はじめに
退職を間近に控え、有給休暇の使い方で悩む方は多いです。来月退職となると、残日数の確認や申請タイミング、業務引き継ぎとの調整など、不安が増します。本章ではこの記事の目的と読み方、想定読者をわかりやすく説明します。
この記事の目的
・退職前の有給消化で押さえるべき権利と実務のポイントを整理します。
・上司への伝え方やスケジュールの組み方を具体例で示します。
想定読者
来月に退職を予定している方、あるいは近く退職を検討している方。会社と話し合う前に自分の選択肢を把握したい方に向けています。
今後の章の流れ
第2章で法律上の基本ルールを簡潔に解説し、第3章で実際のスケジュール設計方法を示します。第4章では退職の申し出や有給申請のタイミングについて実践的に解説します。安心して円満退職できるよう、具体的な手順を順にご案内します。
退職時の有給消化の基本ルールと法律のポイント
2-1 退職時でも有給消化は原則可能
有給休暇は法律で認められた労働者の権利です。退職前にまとまって取得することが原則可能で、会社は正当な理由がない限りこれを一方的に拒めません。申請は書面やメールで記録を残すと安心です。
2-2 有給を取る日を決める権利は原則労働者側
有給をいつ取るかを決めるのは基本的に労働者の権利です。会社には業務の都合で時期を変えられる「時季変更権」がありますが、退職直前の有給取得は生活や転職準備に直結するため、労働者の権利が優先されやすいです。急な繁忙期など明確な理由がある場合は相談して調整しましょう。
2-3 退職日と最終出社日を分けて設定できる
多くの会社は退職日（在籍終了日）と最終出社日（最後の出社日）を分けます。最終出社日から退職日までを有給消化期間にする運用が一般的です。例：3月31日退職で最終出社日が3月15日の場合、16日〜31日を有給消化にできます。会社と日程を確認してから申請してください。
来月退職でも間に合う？有給消化のスケジュール設計
3-1 自分の有給残日数を正確に把握
まず付与日（いつ何日ついたか）、現在の残日数、有効期限を確認します。方法は就業規則や勤怠システム、人事窓口での確認です。早めに数字を確定するとスケジュールが立てやすくなります。例：残10日で消滅が翌月末なら、最優先で消化計画を作ります。
3-2 来月退職の基本パターン
- パターンA：分散取得
- 最終出社日に向けて週1〜2日ずつ有給を入れます。業務の引き継ぎや会議日を避けると調整が楽です。例えば4週間で8日休めるなら、週2日ずつ取得すると負担が少なくなります。
- パターンB：最終出社日から一括消化
- 最終出社日を決め、そこから退職日までをすべて有給にします。短期間でまとまった休みを取りたい場合に向きます。業務を引き継ぎ、承認が必要な点に注意してください。
3-3 日数が多い場合の折衷案（分割＋まとまり）
日数が多いときは、前半を週1〜2日で分散、後半の数週間を連続した有給にする方法が現実的です。引き継ぎ完了時期に合わせて連続休暇を設定すると、業務への影響を最小限にできます。また、申請は早めに出し、上司と具体的な引き継ぎ日程をすり合わせておくとトラブルを防げます。
退職の申し出タイミングと有給申請のベストタイミング
4-1 理想のタイミング
理想は退職の1〜2カ月前に意思を伝えることです。余裕があると業務引継ぎ計画を立てやすく、有給の調整もしやすくなります。来月退職の場合でも、早めに意思と有給消化の希望を伝えることが重要です。早めに伝えると、会社側も代替手配や最終出社日の調整をしやすくなります。
4-2 具体的ステップ
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まず口頭で退職の意思と有給消化の希望を同時に伝えます。対面が望ましいですが、難しい場合は電話の後にメールで確認するとよいです。
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退職日と最終出社日を相談し、スケジュール案を出します。例：退職日を月末に設定し、最終出社日は引継ぎ完了日に合わせる。有給開始日と終了日を明記して、引継ぎ資料や担当者を示すと了承が得やすいです。
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会社の了承を得たら、退職届と有給申請書を正式に提出します。提出後は控えを必ず受け取って保管してください。
■ 注意点
– 会社がすぐに承認しない場合は、代替案（分割して取得、重要業務は出社して対応）を提示しましょう。
– 有給取得中に急な呼び出しを受けた場合は、いつでも業務を求められるわけではないので、まずは上司とやり取りして合意を取り付けてください。
この流れを踏めば、来月退職でもスムーズに有給を消化しやすくなります。
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