懲戒解雇の方法とは?法的要件と詳しい手続きの流れ

目次

はじめに

本資料の目的

本資料は、企業が従業員に対して懲戒解雇を行う際の基本と実務を分かりやすく示すことを目的としています。懲戒解雇の定義や段階、法的要件、手続きの流れを順を追って解説します。実務担当者や人事担当、管理職の方に役立つ内容です。

何を含むか

  • 懲戒解雇の意味と他の懲戒処分との違いを説明します。具体例を使い、誤解しやすい点を明確にします。
  • 懲戒処分の段階(注意、減給、出勤停止、懲戒解雇など)を紹介します。
  • 懲戒解雇を適法に行うための要件と、よくある注意点を押さえます。
  • 実際の手続きの流れを、準備から実施まで順を追って説明します。

対象読者と使い方

人事担当者、管理職、労務担当の方に向けた実務ガイドです。実例を参考に、自社の就業規則や運用と照らし合わせて活用してください。

注意事項

本資料は一般的な解説です。個別の事案では法的判断や弁護士への相談をお勧めします。

懲戒解雇とは

定義

懲戒解雇は、会社が従業員の重大な規律違反や不正行為に対して、直ちに雇用契約を終了させる最も重い処分です。通常の解雇(業務上の事情による解雇)と違い、労働者の行為自体を理由にします。

法律上の考え方

労働契約法第15条・第16条により、懲戒解雇は「客観的に合理的な理由」があり「社会通念上相当」である場合に限り有効です。裁判所は事実関係の重さや会社の対応の適切さを総合的に検討します。

具体例(典型例)

  • 会社の金品を横領した場合
  • 業務上の重大な背信行為(重大な秘密漏洩など)
  • 暴力行為やハラスメントで職場秩序を著しく乱した場合
  • 履歴書の重大な経歴詐称(採用判断に影響を与えたと認められるとき)

会社が注意すべき点

会社は事実関係を慎重に調査し、従業員に弁明の機会を与えるべきです。軽微な違反で即時懲戒解雇を行うと無効と判断される可能性が高くなります。次章で懲戒処分の段階や手続きについて詳しく説明します。

懲戒処分の段階

以下では、懲戒解雇に至るまでの主な段階をわかりやすく説明します。具体例を交えて、会社がどのように段階的に対応するかを示します。

戒告

軽い注意で、口頭または書面で行います。勤務態度や小さな規則違反に対して用います。例:軽度の遅刻や報告漏れ。

けん責

書面での公式な注意です。行為の問題点を明確にして、再発防止を求めます。例:繰り返す遅刻や簡単な業務上のミス。

減給

一定期間、賃金を減らす処分です。就業規則に基づき、法定の限度内で実施します。例:態度不良が継続する場合。

出勤停止

一定期間の出勤を禁止します。無給または一部減給となることがあります。重いルール違反やハラスメントに対する措置です。例:職場での暴言や業務怠慢。

降格・役職剥奪

職位や職務を下げ、責任を外します。管理職の不適合や重大なミスに対して使います。例:業務指導の著しい失敗。

諭旨解雇

会社が本人に退職を促し、合意のもとで解雇扱いにする方法です。本人の同意や手続きが重要です。例:改善が見られない場合の最終段階的措置。

懲戒解雇

最も重い処分で、即時解雇にあたります。犯罪行為や重大な背信行為が対象です。例:横領、重大な機密漏洩。

運用上の注意点

段階的に処分を行う際は、公平な調査と本人の弁明機会を確保し、処分の理由を記録します。就業規則に明確に定め、過度に厳しい運用は無効となるリスクがあります。

懲戒解雇の法的要件

1. 就業規則に根拠があること

懲戒解雇を行うには、あらかじめ就業規則に懲戒事由と懲戒の種類(解雇を含む)が明記されている必要があります。たとえば「重大な横領や暴力行為は懲戒解雇とする」といった規定が必要です。規則がないと無効になる可能性があります。

2. 懲戒事由に該当すること

実際の行為が就業規則に定めた懲戒事由に当てはまらなければなりません。具体例:長時間の無断欠勤、会社資産の横領、重大な秘密漏洩など。事実関係を正確に把握し、証拠を残すことが大切です。

3. 社会通念上相当であること(比例性)

行為の悪質性と懲戒解雇という処分の重さが釣り合っている必要があります。軽微な違反でいきなり解雇するのは過重と判断されやすいです。過去の処分例や勤務歴も考慮します。

4. 意思表示が本人に到達していること

懲戒解雇の意思表示は本人に確実に伝えなければなりません。書面で通知し、受領の確認を取るのが望ましいです。口頭のみはトラブルになりやすいです。

要件のいずれかが欠けると、不当解雇と判断される可能性が高く、労働審判や裁判で争われます。実務では慎重な手続きと記録が重要です。

懲戒解雇の手続きの流れ

はじめに

懲戒解雇は社員の生命線に関わるため、慎重かつ規則的に進めます。主な手順を順を追って説明します。

1. 事実関係の調査

  • まず証拠を確保します(メール、勤怠記録、監視映像など)。
  • 関係者から事情を聞き取り、できれば書面で記録します。
  • 例:会社の備品を無断で持ち出した疑いがある場合、出入り記録と防犯カメラを確認します。

2. 懲戒事由への適合確認

  • 会社の就業規則や過去の処分と照らし合わせ、解雇に相当するか判断します。
  • 同様の事案で軽い処分しかしていなければ、不公平と見なされる恐れがあります。

3. 弁明の機会の付与

  • 対象社員に事実関係を提示し、意見を求めます。面談か書面で行います。
  • 弁明を記録に残し、内容を処分判断に反映します。

4. 懲戒解雇通知書の作成と通知

  • 解雇理由、発効日、事実の要約を明記します。
  • 書面で手渡すか配達記録の残る方法で通知します。証拠を残すことが重要です。

5. 離職に伴う各種手続き

  • 最終給与、退職金、保険や年金の手続きを進めます。
  • 備品回収や情報アクセスの停止も速やかに行います。

注意点

  • 記録を丁寧に残すことで、後の法的トラブルを避けやすくなります。
  • 判断に迷う場合は労務担当や専門家に相談してください。

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