退職日当日に知っておきたい会社と本人の対応ポイント

目次

はじめに

目的

本資料は、退職日当日に会社側と退職者側が行うべき具体的な手続きや対応を分かりやすくまとめたガイドです。退職日当日の対応は、その後の保険手続きや給付、引き継ぎの円滑さに直結しますので、事前の準備と当日の確認が重要です。

対象読者

  • 企業の人事・総務担当者
  • 退職を控えた社員
  • 退職手続きを初めて行う人

本資料で扱う内容(章立ての概略)

  • 第2章:会社側が退職日に準備すべきこと(回収物、入退室管理、最終給与の確認など)
  • 第3章:退職翌日以降に必要な社会保険・雇用保険の手続き
  • 第4章:退職者が当日までに行うべき準備とその後の手続き
  • 第5章:退職直後に受け取る重要書類の確認(離職票、源泉徴収票など)

注意点

企業によって手続きや書類の扱いが異なります。まずは社内の就業規則や人事担当へ相談してください。本資料は一般的な流れを示すもので、個別の法的判断が必要な場合は専門家に相談することをおすすめします。

会社側が退職日当日に行うべき準備と対応

はじめに

退職日当日は、本人も会社も気持ちよく区切りをつけられるよう準備が重要です。ここでは会社側が実施すべき6つのステップと、当日回収すべき物品を分かりやすく説明します。

1. 業務の引き継ぎ確認

引き継ぎ資料の有無、作業の進捗、引き継ぎ先の担当者を最終確認します。口頭での確認だけでなく、チェックリストに署名をもらうと安心です。

2. 貸与品・健康保険証の回収準備

ノートパソコン、スマートフォン、USB、社員証、入館カード、健康保険証などを回収するためのリストと窓口を用意します。回収時に受領印をもらう運用にすると紛失防止になります。

3. 必要書類の準備

最終給与明細、雇用保険関係の案内、退職証明書(要請があれば)などを準備します。渡す書類は封筒にまとめ、渡し方(手渡し、書留)を決めておきます。

4. 経費精算の確認

未精算の立替金や未申請の経費がないか確認します。領収書があるか、清算方法と締切日を伝え、精算完了までの担当者を明示します。

5. 社内外への通知

必要な範囲で社内関係者(チーム、総務、IT)に退職を知らせ、アカウント停止や入退室権限の変更スケジュールを共有します。取引先へは担当変更の案内文を準備します。

6. 郵送やその後の対応準備

退職後に郵送が必要な書類や未回収物の手続き方法を決めます。転居先や連絡先が変わる場合は、本人に確認を取り、対応方法を記録します。

当日回収すべき主な物品(具体例)

  • 社員証・入館カード・名刺(回収後は無効化・廃棄)
  • 会社支給のPC、スマホ、USB、周辺機器
  • 鍵類(ロッカー・机・建物の鍵)
  • 健康保険証・制服・作業着

運用上の注意点

回収・確認は必ず対面で行い、受領印や署名を求めます。私物と会社物の区別を明確にし、疑義があれば写真やリストで記録してください。最終給与や保険に関する説明は丁寧に行い、本人が不安を残さないようにします。

退職日翌日以降の社会保険・雇用保険手続き

手続きの期限と提出先

退職日の翌日から数えて、社会保険(健康保険・厚生年金)の資格喪失届は5日以内に年金事務所へ提出します。雇用保険の資格喪失届と離職証明書は10日以内にハローワークへ提出します。会社が提出するのが原則です。

会社が行う具体的手順

1) 資格喪失届の作成:退職日・被保険者番号を正確に記入します。保険証が会社で回収されているか確認します。
2) 離職証明書の作成:離職理由や賃金の記載が必要です。離職理由は給付に影響するため正確に記入してください(例:自己都合、会社都合)。
3) 提出方法:オンライン(事業所向けの手続きシステム)、郵送、またはハローワークや年金事務所への持参で提出します。期限内の提出を優先します。

書類の内容と注意点

  • 離職証明書の賃金欄は直近6か月の賃金を基に記載します。誤記があると給付の遅れや再確認が発生します。
  • 資格喪失届の未提出や遅延で、被保険者の手続きに支障が出ます。会社は速やかに処理する責任があります。

退職者が確認すべきこと

  • 保険証を会社が回収したか、退職日が正しく記載されているか確認してください。
  • 離職証明書の離職理由や賃金の欄を確認し、誤りがあれば速やかに会社に修正を依頼してください。
  • 失業給付を受ける予定なら、ハローワークへの申請に必要な書類が揃っているか確認します。

会社側の迅速な対応が退職後の手続きを円滑にします。書類の内容は従業員の生活に直結しますので、丁寧に確認しましょう。

退職者側が退職日当日までに実施すべきこととその後の手続き

概要

退職前にやるべき準備を整理します。有休の処理、貸与物の返却、引継ぎ、役所での手続き期限(国民年金は退職翌日から14日以内、健康保険の任意継続は20日以内)を押さえます。

退職日当日までに実施すべきこと

  • 有給の消化・申請:申請はメールや書面で記録を残してください(例:有給申請メールのスクリーンショット)。
  • 私物整理:ロッカーやデスクの私物を持ち帰ります。
  • 貸与物品の返却準備:会社支給のスマホ、PC、IDカード、作業着などをまとめ、返却リストを作成します。
  • 引継ぎ資料の作成:業務フロー、担当者連絡先、未処理タスクを明確にします。
  • アカウント・データ整理:個人データの取り出し、クラウドのログアウトを行います。

退職後に必要な手続き(期限付き)

  • 国民年金の切替(退職翌日から14日以内):市区町村役場で国民年金への加入手続きをします。必要書類は離職票や年金手帳、本人確認書類です。
  • 健康保険の任意継続(退職日から20日以内):会社の健康保険を継続する場合は保険者へ申請します。メリット・負担額を確認してください。
  • 雇用保険・失業給付の準備:離職票を受け取り、ハローワークで手続きを行います。

その他の確認事項

  • 連絡先の更新(年金事務所、銀行など)
  • 給与・源泉徴収票や退職金の受領方法の確認

期限と書類を事前にメモし、一つずつ確実に進めてください。

退職直後に会社から受け取る重要書類の確認

離職票

離職票は雇用保険の給付(失業手当)申請に必須です。会社がハローワークへ提出し、届いたものを受け取ります。確認ポイント:氏名・生年月日・離職日・離職理由が正しいか。記載ミスがあると給付開始が遅れるので早めに確認してください。

健康保険資格喪失証明書

健康保険の資格喪失日が記載された書面です。国民健康保険へ加入する際や医療費控除の手続きで使います。保険証が返却されているかも確認しましょう。

退職証明書

退職年月日や勤続期間が証明された書類です。転職先や年金手続きで求められることがあります。勤務期間・役職名などが正しいか確認してください。

源泉徴収票

その年の給与や税額が記載された重要書類です。年末調整や確定申告で必要になります。紛失しないよう原本を大切に保管してください。

受け取り時の注意点(チェックリスト)

  • 書類は原本で受け取る
  • 氏名・住所・日付に誤りがないか確認
  • 受領印や署名が必要か確認
  • 写真やコピーを控えとして保存
  • 不明点は担当者にその場で確認

これらの書類は国民年金・国民健康保険・雇用保険などの手続きで必要になります。受け取り後は速やかに内容を確認し、不備があれば勤務先へ連絡してください。

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