はじめに
本記事の目的
本記事は「離職票の有無」に関する疑問を整理し、誰が離職票を受け取れるのか、どんな場合に不要になるのか、発行されないときの理由と対処法を分かりやすく解説します。専門用語は最小限に抑え、具体例を交えて説明します。
誰に向けた記事か
- 退職予定または退職直後の方
- 会社が離職票を出すか不安な方
- 失業手当の申請や保険手続きで情報が必要な方
この記事で学べること
- 離職票の基本的な役割と受け取りの流れ
- 離職票が必要なケースと不要なケースの判断基準
- 発行されない主なパターンとその対応方法
読み方の提案
まず第2章で離職票の基礎を押さえてください。その後、第3〜第5章で具体的なケースや対処法を確認すると理解が深まります。
離職票とは？まずは基本から押さえよう
正式名称と役割
離職票の正式名称は「雇用保険被保険者離職票」です。雇用保険に加入していた人が会社を辞めた事実を公的に示す書類で、失業給付の受給手続きや求職活動の証明に使います。
主な用途（失業給付の申請）
最もよく使う目的はハローワークで失業給付を受ける手続きです。退職後すぐに求職活動をする人は、離職票を持ってハローワークで申請します。例：給付開始に必要な書類の一つとして提出します。
発行の流れ
- 会社が退職者の情報をまとめ、ハローワークへ必要書類を提出します。
- ハローワークが内容を確認して離職票を作成します。
- 会社経由で退職した人に離職票が渡されます。通常、退職後に数週間かかることがあります。
離職票-1と離職票-2の違い
離職票は通常2枚セットです。-1は会社が保管・提出用、-2は退職者がハローワークに提出する用です。記載内容は基本的に同じですが、用途が分かれています。
離職票が「必要な人」と「不要な人」
要点の先出し
離職票が必要かどうかは、退職後の行動や給付の有無で決まります。将来の選択肢を広げるためにも、自分の予定を踏まえて判断してください。
離職票が必要な人
- 失業手当（雇用保険の基本手当）を受けたい人：求職の認定や給付手続きで離職票が必須です。例）会社都合や自己都合で退職し、ハローワークで手続きをする場合。
- 求職活動をする予定の人：求職活動の証明や手続きで使います。給付を受ける予定がなくても、職歴の証明として役立ちます。
- 収入が途切れて、雇用保険に頼る可能性がある人：病気や家庭の事情で当面の生活費を給付でまかなう場合に必要です。
離職票が不要な人
- すでに次の職場が決まっている人：退職後すぐに就業する場合は、失業給付を申請しないため不要です。
- 起業・開業して失業給付を利用しない人：自分で事業を始める人は給付を受けないなら離職票を使いません。
- 雇用保険の対象外の雇用形態の人：短期の非常勤や一部の派遣・日雇いなど、雇用保険に加入していなければ離職票が発行されないことがあります。
もらっておくことを勧めるケース
後から失業給付を受けたくなる可能性があるなら、離職票を受け取って保管してください。会社が発行手続きをしているか確認し、発行されない場合は理由を聞いておくと安心です。
離職票を「もらえる条件」──有る人・無い人の境目
雇用保険の加入基準
離職票は、雇用保険の被保険者であったことを示す書類です。一般的な加入基準は「週20時間以上働く見込みがあり、かつ31日以上の雇用見込みがあること」です。短期のアルバイトや週の勤務時間が少ない場合は加入対象になりません。
もらえる人の具体例
- 週に25時間、3か月働いたパートさん：雇用保険加入の目安を満たすため、退職時に離職票を受け取れます。
- 正社員で退職した人：当然に該当します。自己都合・会社都合を問わず対象です。
もらえない人の具体例
- 週10時間の短時間勤務のアルバイト：基準に達しないため原則発行されません。
- 自営業に転じた場合や役員報酬だけの会社代表：被保険者でなければ対象外です。
手続きの流れと注意点
会社は被保険者が退職し本人から交付を求められたら、ハローワークに必要書類を提出して離職票を発行します。本人が不要と伝えれば会社が手続きを行わない場合もあります。休職扱いや契約満了など、事情で判断が分かれることがあるため、疑問があれば退職前に会社の総務やハローワークに確認してください。
離職票が「発行されない（無い）」主なパターン
雇用保険に加入していないケース
雇用保険の被保険者になっていないと、そもそも離職票は発行されません。たとえば短時間や日雇い、登録型のアルバイトで労働時間が少ない場合、加入要件を満たさないことがあります。給与明細や雇用契約書で加入の有無を確認してください。
会社が手続きをしていない・遅れているケース
会社は退職者についてハローワークに必要書類を提出しなければなりません。会社が書類を出していない、あるいは事務処理が遅いと離職票が届きません。催促すると解決することが多いです。場合によっては企業の担当部署に問い合わせて進捗を確認してください。
短時間・短期の勤務で条件を満たさないケース
週の労働時間や勤務期間が雇用保険の基準に満たないと、離職票は発行されません。短期バイトや試用期間中の退職などで該当することがあります。
会社の倒産・連絡先不明などの特殊ケース
会社が倒産したり担当者と連絡が取れなくなると、手続きが止まることがあります。ハローワークに事情を説明すれば対応方法を教えてくれます。
離職票が発行済みだが手元にないケース
会社が既に手続きをしている場合、郵送中や紛失の可能性があります。まず会社に発送状況を確認し、必要ならハローワークにも相談してください。
取るべき行動（簡単な手順）
- 会社に離職票の発行状況を確認する
- 加入状況が分からないときは給与明細や契約書を用意してハローワークへ相談する
- 会社が応じない・連絡が取れないときはハローワークで対応方法を相談する
困ったときは早めに確認すると解決が早く進みます。
コメント