はじめに
「源泉徴収票ってどうやって作ればいいの?」
「どこに何を書けばいいのか分からない…」
「提出っていつ・どこに出すのが正しいの?」
そんなふうに感じていませんか。
源泉徴収票は、毎月の給与や賞与から差し引いた所得税の合計額をまとめた大切な書類で、年末調整や転職時、確定申告のときにも必ず必要になります。
ただ、実際に作成しようとすると、項目の名前が分かりにくかったり、どの数字をどこに書くのか迷ってしまう方も多いです。
この記事では、源泉徴収票の作り方を、最初の準備から記入の手順、提出までの流れに沿って、一つひとつ順番にお伝えしていきます。
実際に手元で書類を見ながら進められるように、「この欄にはどの数字を入れるのか」「どの資料を見ればいいのか」といった具体的なポイントも丁寧に解説します。
初めて作成する方でも、途中で迷わず最後まで進められるようにまとめていますので、ぜひ手元の資料を用意しながら読み進めてみてください。
源泉徴収票の作成方法の流れ

源泉徴収票は、いきなり書き始めるのではなく、「必要な情報を揃える→金額を計算する→用紙に記入する→内容を確認する」といった順番で進めることで、ミスなく短時間で作成できます。
ここでは、実務で迷わないように、実際の作業の流れを3〜5ステップに分けて具体的に解説します。
作成の全体手順|5ステップ
源泉徴収票は、年末調整で確定した数値をもとに、決まった順番で転記・確認するだけで作成できます。
やることは「集計→確認→記入→照合→提出」の流れに分かれており、各ステップで扱う数字と書類を揃えて進めることが重要です。
ステップ①:年間の支払額を集計する
1月1日から12月31日までに支払った給与と賞与を、給与台帳や支払明細をもとに1円単位で合計します。給与・賞与の支払日ベースで集計し、未払い分は含めません。
ステップ②:年末調整の確定数値を確認する
社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除などを反映した「課税対象額」と「所得税額」を、年末調整後の確定値として確認します。ここは再計算せず、確定済みの数値をそのまま使います。
ステップ③:源泉徴収票へ転記する
支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額を、それぞれ対応する欄へ正確に記入します。あわせて氏名・住所・マイナンバー・扶養人数などの個人情報も誤字なく記入します。
ステップ④:台帳と照合して最終確認する
給与台帳と突き合わせて、金額のズレ(±1円でも)や記入漏れがないかを確認します。特に「支払金額」と「源泉徴収税額」は一致チェックを行います。
ステップ⑤:交付・提出用を作成する
内容に問題がなければ、従業員用を1部交付します。同時に、税務署提出用・市区町村提出用として同一内容の帳票を作成し、それぞれの提出先へ提出します。
源泉徴収票の書き方|記入のポイント

源泉徴収票は項目ごとに書き方のルールが決まっており、支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額などをそれぞれ正しく対応させて記入する必要があります。
どれか一つでも数字や区分を間違えると税額や年末調整の結果に影響するため、主要な記入項目ごとの書き方をまとめて確認しておくことが重要です。
源泉徴収票の主な記入項目の書き方
源泉徴収票は、各項目ごとに「どの数字をそのまま転記するか」を整理すると一気に分かりやすくなります。以下で項目ごとに確認します。
■支払金額
・1月1日〜12月31日までの給与+賞与の合計
・給与台帳ベースで1円単位で記入
■給与所得控除後の金額
・支払金額 − 給与所得控除額
・年収ごとの控除額を適用した計算結果をそのまま記入
■所得控除の額の合計額
・社会保険料控除+生命保険料控除+扶養控除などの合計
・年末調整で確定した金額をそのまま転記
・各控除証明書の金額と一致させる
■源泉徴収税額
・課税所得に対する所得税+復興特別所得税の合計
・年末調整後の確定額をそのまま記入
■扶養関連(人数欄)
・控除対象配偶者の有無
・扶養親族の人数
→ 扶養控除等申告書の内容をそのまま転記
■氏名・住所・個人番号
・住民票どおりに1文字ずつ記入
・数字の桁(マイナンバー12桁)を必ず確認
■最終チェック
・給与台帳と金額一致(±1円もズレなし)
・控除額は証明書と一致
・個人情報は原本資料と照合
源泉徴収票の作成方法|記入例で実際の書き方イメージを確認

ここまでの記入ポイントを踏まえても、実際にどの欄にどの数字を書き込むのかがイメージできないと手が止まりやすくなります。
そこで、具体的な数値を使った記入サンプルを見ながら、各項目がどのように埋まっていくのかを一つずつ確認していきます。
源泉徴収票の記入サンプル
年間給与4,500,000円・社会保険料650,000円・生命保険料80,000円・扶養1人のケースで、実際の記入内容をそのまま当てはめて確認します。
■支払金額
4,500,000円
(1月1日〜12月31日の給与+賞与の合計)
■給与所得控除後の金額
3,060,000円
(給与所得控除を差し引いた後の金額)
■所得控除の額の合計額
1,210,000円
(内訳:社会保険料650,000円+生命保険料80,000円+基礎控除480,000円)
■課税対象額
1,850,000円
(3,060,000円 − 1,210,000円)
■源泉徴収税額
92,000円
(所得税+復興特別所得税の合計)
■扶養・配偶者欄
・控除対象配偶者:なし(空欄)
・扶養親族の数:1人
■氏名・住所・個人番号
・氏名:住民票どおりに漢字で記入
・住所:都道府県から番地・建物名まで省略なし
・個人番号:12桁を1桁ずつ確認して記入
■ポイント
各欄はすべて「計算済みの数値をそのまま対応欄に転記する」だけで記入します。
源泉徴収票の作成方法のよくあるミスと注意点

源泉徴収票は一つひとつの数値や区分に明確なルールがあるため、入力ミスや計算のズレがあると、そのまま税額の誤りや再発行につながります。
実際の作成現場でも起こりやすい間違いを事前に把握しておくことで、手戻りや修正対応を防ぐことができます。
ここでは、特に見落としやすいポイントを具体的に確認していきます。
作成時に間違えやすいポイント
源泉徴収票は、1つの入力ミスがそのまま課税所得と税額に反映されます。よくあるズレは「どこを間違えると、いくらズレるか」で確認すると防げます。
■給与所得控除後の金額を間違える
・ミス:4,500,000円のまま記入(控除前の金額)
・正:3,060,000円
→ 課税所得が約1,440,000円多く計算される
→ 税額が数万円単位で増加
■所得控除の合計を入れ忘れる
・ミス:650,000円(社会保険料のみ)
・正:1,210,000円
→ 課税所得が560,000円多く計算される
→ 税額が増加
■扶養親族の数を間違える
・ミス:0人で記入
・正:1人
→ 扶養控除380,000円が反映されない
→ 課税所得が380,000円増加
■個人情報の記入ミス
・ミス:マイナンバー12桁のうち1桁違い
→ 提出後に訂正・再発行が必要
→ 再提出の手間が発生
■最終チェックで見落とす
・ミス:給与台帳と金額不一致(±1円でもズレ)
→ そのまま誤った税額で提出される
■対処
・すべて「計算済みの数値」をそのまま転記する
・給与台帳と1円単位で一致確認する
・控除証明書と金額を照合する
・人数(扶養)は申告書と一致させる
源泉徴収票の作成方法の提出・交付の流れ

源泉徴収票は作成して終わりではなく、税務署や市区町村への提出、従業員への交付まで含めて一連の手続きが完了します。
提出期限や提出先、紙・電子それぞれの渡し方を正しく押さえておかないと、期限遅れや渡し漏れにつながるため、具体的な流れを確認しておくことが重要です。
提出先と交付方法
源泉徴収票は、「従業員・税務署・市区町村」の3つに対して、それぞれ提出・交付を行います。提出先ごとに期限と対象が異なるため、分けて確認します。
■従業員への交付
・期限:1月31日まで
・交付数:1人につき1部
・形式:紙またはPDF
※退職者は退職日から1か月以内に交付
■税務署への提出
・期限:1月31日まで
・提出物:法定調書合計表+源泉徴収票
・提出先:所轄税務署
・対象:年間給与500万円超など条件該当者のみ
■市区町村への提出(給与支払報告書)
・期限:1月31日まで
・提出先:各従業員の住所地の市区町村
・対象:全従業員分(人数分すべて)
・方法:紙提出または電子申請
■注意点
・3つとも同じ内容のデータを使用する
・金額や個人情報のミスはすべての提出先に影響する
・提出前に給与台帳と完全一致(±1円なし)を確認する
まとめ
源泉徴収票の作成は、年間の給与総額と控除額を正確に集計し、その計算結果を各項目へそのまま転記する流れで進めます。
支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の合計額、源泉徴収税額はすべて連動しているため、1円単位で数値を合わせて記入することが重要です。
また、扶養人数や個人番号などの情報もそのまま税額や提出内容に影響するため、記入後は必ず給与台帳や申告書と照合して確認します。
作成した源泉徴収票は、1月31日までに従業員へ交付し、同時に税務署と市区町村へ提出する必要があります。ここで内容に誤りがあると、再提出や訂正対応が発生するため、作成段階での確認がそのまま手間の削減につながります。
このように、計算済みの数値を正確に転記し、提出前にすべて突き合わせて確認することが、源泉徴収票作成で失敗しないための基本です。


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