はじめに
背景
本調査レポートは、パート従業員の年金手帳に関する実務上の疑問点を整理したものです。採用時の書類として年金手帳や基礎年金番号通知書がどのように扱われるか、提出方法や紛失時の対応、厚生年金への加入条件などを中心に扱います。
本レポートの目的
採用担当者やパートの方が現場で直面する疑問に対し、具体的で実務に使える情報を提供します。たとえば「年金手帳のコピーは必要か」「紛失した場合はどうするか」といった日常的な問題に答えます。
想定読者と範囲
想定読者は中小企業の人事担当者、雇用担当者、パートで働く方です。法的細部よりも手続きの流れや実務対応を重視します。本章ではレポート全体の概要と読み方を示します。
本章の読み方
以降の章で具体的な手続きや制度変更(2022年の年金手帳廃止を含む)を順に解説します。実務で使えるチェックリストや注意点も示しますので、必要箇所を参照してください。
パート採用時の年金手帳提出について~現在の手続きと2022年の制度変更~
現在の手続きの流れ
入社時、従来は年金手帳のコピーを会社に提出しました。会社はその基礎年金番号を使い、被保険者資格取得届を年金事務所(年金機構)へ提出します。パートでも厚生年金の加入要件に該当すれば同様です。
2022年4月1日以降の変更点
2022年4月1日から年金手帳の交付が廃止され、基礎年金番号通知書が交付されます。これにより、年金手帳のコピー提出は原則不要となりました。マイナンバー(個人番号)や基礎年金番号通知書で手続きが可能になり、書類提出が簡素化しました。
年金手帳がない・紛失した場合の対応
年金手帳を紛失した場合は、基礎年金番号通知書の再交付を年金事務所で請求します。マイナンバーカードを提示できれば番号確認がスムーズです。
パート従業員の厚生年金加入と手続き後の対応
短時間勤務でも加入条件(勤務時間や労働日数、給与など)に該当すれば会社は資格取得届を提出します。手続き完了後は給与天引きで保険料が差し引かれ、年金事務所から加入者情報が届きます。
厚生年金と国民年金の関係
厚生年金に加入すると国民年金の第2号被保険者となり、第1号(自営業等)や第3号(扶養される配偶者)とは扱いが変わります。保険料や将来の年金給付の計算方法が異なるため、不明点は会社の総務や年金事務所に確認してください。


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