はじめに
本記事の目的
本記事は「退職日」と「勤務(最終出勤日)」の違いをわかりやすく説明することを目的としています。両者の意味や、実務上どう使い分けられるかを知ることで、退職手続きをスムーズに進められます。
用語の簡単な説明
- 退職日:会社との雇用契約が正式に終了する日です。給与や社会保険の扱い、年金の手続きなどの基準になります。
- 最終出勤日:実際に会社へ出勤する最後の日を指します。引き継ぎや社内手続きを終えるための最終出社日です。
なぜ違いを知る必要があるか
有給休暇の消化や引き継ぎの都合で、最終出勤日と退職日が異なることがあります。この差は給与の支払いや保険加入の扱いに影響します。後の章で具体的な影響や注意点を丁寧に解説しますので、まずは基本の違いを押さえてください。
退職日とは
定義
退職日とは、会社との雇用契約が正式に終了する日で、在籍が終了する最後の日を指します。口頭や書面で退職の意思を伝え、会社が受理して決まった日付が退職日になります。
主な影響
- 給与:退職日に基づき最終給与や未払い分の支払い額が確定します。たとえば月の途中で退職した場合、日割りで計算されることが多いです。
- 社会保険・雇用保険:資格喪失の基準日になります。退職日をもって保険の加入期間が終了し、その後の手続きに影響します。
- 税金・住民税:退職日を基準に年末調整や住民税の課税手続きが行われます。
日付の決め方と具体例
- 自分から申し出る場合:退職届に希望日を書き、会社と合意した日が退職日です。例:4月10日に合意すればその日が退職日になります。
- 会社都合の場合:解雇通知で指定された日が退職日になります。
手続きでの扱い
退職日は雇用保険の離職票、年金・健康保険の資格喪失手続き、源泉徴収票の作成など各種書類で使われます。手続き上の基準日として正確に確認してください。
勤務(最終出勤日)との違い
定義の違い
最終出勤日とは「実際に会社に出勤する最後の日」です。一方、退職日は会社を正式に離れる日で、給与や社会保険の資格喪失日になります。最終出勤日と退職日が一致しないことがあります。
有給休暇の扱い(具体例)
たとえば、最終出勤日が4月10日で、その後4月11日〜30日を有給で消化する場合、勤務面の最後は4月10日ですが、雇用関係は4月30日まで続き、退職日は4月30日になります。
給与・保険・手当の扱い
退職日までの給与や各種手当は、雇用契約どおり支払われます。社会保険や雇用保険の資格は退職日で喪失します。最終出勤日と退職日が異なると、保険や年金の手続き時期が変わる点に注意してください。
引継ぎと出勤扱い
引継ぎが終われば出社は不要でも、会社が有給消化を許可すると在籍扱いが続きます。会社によっては在宅での連絡が必要な場合があるため、ルールを確認してください。
手続き上の注意点
就業規則や雇用契約で退職日や有給消化の取り扱いを確認し、必要なら書面で合意を取っておきましょう。最終出勤日と退職日の違いを事前に明確にすると、給与や保険手続きでの誤解を防げます。
実務上のポイント
1. 最終出勤日と退職日を分ける利点
最終出勤日を実際に職場へ出る日、退職日を雇用契約上の終了日として分けると調整しやすいです。例えば最終出勤日を月中にして、残りは有給消化で退職日を月末にすることで社会保険や給与計算の区切りが良くなる場合があります。
2. 社会保険・税金の扱い
有給消化中でも在職扱いになるため、健康保険や厚生年金は原則として継続します。住民税は前年の所得に基づくため、退職時に一括納付や支払い方法の変更が必要か確認してください。年金や保険の資格喪失日、給与計算の締め日を人事に必ず確認します。
3. 手続きと伝え方の実務
退職届の提出、引き継ぎ資料の準備、最終給与や有給の清算方法を早めに確認します。転職先の入社日やボーナス支給日を伝え、給与・保険の空白期間ができないよう調整しましょう。必要書類(離職票、保険証返却など)は発行時期を人事とすり合わせます。
4. 具体例とチェックリスト
例:次の職場が翌月1日入社、ボーナスが前職で月末支給なら、最終出勤を数日前にして退職日を月末にする案を検討します。チェック:入社日、ボーナス日、有給残日数、保険資格喪失日、住民税の納付方法、離職票の発行時期。
以上を踏まえ、早めに会社と話し合い、日程と手続きを明確にしてください。


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