はじめに
目的
本資料は、退職後に前職の在職証明書を取得する方法や注意点をわかりやすくまとめたガイドです。必要な手続きや依頼文の書き方、発行までの流れなどを順を追って解説します。
対象読者
- 退職してから在職証明書が必要になった方
- 転職先や住宅ローン、各種手続きで提出を求められた方
本書の構成と使い方
全8章で構成し、発行可否や記載項目、依頼方法、注意点まで網羅します。まずは本章で全体像を把握し、必要な章を選んで読み進めてください。各章は具体例や実際の依頼のポイントを挙げ、初めての方でも対応できるよう配慮しています。
読む前の準備
依頼の際に必要となる情報(在籍期間、社員番号、退職日、連絡先など)を手元に用意しておくと手続きがスムーズです。また、依頼はメールや郵送、窓口など方法が複数ありますが、各章で利点と注意点を説明します。
この先の章で、実際の依頼文の例や発行までの目安期間、よくあるトラブルとその対処法も紹介します。安心して読み進めてください。
退職後の在職証明書発行は可能か
結論
退職後でも在職証明書は発行可能です。ただし、在職中に発行される書類と文言が異なる場合があります。退職後は「在籍していた事実」を証明する趣旨で作成されることが多いです。
法的な立場
会社に在職証明書発行の法的義務は原則ありません。企業は任意で対応します。とはいえ、本人の依頼と本人確認が行われ、記載内容に誤りがなければ発行されるケースが一般的です。
実務上のポイント
- 申請方法:郵送、メール、窓口など。企業ごとに異なります。
- 本人確認:運転免許証やマイナンバーカード等が必要です。
- 記載内容:在籍期間、役職、雇用形態など。希望があれば具体的に伝えます。
具体例
住宅ローンや再就職先の提出用に「在籍期間証明」を求められることがあります。退職日や役職を正しく記載してもらうよう、申請時に確認してください。
提案
まずは人事や総務に問い合わせ、必要書類と手続き方法を確認してください。
在職証明書に記載される項目
基本情報
- 氏名・住所・生年月日:本人確認のために記載します。例:山田 太郎、東京都新宿区、1990年1月1日。
雇用に関する情報
- 雇用開始日・在職期間:入社日と在職中または在職期間(例:2018年4月1日〜在職中、または2018/4/1〜2023/3/31)。
- 雇用形態:正社員、契約社員、派遣社員、パートなどを明記します。
- 職種・役職・勤務地:業務内容や職位、実際の勤務先(支店名や部署名)を具体的に書きます。
- 勤務時間:所定労働時間やシフトの例(9:00〜18:00、週40時間など)を記載します。
給与・収入
- 給与・年収:月給や年収、手当の有無を記載する場合があります。ローンや賃貸の申請では年収が重要です。
会社情報・業務内容
- 会社名・組織名:正式名称を記載します。
- 業務内容:担当している主な業務を簡潔に説明します(例:営業、経理、商品企画など)。
発行に関する情報
- 発行日:証明としていつ発行したかを明記します。
- 発行元の署名・捺印:人事担当者の名前・役職と会社の押印があると正式な証明になります。
記載項目は目的や企業ごとに多少異なります。必要な情報が漏れないよう、申請先の指定があればそれに合わせて依頼してください。
依頼方法と手順
準備するもの
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 在籍期間や氏名を確認できる情報
- 返信用の封筒やメールアドレス、振替用の手数料(有料の場合)
直接訪問での依頼
- 人事部や総務部の窓口へ事前に訪問時間を確認します。
- 窓口で氏名・在籍期間・発行理由を伝え、書類を提出します。
- 発行方法(手渡し・郵送・PDF送付)と受け取り日を確認します。
電話での依頼
- 会社の代表番号か人事窓口へ電話します。
- 氏名・在籍期間・発行の必要性を簡潔に伝えます。
- 書類の送付先や本人確認方法を確認し、指示に従います。
メールでの依頼
- 件名に「在職証明書発行依頼」と明記します。
- 本文に氏名、在籍期間、連絡先、送付方法を明記します。
- 添付が必要な本人確認書類は指示に従って添付します。
郵送での依頼
- 企業が郵送のみ対応する場合は、依頼文と本人確認書類の写し、返信用封筒を同封します。
- 書留や簡易書留を使うと安心です。
受け取りと確認
- 受け取った在職証明書は氏名・在籍期間・表記に誤りがないか確認します。
- 修正が必要な場合は速やかに連絡し、訂正してもらいます。
各企業で手順や必要書類は異なります。まずは人事窓口に確認し、指示に従って依頼してください。
依頼文の書き方と構成
はじめに
退職後に在職証明書を依頼する際は、依頼文を整えて伝えるとスムーズに進みます。作成年月日や宛名など基本の構成を押さえましょう。
必要な構成要素
- 作成年月日:文書の一番上に明記します。
- 宛名:人事部または担当者名を記載します。部署名だけでも可です。
- 前文:何のための依頼かを短く書きます(例:住宅ローン申請のため在職証明書の発行をお願い致します)。
- 主文:具体的な依頼内容と希望事項(記載してほしい項目や提出先)を明記します。
- 在職証明書への記載事項:在職期間、役職、雇用形態など必要な項目を列挙します。
- 末文:期日や連絡先、添付書類の有無を記載し、締めの言葉で結びます。
- 依頼者情報:氏名、旧氏名(あれば)、電話番号、メールアドレスを忘れずに。
書き方のコツ
- 短く明確に書きます。担当者が確認しやすいよう箇条書きを使います。
- インターネットでダウンロードしたフォーマットを渡し、必要項目を埋めてもらう方法が便利です。人数が多い会社では人事部で共有のテンプレートが用意されていることが多いです。
簡単な例文
作成年月日
宛名(人事部 御中)
前文:在職証明書の発行をお願い致します。
主文:下記事項の記載をお願いいたします(在職期間、役職など)。
末文:発行可能な場合、○月○日までにご連絡頂けると助かります。連絡先:XXX-XXXX-XXXX
以上、よろしくお願い致します。
発行までの期間と注意点
期間の目安
在職証明書の発行期間は会社や担当部署で大きく異なります。即日発行できる場合もありますが、多くは数日から1~2週間かかります。たとえば千代田区では申請書類到着から1~2週間を見込んでいます。公的機関や大手企業は手続きに時間を要しやすいです。
依頼のタイミングと伝える内容
転職先の提出期限がある場合は余裕を持って早めに依頼してください。依頼時に必ず伝える情報は以下です。
– 提出期限(いつまでに必要か)
– 希望の受け取り方法(窓口/郵送/メール)
– 記載してほしい項目(在職期間・役職・雇用形態など)
– 送付先住所や連絡先
期限を伝えると優先対応につながることがあります。状況により追加確認を求められるため、早めの依頼が安心です。
受け取り方法と手続き上の注意
一般的に窓口受取か郵送が多いです。郵送を希望する場合は追跡可能な方法を依頼し、送料負担の有無を確認してください。代理人が取りに行く場合は委任状と本人確認書類が必要になることが多いです。
遅延時の対応と注意点
発行が遅れることも想定しておくと安心です。期限に間に合わない場合は転職先など提出先に事情を説明し、猶予や代替書類を相談してください。依頼後は受領確認や進捗連絡を求め、発行後は控えのコピーを保管しておくとトラブルを避けられます。
退職後の対応時の注意点
氏名変更がある場合
退職後に氏名を変更したら、変更前の氏名が確認できる書類(旧姓記載の住民票や戸籍謄本など)を添付してください。担当者が照合しやすくなり、発行が滞りにくくなります。
スケジュール確認と余裕を持つ
発行には企業側の手続き時間が必要です。転職先や役所の締め切りに合わせて余裕を持って依頼しましょう。急ぎの場合はその旨を早めに伝えてください。
転職先のフォーマット確認
転職先が指定フォーマットを持つ場合があります。事前に確認し、必要ならそのフォーマットを添付して依頼してください。
依頼前の事前連絡
総務や人事にメールや電話で事前連絡を入れるとスムーズです。担当者名や受付時間を確認すると手続きが速くなります。
書面の不備確認チェックリスト
・氏名(旧姓含む)・在籍期間・部署名が正しいか
・押印や捺印がいるか
・返信先住所やメールアドレスが正しいか
依頼前に自分で確認し、不明点は問い合わせてください。
在職中のトラブル回避
辞める際のトラブルがあると発行に影響します。未払いの経費や機材返却、引き継ぎを適切に行い、必要があれば文書で合意を残しておきましょう。
在職証明書と退職証明書の違い
定義
- 在職証明書:現在その会社に在籍していることを証明する書類です。例えば住所変更やローン審査で在職の事実を示す際に使います。
- 退職証明書:退職した事実と在籍期間、職務内容などを証明する書類です。退職後に発行します。
発行時期と用途
- 在職証明書は在職中に発行を依頼します。給与証明や保険、各種手続きで求められます。
- 退職証明書は退職後に依頼します。失業手当申請や転職先への提出、年金手続きなどで使います。
記載内容の違い
- 在職証明書:氏名、所属部署、役職、在籍の事実(在職中であること)、発行日。
- 退職証明書:氏名、在籍期間(入社・退職日)、職務内容、退職事実、必要時は退職理由。
依頼方法と注意点
- 退職後はまず退職証明書を依頼します。会社によって様式や手続きが違うため、総務や人事に確認してください。
- 簡潔な依頼文で、必要な記載項目と送付方法(郵送・窓口・PDF)を伝えるとスムーズです。


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