就業規則を見せてもらってないときの正しい対処法とは?

目次

はじめに

目的

本章は、本シリーズの導入部分として、就業規則の作成義務と周知義務について全体像を分かりやすく示します。これから各章で法律上のルールや実務対応、退職後の注意点などを順に解説します。

誰に向けた記事か

会社の人事・総務担当者、経営者、または就業規則の閲覧や周知に不安がある従業員向けです。小規模事業所でも、従業員が10人以上になったときの対応が中心になります。例えば、10人規模でアルバイトと正社員が混在する職場を想定しています。

この記事で得られること

・どんな場合に就業規則が必要かを理解できます
・周知義務を怠ったときのリスクが分かります
・会社に閲覧を求める際の実務的な手順や注意点が分かります

次章からは、まず法律上の基本ルールを具体例を交えて説明します。丁寧に読み進めてください。

法律上の基本ルール

対象と目的

常時10人以上の労働者がいる事業場では、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届出を行い、労働者に周知する義務があります。目的は労働条件を明確にしてトラブルを防ぐことです。典型的な項目は労働時間、賃金、休暇、退職、服務規律、懲戒などです。

作成と届出の流れ(簡単な例)

  1. 経営側が就業規則案を作成します。具体例:始業・終業時刻、休憩・休日の規定、賃金計算方法を明記します。
  2. 労働基準監督署へ届出します(事前の「承認」ではなく届出です)。
  3. 労働者に周知します。変更する場合も同様に手続きを行います。

周知の方法と具体例

周知とは「希望すればいつでも確認できる状態」を指します。具体的には:
– 事務所の掲示板に常時掲示する
– 就業規則の冊子を備え付ける(閲覧できる場所に置く)
– 全員に書面で配布する
– 社内ネットワークに掲載してすぐ見られるようにする

例えば、社内LANにアップしてパスワード不要で閲覧できれば周知になります。紙のみで社員が見にくい場所にしまうのは不十分です。

注意点

  • 「いつでも見られる」状態を優先してください。希望者が閲覧を求めたときにすぐ対応できるようにします。
  • 常時10人未満でも就業規則を作ると労使関係が明確になり安心です。
  • 届出を怠ると労働トラブルで不利になったり、監督署からの指導を受けることがあります。

「見せてもらっていない」状況は違法?

周知すべき書類や記録を従業員の閲覧要求に応じて見せないのは、原則として認められません。会社に周知義務があるにもかかわらずこれを怠ると、労働基準法の違反になり、30万円以下の罰金などの対象になる可能性があります。

何が対象になるのか

就業規則、賃金台帳、労働時間の記録、雇用契約書など、労働条件に関する重要な書類が該当します。従業員はこれらを確認して、自分の権利や勤務状況を把握できます。会社は閲覧に応じる義務があります。

具体例

  • 就業規則を社員に見せない。
  • 賃金の計算根拠や賃金台帳を閲覧させない。
  • 有給休暇の付与履歴を見せない。
    これらは労基署への相談や書類提出を求められる原因になります。

例外と注意点

個人情報や営業秘密に関しては配慮が必要です。全面的な開示が難しい場合は、該当部分を伏せる、あるいは要点を説明するなどの対応で閲覧の実質を確保してください。ただし、単に拒否するだけでは正当化できません。書面で請求し、日時や相手を記録しておくと後の手続きで有利になります。

困ったときの行動

まずは会社に書面で閲覧を申し出てください。応じない場合は最寄りの労働基準監督署に相談します。必要に応じて弁護士に相談すると安心です。

会社への伝え方・実務対応

1. まず伝える相手と方法

人事・総務・直属の上司に口頭かメールで依頼します。言い方は短く具体的に:「就業規則を閲覧させてください。紙でもPDFでも社内ポータルでも構いません。」メールなら日時と自分の氏名を明記すると安心です。

2. 見せてもらえる形の例

  • 紙の閲覧(手渡しや閲覧コーナー)
  • PDFファイルの送付や社内共有フォルダ
  • 社内ポータルでの閲覧権限付与
    どの形でも閲覧できれば問題ありません。特定の形式を指定してもかまいません。

3. 拒否されたときの実務対応

正当な理由なく拒否されることがあります。その場合は次を実行します。まず、メールやメモで依頼履歴を残します。口頭で伝えた場合は日時・相手・内容をメモに記録してください。回答が得られたら内容を保存し、可能なら上司や関係部署にCCを送り、冷静にやり取りを続けます。

4. 証拠の残し方と相談先

メール・スクリーンショット・メモは証拠になります。会社に求めたが応じない旨の記録を作成してください。最終的に解決しない場合は、労働基準監督署や労働局の総合労働相談コーナーに相談しましょう。持参するとよいものは、就業規則の閲覧を求めた履歴(メール等)、雇用契約書、給与明細などです。窓口では具体的な助言と対応の案内を受けられます。

退職後の場合の注意点

概説

退職後は、会社に就業規則などの閲覧を求める法的な義務がないとされることが多いです。つまり、会社が閲覧を認めない場合もあります。争いになったときは、在職中に残した記録が重要になります。

退職前にしておくこと

  • 就業規則、賃金規程、懲戒規程などを在職中に確認しておきます。
  • 必要なページを写真やPDFで保存し、自分用のメモを残します。
  • 給与明細や雇用契約書、タイムカードの写しも保管します。
  • 会社に正式な書面で請求できるよう、関連するメールを自分宛てに送ると便利です。

退職後にできること

  • まずは会社に丁寧に文書で請求します。コピーを求める旨を明記してください。
  • 会社が応じない場合は、労働相談窓口や労働基準監督署、弁護士に相談します。
  • 争いに備えて、在職中のメールや証拠を整理しておきます。

実務上の注意点

  • 書面で請求し、やりとりは記録を残します。
  • 個人情報や機密に関する扱いは注意してください。
  • どう進めるか迷う場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。

まず何をすればいいか

1. 在職中にまず行うこと

就業規則を見せてください(閲覧したいです)と総務・人事・上司に伝えます。口頭でも良いですが、メールや社内チャットなど記録が残る手段を使うと安心です。

例文:
「就業規則を閲覧したいので、閲覧場所または送付方法を教えてください。よろしくお願いします。」

2. 拒否された場合の対応

閲覧を断られたら、拒否された日時・相手・理由を必ず記録します。やり取りのスクリーンショットやメールは保存してください。繰り返し拒否される場合は、次の相談先に進むタイミングです。

3. 証拠の残し方

メールやチャットは保存、口頭のやり取りは日時・内容をメモします。録音を考える場合は、法律や会社規定に注意してください(許可なく録音が問題になる場合があります)。

4. 相談先と利用のしかた

地域の労働基準監督署や公的な労働相談窓口は無料で相談できます。会社名を伏せて相談できる場合もあるので、不安が大きければまず相談を検討してください。弁護士や労働組合も相談先です(初回無料相談がある事務所もあります)。

5. 優先順位のチェックリスト

  • 閲覧依頼を記録(メール送信)
  • 拒否された場合は証拠を保存
  • 早めに労働相談窓口へ相談
  • 必要なら弁護士や組合に相談

落ち着いて一つずつ進めると対応が楽になります。

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