就業規則の内容を詳しく解説!企業が押さえるべき基本知識

目次

はじめに

本記事の目的

本記事は、就業規則の基本をわかりやすく伝えることを目的としています。企業が就業規則を作成・見直すときに押さえておきたい定義や役割、作成義務、記載すべき項目、労働条件との違い、退職に関する規定まで、日常の業務で使える情報をまとめています。

想定する読者

  • 人事担当者や経営者の方
  • 就業規則を初めて作る中小企業の経営者
  • 自分の労働条件を確認したい労働者
    専門用語は最小限にして、具体例を交えて説明しますので、初めての方でも読みやすい構成です。

本記事の構成と使い方

全7章で構成しています。まずは本章の要点をつかみ、2章以降で具体的な記載項目や作成手順を順にお読みください。実務で使う際は、社内の実態に合わせて項目を選び、必要があれば専門家に相談してください。

注意点

本記事は一般的な解説です。個別の法的助言が必要な場合は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門機関へご相談ください。

就業規則とは

定義

就業規則とは、会社が従業員に対して一方的に定める職場のルールを文書にしたものです。賃金や労働時間、休日・休暇、退職・解雇などの労働条件に加え、服務規律や安全衛生、表彰・懲戒などの規定を含みます。会社と従業員の間の共通の約束事を分かりやすく示す役割を果たします。

主な項目と具体例

  • 賃金:支払日や手当の扱いを明記します(例:家族手当や通勤手当の支給基準)。
  • 労働時間・休暇:始業・終業時刻や年次休暇の取得方法を示します(例:フレックスタイムの適用)。
  • 服務規律:服装や業務上の注意事項を定めます(例:個人情報の取り扱い)。
  • 懲戒・退職:違反時の処分や退職手続きの流れを記します。

効力と周知

就業規則は職場の基準を統一し、トラブルを減らします。法律に反する規定は無効になるため、法令に沿って作成する必要があります。作成後は従業員に分かる形で示し、変更するときは説明を行うと良いでしょう。

就業規則の役割と重要性

概要

就業規則は、会社と従業員が共通して守るルールをまとめたものです。勤務時間や休日、賃金、休暇などを明文化することで、働き方を分かりやすく示します。具体例として、始業・終業時刻や有給休暇の申請方法を記すと従業員が安心して働けます。

労働条件の明確化

明文化により日常の判断基準がそろいます。たとえば、残業手当の計算方法や深夜手当の対象時間を示せば、給与に関する誤解を防げます。ルールがあることで、同じ事柄に対して一貫した対応が可能です。

処分や配置転換の根拠になる

配置転換や時間外労働、懲戒処分を行う際に、就業規則は根拠になります。遅刻や勤務態度に対する対応基準を示すと、公平な対応がとれます。例として、遅刻の回数に応じた段階的な対応を定めると分かりやすくなります。

トラブル予防と迅速な解決

トラブルの多くはルールの不明確さから生じます。就業規則があれば事実確認がしやすく、対話がスムーズになります。給与や休暇に関する争いを未然に防ぎ、問題発生時も解決が早くなります。

職場環境の安定と信頼性

従業員にとって働きやすい環境を作る基礎です。求人や採用面接で就業規則を提示すると、会社の信頼性が伝わります。定期的に見直し、従業員に周知することが重要です。

作成義務

1. 誰に作成義務があるか

労働基準法により、常時10名以上の従業員を雇用している事業場には就業規則の作成が義務付けられています。ここでの「10名」は企業全体ではなく、事業場ごとの人数で判断します。

2. 人数の数え方(実務上の考え方)

人数には正社員だけでなく、勤務実態が継続しているパートやアルバイトも含めます。育児・病気などで一時的に休んでいる従業員でも雇用関係が続いている場合は、その事業場の人数に含めるのが一般的です。具体例:支店に常勤8名+定期的に勤務するパート2名がいる場合、その支店は10名以上となり就業規則の作成が必要です。

3. 実務で取るべき手順

  1. まず事業場ごとに現状の従業員数を確認します。
  2. 10名以上なら就業規則を作成し、書面で整備します。
  3. 作成後は従業員に周知し、閲覧できるように保管します。

4. 注意点と相談先

人員の判断や届出要否など、細かい扱いは個別に異なります。疑問があるときは最寄りの労働基準監督署や社会保険労務士に相談してください。

就業規則の記載内容

1. 絶対的必要記載事項

労基法第89条で必ず記載すべき項目です。記載がないと就業規則は無効になります。主な項目と具体例:
– 労働時間に関すること:始業・終業時刻(例:9:00〜17:30)、休憩時間(例:12:00〜13:00)、休日(例:週休2日制)、年次有給休暇の付与基準、交替制勤務の切替方法。
– 賃金に関すること:賃金の決定方法(基本給+手当)、計算方法、支払方法(口座振込など)、締切り・支払日(毎月末締め・翌月25日支払)、昇給の基準。

2. 相対的必要記載事項

事業場でルールを設ける場合に記載する項目です。例えば、遅刻・早退、欠勤の扱い、時差出勤や在宅勤務の運用ルール、育児・介護休業の細かな手続きなどを定めた場合に記載します。実務上、事業運営で必要なルールを明確にするため記載することが多いです。

3. 任意の記載事項

企業が独自に定めたい事項を自由に記載できます。例:服装規程、社内表彰制度、社員の福利厚生(社宅、通勤手当の独自ルール)、懲戒処分の細目など。法律で義務付けられない範囲を会社の事情に合わせて整備できます。

注意点

重要な変更は労働者に周知し、場合によっては労働基準監督署への届出が必要です。具体的な記載内容は業種や規模で異なるため、実務で迷ったら専門家に相談してください。

労働条件との違い

概要

就業規則は使用者が職場全体に向けて定める統一ルールです。労働条件は使用者と個々の労働者が結ぶ労働契約で明示される勤務時間・賃金などの具体的な取り決めを指します。両者は目的や適用範囲が異なります。

具体例で分かる違い

  • 勤務時間:就業規則は「始業・終業時刻や休憩、フレックスの有無」を定めます。一方で労働条件では、個別に「9時〜18時、残業は月20時間程度」などを約束します。
  • 賃金:就業規則は基本給や手当の計算方法を示しますが、労働条件では労働者ごとの給与額や支払日を明示します。
  • 休暇・休業:就業規則に基準があり、個別契約で具体的な取得方法や開始日を確認します。

実務上のポイント

  1. 就業規則は職場の“基準”です。個別の労働条件はその基準に基づきます。
  2. 労働者に不利な内容は認められにくく、就業規則と労働条件の間に矛盾がある場合は、労働者に有利な方が重視されることが多いです。
  3. 新しく入社する際は、就業規則と自分の労働条件の両方を確認してください。疑問があれば書面で確認すると安心です。

退職に関する記載

概要

就業規則に「退職に関する日数」を定めている場合、その定めが実務上優先されます。たとえば「退職願を提出して3週間経過後に退職成立」とあれば、労働基準法の2週間ルールではなく3週間が基準になります。

通知期間の取り扱い

  • 会社が就業規則で定めた期間は、従業員も守る必要があります。会社側はその期間に合わせて退職日を確定します。
  • ただし、会社の重大な違反や安全上の理由などで即時退職が必要な場合は、事由によって直ちに退職できる場合があります。

手続きの具体例

  • 退職願を提出した日を起点に日数を数えます(就業規則に「提出日から3週間後」など明記がある場合)。
  • 提出は書面で行い、受領の証拠(控え)を残すと安心です。

会社側の対応と注意点

  • 会社は就業規則に従って最終出勤日や給与、残日数の有給消化、備品返却、雇用保険の手続きなどを整えます。
  • 就業規則で長い期間を定める場合でも、合理性を欠くと労使間で争いになることがあります。

従業員が行うべきこと

  • 退職願を提出し、退職日と手続きの確認を受けること。
  • 有給休暇や最終給与、社会保険手続き、持ち物返却の確認をすること。

トラブルを避けるため、就業規則の該当条項を事前に確認し、必要なら労務担当や専門家に相談してください。

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