はじめに
「試用期間中なら、その日のうちに辞めても大丈夫なの?」と不安になっていませんか。
「“14日以内なら即日退職できる”と見かけたけど、本当に今日辞めると伝えるだけで終わるのか分からない」
「入社して数日しか経っていないのに、“もう辞めたい”と思ってしまって気まずい」
「求人内容と実際の仕事内容や勤務時間が違っていて、このまま続けるべきか迷っている」
「“2週間前に言わないとダメ”と言われて、何が本当なのか分からなくなってきた」
そんなふうに、試用期間中の退職を調べ始めると、「14日以内」「即日退職」「2週間ルール」など似た話が多く、混乱してしまう方は少なくありません。
実際は、「試用期間だから必ず即日退職できる」というわけでも、「14日を過ぎたら絶対に辞められない」というわけでもありません。
この記事では、試用期間中でも即日退職できるケースや、14日ルールが誤解されやすい理由、会社へ伝えるときの注意点まで、順番にわかりやすく整理していきます。
試用期間でも即日退職できるの?

「試用期間なら今日辞めると言えばそのまま退職できる」と思われがちですが、実際は“入社何日目か”だけで自由に即日退職できるわけではありません。
特に「14日以内なら無条件で辞められる」という情報だけを見て判断すると、会社との認識がズレてトラブルになるケースもあります。
ここでは、試用期間中の即日退職が法律上どう扱われるのかを整理したうえで、「一方的に辞められるケース」と「会社の合意が必要になるケース」の違いを具体的に解説します。
入社14日以内でも一方的な即日退職は原則できない
試用期間中でも、「入社14日以内なら今日伝えればすぐ辞められる」という意味ではありません。民法627条では、期間の定めがない雇用契約の場合、退職を申し出てから14日経過すると雇用契約が終了するとされています。
そのため、「今日で辞めたい」と伝えても、会社が同意しない限り、その日のうちに雇用関係が終わるとは限りません。試用期間中でも、基本的には退職意思を伝えた日から14日後までは在籍扱いになるのが原則です。
即日退職は会社の合意がある場合に限られる
試用期間中にその日のうちで退職するには、会社側の同意が必要です。たとえば、「今日付で退職で大丈夫です」「もう出社しなくて問題ありません」と会社が了承した場合は、即日退職として進むことがあります。
一方で、自分だけで「今日辞めます」と伝えただけでは、原則としてその日のうちに雇用契約は終了しません。そのため、即日退職を希望する場合は、「本日付で退職扱いにできるか」を会社へ確認し、了承を得ながら進めることが大切です。
自己都合退職の原則|2週間前ルールとは?

試用期間中であっても、「辞めたいと思ったその日で自動的に退職できる」というわけではありません。
正社員や契約期間の定めがない雇用では、自己都合退職に関する基本ルールとして“退職の意思を伝えてから2週間後に雇用契約が終了する”という考え方があります。
ここでは、民法上の2週間ルールの内容と、試用期間中にどう適用されるのかを具体的に整理していきます。
民法上は2週間前の申告が必要
期間の定めがない正社員や契約社員は、民法627条により、退職を伝えてから14日経過すると雇用契約が終了する扱いになります。
たとえば、5月1日に退職意思を伝えた場合、最短で5月15日に退職となるイメージです。そのため、会社が同意していない状態で「今日で辞めます」と伝えても、原則として即日退職にはなりません。
基本的には、「退職を伝えた日から2週間後」が退職日の目安になります。
試用期間でもこのルールは基本的に同じ
試用期間中でも、期間の定めがない雇用契約であれば、退職ルールは通常の正社員と基本的に同じです。
そのため、入社して数日でも、「試用期間だから今日すぐ辞められる」という扱いにはなりません。原則としては、民法627条に基づき、退職意思を伝えてから14日後に退職となります。
試用期間だからといって、2週間前ルールが自動的になくなるわけではない点は確認しておきたいポイントです。
「14日以内なら自由に辞められる」は誤解

SNSや検索結果では「試用期間の14日以内なら即日で辞められる」と説明されていることがありますが、この“14日ルール”は本来、会社側が従業員を解雇する場合に関係する規定です。
そのため、「入社から14日以内なら、労働者も自由に即日退職できる」という意味ではありません。
ここでは、14日ルールが何を指すのかを整理したうえで、自己都合退職とはどのように違うのかを具体的に解説します。
14日ルールは会社側の解雇に関する規定
「入社14日以内なら即日退職できる」と言われることがありますが、この“14日”は、労働基準法21条にある会社側の解雇ルールに関する規定です。
具体的には、入社14日以内の社員を会社が解雇する場合、30日前予告や解雇予告手当が不要になることがある、という内容です。
つまり、この規定は「会社側の解雇」についてのルールであり、「本人がその日に辞められる権利」を定めたものではありません。「14日以内=自由に即日退職できる」という意味ではない点は整理しておきたいポイントです。
自己都合退職とは別のルールである
入社14日以内のルールは、会社側が従業員を解雇する場合の条件を定めたもので、労働者側の自己都合退職とは別の話です。
自己都合退職は民法627条に基づいて判断されるため、期間の定めがない雇用契約では、原則として退職を伝えてから14日後に退職となります。
そのため、「入社14日以内なら自由に即日退職できる」という考え方は、解雇のルールと自己都合退職のルールが混ざっている状態といえます。
試用期間で即日退職が認められるケース

試用期間中でも、すべてのケースで「2週間は必ず出勤しなければならない」と決まっているわけではありません。
実際には、会社側が即日退職に同意した場合や、働き続けることが難しい事情がある場合には、その日のうちに退職扱いになるケースもあります。
ここでは、試用期間中でも即日退職が認められやすい代表的なケースを具体的に整理していきます。
会社が同意した場合
試用期間中でも、会社が同意すればその日のうちに退職できることがあります。
たとえば、「本日付で退職処理します」「明日から出社しなくて大丈夫です」と会社側が了承した場合は、合意退職として即日で雇用契約が終了します。
この場合は、民法627条の14日ルールよりも、会社と本人の合意内容が優先されます。そのため、即日退職を希望する場合は、一方的に判断するのではなく、まず会社へ相談して了承を得ながら進めることが大切です。
やむを得ない事情がある場合
試用期間中でも、体調不良や強い精神的負担など、勤務継続が難しい事情がある場合は、即日退職が認められることがあります。
たとえば、医師から休養を勧められている場合や、出勤自体が難しい状態になっている場合は、通常どおり働き続けることが現実的ではないと判断されるケースもあります。
そのため、こうした事情がある場合は、状況を会社へ丁寧に伝えながら退職手続きを進めることが大切です。
即日退職したい場合の現実的な進め方

「もう出勤したくない」「今日で辞めたい」と感じていても、実際の退職手続きは会社との調整を含めて進める必要があります。
ここでは、試用期間中に即日退職へ近づけるための現実的な進め方を、実際の流れに沿って具体的に解説します。
まずは退職日を相談する
即日退職を希望する場合は、「今日で辞めます」と一方的に伝えるのではなく、まずは退職希望日を会社へ相談する形で進めることが大切です。
たとえば、「できるだけ早く退職したい」と希望を伝えたうえで、出社継続が難しい事情を説明し、会社側と退職日を調整していきます。
会社が了承すれば、即日退職や短期間での退職として進むこともあります。そのため、退職意思だけでなく、「いつ頃退職したいのか」まで整理して伝えることがポイントです。
有給や欠勤で調整する
すぐに出社を止めたい場合は、退職日までを有給休暇や欠勤で調整する方法もあります。
たとえば、退職日を2週間後に設定し、その間を有給で消化できれば、実際には出社せず退職日を迎えられることがあります。
また、有給が残っていない場合でも、会社と相談しながら欠勤扱いで調整するケースもあります。
この方法なら、退職ルールを守りながら、実質的には早めに勤務を終えやすくなります。
どうしても難しい場合の対応
どうしても出社継続が難しい場合は、退職意思を口頭だけで終わらせず、メールや書面でも残しておくことが大切です。
そのうえで、退職希望日や出社継続が難しい状況を会社へ伝えながら、手続きを進めていきます。
また、制服・社員証・PCなどの貸与品についても、返却方法を確認しながら進めておくと、その後のトラブルを避けやすくなります。
即日退職したい場合のトラブルを避けるための注意点

試用期間中にすぐ辞めたい気持ちが強くなると、「もう連絡せずに行かないほうが早いのでは」と考えてしまうこともあります。
しかし、無断欠勤や連絡なしの退職は、会社側との認識違いや書類未処理につながりやすく、離職票・給与・貸与物返却などで後からトラブルになるケースがあります。
ここでは、試用期間中でも余計な揉め事を避けながら退職するために、最低限押さえておきたい注意点を具体的に整理していきます。
無断欠勤はリスクが高い
退職意思を伝えないまま出社を止めてしまうと、会社側から無断欠勤として扱われる可能性があります。
連絡がない状態が続くと、就業規則に基づいて処理が進むこともあるため注意が必要です。
そのため、出社が難しい場合でも、退職意思や今後の対応については、できるだけ早めに会社へ伝えておくことが大切です。
退職意思は記録に残す
退職意思を伝えるときは、口頭だけで終わらせず、メールや書面でも残しておくことが大切です。
たとえば、退職希望日を含めて連絡しておけば、「聞いていない」といった認識違いを防ぎやすくなります。
また、電話で伝えた場合も、そのあとにメールなどで内容を整理して残しておくと、退職日や連絡日時を確認しやすくなります。
最低限の対応は行う
即日退職を希望する場合でも、貸与品の返却や会社からの連絡には、できる範囲で対応しておくことが大切です。
たとえば、PC・制服・社員証などの返却方法を確認し、必要最低限のやり取りを行っておけば、退職手続きを進めやすくなります。
連絡がまったく取れない状態になると、会社側との認識違いが起きやすくなるため、短いやり取りでも返答を残しておくと安心です。
まとめ
試用期間中でも退職はできますが、「入社14日以内なら今日すぐ辞められる」という意味ではありません。原則としては、退職意思を伝えてから2週間後に退職となります。
ただ、会社が了承した場合は即日退職できることもあり、体調不良などで出社継続が難しい場合は、退職日を柔軟に調整してもらえるケースもあります。
そのため、大切なのは「無理に出社を続けるか」だけではなく、「会社とどう調整するか」を落ち着いて考えることです。
また、退職を伝えずに突然連絡を絶ってしまうと、無断欠勤として扱われる可能性があります。できるだけ、退職意思はメールなど記録が残る形でも伝え、貸与物の返却など最低限の対応は進めておくと安心です。
「もう続けるのが難しい」と感じた場合でも、まずは退職希望日や今の状況を整理しながら、会社へ順番に伝えていくことが、トラブルを避けながら退職を進めるポイントになります。


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