年金手帳の代わりに使える書類と手続き完全ガイド

2025 11/29

はじめに

本調査結果は、年金手帳の廃止に伴う代替書類や実務上の対応方法を分かりやすくまとめたガイドです。年金手帳を持っていない方や紛失した方、企業の人事担当者など、幅広い読者を想定しています。

目的

年金手帳が廃止された後に必要となる手続きや確認方法を具体的に示し、手続きの不安を減らすことを目的とします。

対象読者

年金手帳を紛失した方
新しく入社する方と人事担当者
基礎年金番号を確認したい方

この記事で学べること

年金手帳廃止の概要
基礎年金番号通知書の役割と扱い方
基礎年金番号の確認方法と再交付手続き
入社時や本人確認での対応例
ねんきんネットの活用方法

読み方の目安

急いで基礎年金番号を確認したい場合は第4章と第5章を、入社時の対応は第7章を先にお読みください。

注意点

個人情報は取り扱いに注意してください。手続きは年金事務所や勤務先の指示に従って進めてください。

年金手帳の廃止と制度変更

何が変わったか

2022年4月、日本年金機構は年金手帳の発行を廃止しました。これにより、新たに年金手帳が交付されることはありません。日常的には、年金手帳を受け取った世代と受け取らなかった世代で扱いが分かれます。

既に交付された年金手帳の扱い

以前に交付された年金手帳は引き続き有効です。年金の手続きや本人確認で提示できる場合があります。ただし、表面に記載された基礎年金番号などの情報を他の書類で確認する必要が出る場合もあります。

再交付の扱い（重要）

廃止後は、紛失や破損による年金手帳の再交付は行われません。手帳をなくした場合でも同じ書類を新たに発行してもらえない点にご注意ください。

日常生活での影響と注意点

年金手帳を持っていない・紛失した場合、年金番号の確認や手続きの方法が変わります。会社の入社手続きや市区町村での相談の際には、代わりの書類や手続きが必要になることが多いです。代替書類や再交付手続きについては第3章以降で詳しく説明します。

年金手帳の代替書類：基礎年金番号通知書

概要

年金手帳が廃止された現在、基礎年金番号通知書が代替書類として使われます。通知書には基礎年金番号が明記され、年金に関わる各種手続きで必要な情報が含まれます。年金事務所や勤務先に番号を伝えるときの証明として役立ちます。

記載されている主な項目

氏名・生年月日
基礎年金番号
発行日や通知の旨の記載
これらをもとに年金記録と照合します。専門用語は少なく、項目を見れば誰でも確認できます。

使う場面の具体例

入社時の手続きで年金番号を提出する場合
年金請求や保険者変更の際の確認用
ねんきんネットの登録で番号が必要なとき
勤務先へ原本を出す必要がある場合もありますが、書類のコピーで済むケースも多いです。

受け取っていない・紛失した場合

通知書を受け取っていない、または紛失したときは再交付の手続きが可能です。詳細な申請方法は第5章で解説しますが、まずは最寄りの年金事務所や社会保険事務所に相談してください。

保管と提出の注意点

基礎年金番号は個人情報なので厳重に保管してください。勤務先へ提出する際は、必要な範囲だけを提示し、コピーを取られる場合は管理方法を確認しましょう。スマホで写真保存する場合も、他人に見られないようロックをかけるなど対策してください。

基礎年金番号の確認方法

ねんきん定期便で確認する

毎年届く「ねんきん定期便」には基礎年金番号が記載されています。はがきや封筒を取っておき、上部や見開きの最初の方を確認してください。手元にあれば最も簡単です。

ねんきんネットで確認する

ねんきんネットにログインすると、自分の年金記録画面で基礎年金番号を確認できます。初めて利用する場合は、利用者登録や本人確認が必要です。マイナンバーカードがあれば手続きがスムーズです。

過去の雇用保険関連書類で確認する

雇用保険被保険者証や離職票など、過去に受け取った雇用保険関連書類に基礎年金番号が記載されていることがあります。保管している書類があれば目を通してみてください。

勤務先（会社の総務）に確認する

入社時に記入した年金関係の書類を会社が保管している場合があります。総務・人事に相談すれば、記録を確認して教えてくれることが多いです。本人確認のため身分証が求められる場合があります。

年金事務所へ相談する

上の方法で見つからないときは、お近くの年金事務所に相談できます。電話や窓口で対応しますが、本人確認書類（運転免許証やマイナンバーカードなど）が必要です。

基礎年金番号通知書の再交付申請手続き

基礎年金番号通知書を紛失したときは、再交付の手続きを行えます。ここでは、誰がどこで申請するか、必要書類、申請の流れ、注意点を分かりやすく説明します。

申請先

第1号被保険者（自営業・フリーランス・無職など）は、居住する市区町村役場で手続きします。窓口で相談してください。
第2号被保険者（会社員・公務員など）は、原則として勤務先を通じて年金事務所へ申請します。会社の総務・人事に相談してください。

必要書類

再交付申請書（日本年金機構の公式サイトからダウンロードできます）。
本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など）。有効期限内のものを用意してください。
氏名や住所が変更されている場合は、住民票や戸籍の書類が必要になることがあります。

申請の手順

再交付申請書をダウンロード・記入します。記載ミスがないようにしてください。
必要書類を揃え、市区町村役場の窓口へ持参するか、勤務先を通じて年金事務所へ提出します。
手続き後、指定の方法で通知書が交付されます。郵送で届く場合もあります。

注意点

代理人が申請する場合は、委任状や代理人の本人確認書類が必要になることがあります。
申請から交付まで通常、数日から数週間かかることがあります。余裕をもって手続きを進めてください。

必要な申請書は日本年金機構のサイトで入手できます。分からない点は、まず市区町村役場や勤務先の担当窓口へ相談してください。

年金手帳がなくても手続きは可能

概要

現在は基礎年金番号通知書があれば、年金手帳がなくても各種の年金手続きや入社時の届出に代用できます。通知書は番号が確認できる公式書類として扱われます。

どんな手続きで使えるか

雇用保険や社会保険の加入手続き（入社時の届出など）
年金記録の照会や加入履歴の確認
年金番号を必要とする行政手続き
具体例：入社時に年金手帳を求められた場合、基礎年金番号通知書を提示すれば多くの会社は手続きを進められます。

職場で提示を求められたら

通知書の原本を持参してください。コピーや写真で対応できる場合もありますが、会社によっては原本確認を求めることがあります。もし年金手帳をどうしても求められたら、人事担当に通知書で代用できるかを相談してください。場合によっては確認のために年金事務所に問い合わせることになります。

注意点

氏名や生年月日が現在の情報と違うと手続きが滞ることがあります。変更がある場合は事前に年金事務所で相談してください。
通知書を紛失したら再発行の手続きを行ってください。再発行申請は年金事務所で受け付けます。

必要な書類が何か分からないときは、勤務先の人事または最寄りの年金事務所に確認すると安心です。

入社時の対応

入社時は、基礎年金番号（かつての年金手帳に記載）を確認することが多く、最近はプラスチック製の基礎年金番号通知書で代替されることが増えています。通知書や番号は厚生年金への加入手続きに使いますので、入社時にスムーズに進めるためのポイントを分かりやすくまとめます。

入社前に準備すること

基礎年金番号通知書や年金手帳を探して用意します。番号だけわかれば手続きできる職場もありますが、原本を求められる場合もあります。

持参または提出するもの

基礎年金番号通知書（または年金手帳）
本人確認書類（運転免許証やマイナンバーカードなど）

紛失したときの対応

まずは再交付や年金事務所での確認を行ってください（第5章を参照）。早めに行動すると安心です。多くの会社は、事情を説明すれば番号判明後に手続きを完了できます。

会社への伝え方とタイミング

採用通知を受け取ったら、必要書類について会社の人事担当に確認しましょう。書類が間に合わない場合は事前に連絡し、提出期限や代替方法を相談してください。

入社後の流れ

会社が厚生年金や健康保険の加入手続きを行います。基礎年金番号が記入されるため、番号が不明だと手続きに時間がかかることがあります。しかし、番号が後で判明すれば追加入力で対応できます。

よくある心配事は、早めに確認・連絡することで解消できます。準備をして安心して入社日に臨んでください。

本人確認書類としての年金手帳

概要

年金手帳には氏名・生年月日・基礎年金番号が記載されていますが、顔写真がないため単独での本人確認は難しいことが多いです。多くの窓口では補助書類と併せて提示を求められます。

いつ受け付けられるか

雇用時の書類提出や年金事務において「身分を裏付ける資料」として使える場合があります。一方、銀行での口座開設や公的身分証が必要な手続きでは、写真付きの証明書を優先されることが多いです。

補助書類の例

運転免許証、パスポート、マイナンバーカード（写真付）
在留カード、住民票（原本）、戸籍謄本
健康保険証（ただしこれも写真なしなので別の書類と併用）

提出時の注意点

必ず原本を持参してください。氏名や住所が現在の記載と異なる場合は、戸籍や住民票など変更を証明する書類を用意します。また、窓口によって求められる書類は違いますので、事前に確認すると安心です。

写真付き身分証がない場合の対応

写真付きの身分証がなければ、マイナンバーカードの申請や運転免許の取得を検討してください。急ぎで手続きが必要なときは、年金事務所や申請先に相談して、どの組み合わせが認められるか確認しましょう。

不安な場合は事前に問い合わせて、必要書類を確かめてください。

ねんきんネットの活用

ねんきんネットとは

ねんきんネットは、日本年金機構が提供するオンラインサービスです。年金手帳が手元になくても、ウェブ上で年金の記録や将来の見込み額を確認できます。

ねんきんネットでできること

年金記録の確認：氏名や加入履歴が正しく登録されているか見ることができます。具体例：過去の勤務先での記録漏れがないかチェックできます。
将来の年金見込額の試算：受給開始年齢や働き方を変えた場合の見込み額を簡単に試算できます。
通知書の閲覧・ダウンロード：年金振込通知書や源泉徴収票などをオンラインで確認し、PDFで保存できます。

登録とログインの流れ

基礎年金番号や本人情報を用意します（基礎年金番号通知書や年金手帳があれば簡単です）。
ウェブサイトで利用者登録を行い、IDとパスワードを設定します。
初回ログイン後に必要な情報を入力すると利用できます。

使い方のポイント

定期的に記録を確認して、誤りがあれば年金事務所に相談してください。
通知書はPDFで保存し、紛失時の証拠として保管すると安心です。
公共の端末は避け、パスワードは他人と共有しないでください。

トラブル時の対処

ログインできない場合は、ID／パスワードの再発行手続きを行います。
記録に心当たりのない差異があれば、年金事務所に問い合わせて記録調査を依頼してください。

まとめ

年金手帳が廃止され、公式な代替は「基礎年金番号通知書」です。紛失しても、本人確認書類があれば再交付の申請ができますし、年金手帳がなくても多くの手続きは問題なく進められます。

まずは確認・保管：自宅の書類や入社時に受け取った書類を探してください。見つからなければ年金事務所や市区町村に問い合わせると案内を受けられます。
再交付の手続き：窓口で本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など）を提示して申請します。手数料が不要な場合が多いですが、詳細は窓口で確認してください。
ねんきんネットの活用：オンラインで基礎年金番号や記録、見込み額を確認できます。会員登録しておくと、年金の状況把握や手続きの準備が楽になります。
入社時の対応：会社には通知書のコピーや本人確認書類を提示してください。番号が不明な場合は、会社と相談して再交付手続きを進めましょう。

どの手続きも、慌てずに本人確認書類を用意すれば対応できます。大切なのは基礎年金番号を確認し、ねんきんネットなどで記録を管理する習慣をつけることです。