はじめに
この文書の目的
このガイドは、アルバイト勤務者でも在職証明書が発行できることを前提に、その発行方法や必要な記載項目、依頼のコツや注意点をわかりやすくまとめたものです。職場や証明が必要な場面で迷わないように、具体例を交えて説明します。
誰に向けた案内か
アルバイトやパートで働く方、雇用先に在職証明を依頼する必要がある方、また人事担当者や店長など発行を担当する方にも役立ちます。
本章で伝えること
まずは全体の構成と目的を示します。続く章で、在職証明書の具体的な記載内容、発行手順、よくある疑問や注意点、そして依頼文の例まで順に解説します。なお、アルバイトでも在職証明の発行は可能です。したがって、必要になったら早めに職場へ相談してください。
在職証明書とは？アルバイトでも発行できる理由
在職証明書とは
在職証明書は、企業が従業員の在籍事実を証明する書類です。会社名、在籍期間、役職や雇用形態などが記載され、正式なものは代表者の押印や企業の社印が付されます。提出先により求められる項目は異なります。
アルバイト・パートでも発行できる理由
法的に「雇用されているかどうか」は雇用形態で変わりません。正社員・アルバイト・パートの別にかかわらず、企業は在籍の事実を証明できます。特に書類の趣旨が「在籍確認」であれば、勤務日数や契約形態を明記して発行することが一般的です。
名称や形式の違い
提出先によっては「在職証明書」ではなく「在籍証明書」「勤務証明書」「雇用証明書」と呼ばれることがあります。内容や署名の形式は提出先の要望に合わせて調整します。
用途の例
就職活動、住宅ローン、在留資格申請、各種手続きで求められます。アルバイトでも証明が必要な場面は多いため、必要に応じて会社に相談してください。
在職証明書の主な記載項目
基本情報
氏名・性別・生年月日・現住所は本人確認に使います。正確な表記で記載してください。
入社・雇用情報
採用年月日、雇用期間（期間雇用なら開始・終了日）、雇用形態（正社員・契約社員・アルバイト・パート等）を明記します。試用期間や契約更新の有無がある場合はその旨も書きます。
勤務内容と地位
職種や担当業務、職場での役職や地位（例：担当、主任、店長代行など）を具体的に記します。業務範囲を短く補足すると用途に応じた証明になります。
勤務形態・時間
勤務曜日（固定・シフト）、勤務日数、1日の就労時間、平均月間労働時間や残業の有無を記載します。扶養やローン申請ではこれらが重要です。
勤務地と給与
主な勤務地（支店名や住所）、給与支給総額（手取りではなく総支給を明記するのが一般的）や支払日、賞与の有無等を記載します。
その他の必要事項と証明印
提出先の指定フォーマットに合わせた項目（社員番号や所属部署）や会社の代表印・担当者署名、発行日を忘れずに入れてください。誤字脱字があると証明力が下がりますので確認をおすすめします。
在職証明書発行の手順と依頼方法
準備するもの
- 社員氏名、社員番号（ある場合）、在職期間、役職・雇用形態（正社員・アルバイト等）
- 提出先の指定フォーマットや記載項目、提出期限、提出先の連絡先
- 返信用封筒（郵送を希望する場合）や証明書用紙、本人確認書類のコピー（必要時）
依頼の流れ（実践的な手順）
- 提出先に必要項目と形式を確認します。どの項目が必須か、会社の様式があるか尋ねます。
- 勤務先の担当部署（人事・総務など）へ電話かメールで依頼します。電話で簡単に要件を伝し、必要書類はメールで送るとスムーズです。
- 証明書用紙や返信用封筒が必要なら、あらかじめ送付します。郵送先や宛名を明記してください。
- 依頼時に必ず伝えること：提出理由、提出先名、提出期限、指定の記載項目、受取方法（郵送・手渡し）と連絡先。
- 発行後は内容を確認し、誤りがあれば速やかに訂正を依頼します。
依頼時の伝え方（例）
「在職証明書の発行をお願いしたくご連絡しました。提出先は○○で、提出期限は○月○日です。必要な記載は在職期間・役職・雇用形態です。郵送で受け取り希望のため、返信用封筒を同封します。」
注意点
- 余裕をもって依頼してください。発行に数日〜数週間かかる場合があります。
- 社内手続きや個人情報の取扱いルールに従います。発行手数料がある場合は事前に確認してください。
在職証明書発行時の注意点とよくある疑問
概要
在職証明書は会社が正式に発行する公的書類です。本人が作成した文書は原則無効で、担当部署の作成と押印（または電子署名）が必要です。
発行時の主な注意点
- 発行者を確認：総務、人事、または経理が担当することが多いので、事前に担当部署を確認してください。
- 押印・署名：社印や担当者の署名がないと受け付けられない場合があります。デジタル化が進む企業では電子署名のケースもあります。
- 退職後の書類：退職後に求める場合は「在籍期間証明書」と呼び、記載項目や書式が在職中の書類と異なることがあります。
- テンプレート利用：WordやPDFのテンプレートを会社が用意していることが多く、必要に応じて勤務形態や期間などをカスタマイズできます。
- 個人情報保護：発行には本人確認が必要です。第三者への交付は本人の同意や委任状が求められることがあります。
よくある疑問（Q&A）
Q1: アルバイトでも発行してもらえますか？
A1: はい。就労実績が確認できれば発行可能です。雇用形態により記載内容が異なる場合があります。
Q2: 発行にどれくらい時間がかかりますか？
A2: 通常は数日以内ですが、繁忙期や確認事項が多い場合は1週間以上かかることがあります。余裕をもって依頼してください。
Q3: 手数料はかかりますか？
A3: 企業によって異なります。無償のところもあれば、発行部数や郵送を理由に有料の場合があります。
Q4: 内容に誤りがあったら？
A4: 速やかに担当部署へ連絡し、訂正してもらってください。修正後は再押印が必要になることが多いです。
Q5: 急ぎで必要な場合は？
A5: 事情を説明して優先発行を依頼します。対応は会社次第なので事前確認が重要です。
発行依頼文の書き方例は第7章で紹介します。必要事項を整理して、余裕を持って依頼してください。
在職証明書が必要となるケース
在職証明書を求められる場面は意外と多く、用途によって求められる内容も変わります。代表的なケースをわかりやすく説明します。
転職・就職活動時
内定後の雇用確認や、採用手続きで提出を求められます。勤務期間や職種、雇用形態（正社員・契約・アルバイト）を確認するための書類です。
住宅関連（賃貸・住宅ローン）
賃貸契約の際、家主や保証会社が収入や勤務先の安定性を確認します。住宅ローンでも審査資料として在職確認が必要です。
在留資格やビザ申請
外国人の在留資格取得・更新で、現在の雇用内容や継続性を示すために在職証明書が求められます。
実務経験や資格申請
資格取得や業務委託先への提出で、実務経験や勤務実績を示すときに使います。派遣や契約業務の確認にも必要です。
公的手続き・助成金・年金関係
失業給付、助成金、年金の手続きなどで勤務の事実や期間を証明する場合があります。
学校・奨学金・研修
進学や研修、奨学金申請で在職している事実や就業内容の確認を求められることがあります。
その他（銀行・保険・契約）
融資やクレジット契約、保険の手続きで勤務先の確認が必要になる場合があります。
依頼する際は、提出先が何を確認したいかを伝えてください。求められる項目（雇用期間、職種、勤務形態、給与の有無、事業所住所など）を事前に確認するとスムーズです。
発行依頼文の例とポイント
依頼文の基本構成
- 作成年月日：文書の先頭に記載します。
- 宛名：担当部署や担当者名を明記します。
- 要件（件名）：一目で分かる短い表題を付けます。
- 前文：依頼の背景や理由を簡潔に述べます。
- 主文：在職証明書の発行を具体的に依頼します（必要な記載事項、期限、受取方法）。
- 末文：感謝と連絡先を記載します。
- 依頼者情報：氏名・連絡先・社員番号（あれば）。
記載例（メールでの依頼・アルバイト）
2025年10月27日
宛先：人事部 ご担当者様
件名：在職証明書発行のお願い（アルバイト 山田太郎）
いつもお世話になっております。アルバイトの山田太郎です。下記の内容で在職証明書の発行をお願いいたします。
・必要な記載事項：雇用形態（アルバイト）、勤務期間（2023年4月〜現在）、職種、勤務時間
・希望受取方法：PDFをメールで受領
・希望期限：2025年11月10日
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
山田太郎
連絡先：090-xxxx-xxxx
記載例（書面での依頼・正式）
作成年月日、宛名、前文、主文、末文をきちんと整え、押印が必要な場合は忘れずにお願いします。
作成時のポイント
- 必要項目を箇条書きにして担当者が確認しやすくします。
- 受取方法と期限を明確に伝えます。
- テンプレートや雛形を添付すると担当者の負担を軽くできます。
- 個人情報の取り扱いに配慮し、不要な情報は省きます。
- 返信や問い合わせ先を必ず書きます。
状況に合わせて文面を簡潔に調整し、礼儀正しく依頼してください。
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