はじめに
本資料の目的
この資料は、在職証明書の正しい作成方法と注意点を分かりやすくまとめるために作成しました。在職証明書を初めて作る方、社内でテンプレートを見直したい方、外部へ依頼を出す担当者向けに役立つ情報を提供します。
対象読者
- 人事・総務担当者
- 経理や採用担当者
- 在職証明書を本人から求められた管理職や担当者
本資料で扱う内容
以下の章で順に説明します。
1. 在職証明書とは何か(定義と用途)
2. 記載すべき項目(必須と任意の区別)
3. 基本的な構成と書き方(見た目と文例)
4. 在職証明書発行依頼文の書き方(依頼メール・文書の例)
使い方のポイント
- まず目次で必要な章を確認し、実際の用途に合わせて参照してください。
- 社内の書式や承認フローに従って調整してください。
- 個人情報の取り扱いに注意し、必要最小限の情報だけを記載してください。
本章は全体の導入です。次章以降で具体的な書き方や文例を丁寧に解説します。
在職証明書とは何か
概要
在職証明書は、企業が従業員の在籍状況を公式に証明する文書です。氏名、所属部署、役職、在職期間などを明記し、会社の社印や署名で確かめます。公的な統一フォーマットは存在しませんが、必要な情報を正確に示す点は共通しています。
目的と使われ方
この書類は第三者に就業関係を示すために使います。住宅ローンや賃貸契約、クレジットカードの申請、ビザ申請など、収入や身分の裏付けを求められる場面で提出を求められます。受け取り側が在籍の事実を短時間で確認できます。
誰が発行するか
通常は勤務先の人事部や総務部が発行します。個人事業主の場合は事業主自身が作成することもあります。発行には在籍確認のための社内手続きが必要です。
注意点
書類の記載内容に誤りがあると手続きが滞ります。提出先の求める項目を事前に確認して、必要な情報を漏れなく記載してください。
在職証明書に記載すべき項目
基本情報
氏名(漢字・ふりがな)、生年月日(例:1990年1月1日)、現住所を正確に記載します。氏名は戸籍や住民票と同じ表記にすると確認がスムーズです。
雇用情報
入社年月日、勤続年数、雇用期間(〜までの有期契約か無期か)、雇用形態(正社員、契約社員、派遣、パートなど)を明示します。入社日が分かる書類と照合できるように記載します。
勤務情報
勤務先の名称、所在地、代表電話番号のほか、勤務日数・勤務時間(週何日、1日何時間)、就労形態(出勤・在宅・シフトなど)を記載します。たとえば「週5日、1日8時間(9:00〜18:00、休憩1時間)」のように具体的に書きます。
職務情報
職種、主な業務内容、役職(係長、課長など)を明記します。業務内容は箇条書きで簡潔に示すと読み手が把握しやすくなります。
給与情報
給与月額や年収を記載しますが、提出先の指定に従って項目を選びます。たとえば「月額給与:300,000円(基本給+諸手当)」「年収:4,500,000円(賞与含む)」のように内訳を示すと親切です。
会社情報
会社の正式名称、所在地、事業者名、代表者名、連絡先を記載します。会社の印鑑(押印)や社判を求められる場合があるので確認してください。
発行情報
発行日、発行者の役職名と氏名、発行者の連絡先を明記します。発行日は原則として申請時点の最新日とし、発行者の署名や押印で証明力を高めます。
記載内容は正確にし、提出先の要件に合わせて必要項目を追加してください。個人情報の扱いに注意し、不要な情報は記載しないようにします。
在職証明書の基本的な構成と書き方
上部のレイアウト
書類上部中央に「在職証明書」というタイトルを配置し、右上またはタイトル下に発行日を入れます。見出しは読みやすく、余白を十分に取ると印象が良くなります。
本文の構成と文体
本文は簡潔に事実を記載します。主に次の項目を短い文で並べます。①従業員氏名、②所属部署・役職、③雇用期間(開始日と終了日または在職中の表現)、④雇用形態(正社員・契約社員等)、⑤証明の目的や備考。丁寧な言葉で一文ずつ完結に書いてください。
デザインのポイント
情報は読みやすく整理し、不要な装飾は避けます。内容を囲む枠を入れると公式文書らしく見えます。フォントは明瞭なものを選び、行間を確保します。
署名・押印
文末に発行者の氏名、役職、連絡先を記載し、担当者の署名と社印を入れます。英文版では署名欄を左寄せ、社名や住所を右上に配置するのが一般的です。
英文の注意点
英文タイトルは “Certificate of Employment” とします。内容は簡潔な英語で、企業情報は右上、署名と印鑑(stamp)を忘れないでください。
在職証明書発行依頼文の書き方
書く順序
- 作成年月日
- 宛名(依頼先名称・部署・氏名)
- 用件(在職証明書の必要性・作成依頼・期限)
- 前文
- 主文
- 末文
- 記載事項(明細)
- 依頼者情報
用件の書き方
用件は文書の中央に端的に記載します。必要性(例:住宅ローン申請のため)、作成依頼、提出期限を短く明記してください。
前文・主文・末文の例
- 前文:いつもお世話になっております。下記の件についてお願い申し上げます。
- 主文:在職証明書の作成をお願い致します。用途は〇〇のためで、提出期限は○月○日です。
- 末文:お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
記載事項(必須例)
- 氏名、社員番号、所属部署、役職
- 入社年月日、在職期間
- 勤務状況(常勤・非常勤等)
- 発行日、発行者署名(会社側)
依頼者情報
依頼者の氏名、連絡先(電話・メール)、所属を末尾に記載します。
依頼文テンプレート
作成年月日:YYYY年MM月DD日
宛名:株式会社△△ 総務部 △△様
(用件:在職証明書発行の依頼)
いつもお世話になっております。下記のとおり在職証明書の発行をお願い致します。用途は住宅ローン申請のためで、提出期限はYYYY年MM月DD日です。
【記載事項】氏名:○○、社員番号:○○、在職期間:YYYY年〜現職、勤務形態:常勤
お手数ですが、上記にてご作成いただけますようお願い申し上げます。
依頼者:氏名、所属、連絡先(電話・メール)


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