示に従い、記載内容に誤りがないかを必ず確認してください。修正が発生すると再発行に時間がかかるため、依頼前に内容を確認すると手続きがスムーズになります。

在職証明書が必要となる場面

転職・採用時

転職先の企業は在職中か退職済みかを確認するため在職証明書を求めることがあります。給与や勤務期間を確かめる目的で、入社後の雇用条件調整に使われます。

住宅ローンや賃貸契約

金融機関は返済能力を判断するため、賃貸業者は入居可否の判断材料として在職証明書を求めます。年収や雇用形態（正社員・契約社員など）が記載されるとスムーズです。

保育園・幼稚園の申請

保育の利用調整や優先度判定で、保護者の就労状況を証明する書類として使います。勤務時間や勤務日数の記載が求められる場合があります。

外国人の在留資格申請

在留資格変更や更新で、日本で実際に就労していることを証明する目的で必要です。職種や雇用形態、雇用期間が重要になります。

行政手続きや助成金の申請

育児・介護休業給付、失業給付、助成金などで雇用実態を確認するために提示を求められます。

その他（クレジット、留学ビザ、学校・研修の証明など）

借入審査や留学先の滞在費審査、研修機関の在籍証明など、雇用状況を裏付ける目的で使われます。

発行の際の注意点

提出先の指定フォーマットや署名・社印の有無、有効期限の確認をしてください。必要な項目がそろっていないと再発行が必要になることがあります。

テンプレートやサンプルの入手方法

無料のWordやPDFテンプレートがインターネット上で多数入手可能です。依頼先や提出先が指定するフォーマットがある場合は、それに従うことが重要です。以下では入手先と探し方、使うときの注意点をわかりやすく整理します。

入手先（主な例）

会社の人事・総務ポータル：社内で指定テンプレートを配布していることが多いです。
自治体・公的機関サイト：証明書の様式が公開されているケースがあります。
Office公式テンプレートやテンプレート配布サイト：Word・PDF形式でダウンロードできます。
求人・転職サイトや就職支援サイト：在職証明に特化したサンプルを掲載している場合があります。
社会保険や会計ソフトのベンダーサイト：書式例を紹介していることがあります。

探し方のコツ

検索キーワードに「在職証明書テンプレート Word PDF」「会社名在職証明書サンプル」などを使います。
提出先が指定する場合は必ずそのフォーマットを優先します。
複数のサンプルを見比べ、必要項目が揃っているか確認します。

使うときの注意点

必須項目（氏名、在職期間、役職、発行日、発行者名など）が抜けていないか確認します。
社印や署名、電子署名の有無を確認して準備します。
個人情報の取り扱いに注意し、不要な情報は掲載しないでください。
ダウンロードしたテンプレートは改ざんせず、正しい情報で記入します。
保存は元ファイルを残し、編集履歴を分かりやすく管理します。

必要に応じて社内の担当者へテンプレートの確認や発行方法を相談してください。提出先の要望に合わせて調整することで手続きがスムーズになります。

まとめ

在職証明書は、用途に合わせて記載内容を柔軟に調整することが大切です。以下の点を押さえて準備しましょう。

目的を明確にする：提出先や用途（ローン、ビザ、住居など）を最初に確認します。
必要項目を揃える：氏名、在職期間、役職、給与情報の有無など基本項目を確認します。
正確に依頼する：社内の総務や人事に、必要な期限と形式（原本・コピー・電子）を伝えます。
テンプレート活用：依頼文や記載例を使うと誤りが減り発行が速くなります。
保管と提出：発行後は原本の保管方法と提出先の取り扱いを確認します。

これらを実践すれば、正確で迅速な発行につながります。分からない点は早めに担当窓口へ相談してください。