源泉徴収票の変更手続きと最新ルールをわかりやすく解説

目次

はじめに

この文書の目的

このガイドは、源泉徴収票に関する変更や訂正手続きについて、実務で使える具体的な対応方法をわかりやすくまとめたものです。記載ミス、扶養情報の変更、退職者への再発行、制度改正への対応など、幅広い場面を想定しています。

対象となる読者

給与担当者、人事・総務のご担当者、あるいは源泉徴収票の取り扱いで不安がある個人の方を主な対象とします。専門用語は最小限にし、具体例で補足します。

本書の構成と読み方

第2章で訂正の基本ルール、第3章で提出済み源泉徴収票の訂正手続き、第4章で扶養家族情報の変更対応、第5章で退職者への再発行、第6章で令和6年分の定額減税対応、第7章で令和7年分の様式変更を扱います。必要な章を順に読んで実務に役立ててください。

ご利用上の注意

各章で示す手続きは一般的な対応例です。状況により税務署や社内規程の確認が必要となる場合があります。

源泉徴収票訂正の基本ルール

源泉徴収票に誤りが見つかったときは、訂正のタイミングが最も重要です。企業が年末調整の内容を修正できる期間は、原則として「源泉徴収票を従業員に交付する前」であり、かつ翌年の1月31日までです。これは住民税のために提出する給与支払報告書の期限と同じです。

具体的には次の流れで対応します。まず誤りを確認したら、速やかに従業員から正しい情報を再聴取します。たとえば給与額の入力ミス、入社日や扶養者の名前の誤記といったケースです。必要書類(保険証の写しや扶養控除等申告書の控えなど)を再提出してもらい、裏付けを取ります。

社内での訂正方法としては、1月31日までであれば計算ミスなどは源泉徴収票の該当箇所を二重線で訂正し、押印して差し替えせずに処理を完結できます。交付前であれば新たに正しい源泉徴収票を作成して交付して差し支えありません。

交付済みの場合や1月31日を過ぎた場合は、対応方法が異なります(次章で詳述)。まずは期限内に正しい情報を収集し、記録を残すことを優先してください。

提出済み源泉徴収票の訂正手続き

概要

従業員に交付済みの源泉徴収票に誤りが見つかった場合は、ただ書き直すだけでなく所定の手順で訂正処理を行います。誤った票と正しい票の双方を明確に管理し、税務署への提出区分も正しく区分します。

手順(順を追って)

  1. 誤った源泉徴収票の写しの右上に赤で「無効」と記入します。
  2. 支払金額などをまとめた合計表を作成し、その合計表の「調書の提出区分」欄に「4」と記入します(誤りのあるものとして扱うため)。
  3. 正しい内容で新たに源泉徴収票を作成し、右上に赤で「訂正分」と記入します。
  4. 正しい票に対応する合計表には「3」と記入します。

従業員への対応

従業員には、誤り箇所と「再交付」である旨を摘要欄に明記した正しい源泉徴収票を再交付します。元の誤った票は保管し、いつ誰に渡したかが分かるよう管理してください。

実務上の注意点

  • 合計表は誤りの内容(支払金額、源泉徴収税額、従業員名など)が一目で分かるように作成します。
  • 書き直しの記載は赤字で明確にし、後で混乱が生じないようにします。
  • 税務相談が必要な場合は、速やかに確認してください。

扶養家族・親族情報の変更対応

概要

扶養家族や親族に変更があったときは、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を訂正します。該当箇所に二重線を引き、上下どちらかに訂正内容を記入するか、異動事由欄に修正内容を記入します。紙の申告書では二重線で訂正し書き加える方法が一般的です。

訂正の手順(簡潔)

  1. まず該当する欄(氏名、続柄、生年月日、所得見込みなど)を確認します。
  2. 誤りがある箇所に二重線を引き、読みやすく消します。
  3. 二重線の近くの上下いずれかに正しい内容を記入するか、異動事由欄に変更内容を具体的に書きます。
  4. 訂正した日付と申告者名(自署)を付けると、後で確認しやすくなります。

記入例とポイント

  • 例:子が就職して扶養から外れる場合は「○○(氏名)について扶養から外れました(就職のため)」と異動事由欄に記載。
  • 生年月日や続柄は正確に記入します。所得見込み額が変わる場合は新しい金額を明記します。

注意点

  • 訂正が扶養控除額に影響する場合、給与計算の見直しや源泉徴収税額の変更が必要になります。会社の担当者に速やかに提出してください。
  • 企業ごとに扱いが異なる場合があるため、提出前に会社の指示に従うと安心です。

退職者への源泉徴収票再発行時の対応

概要

退職者からの再発行依頼には、本人確認と記録管理が欠かせません。本人確認を確実に行い、依頼内容を文書で残すと安全です。

本人確認の手順

電話やメールでも次の項目で確認します。氏名(旧姓を含む)、退職年月、社員番号、生年月日。可能ならマイナンバー以外の追加情報(最終出勤日や入社年)も聞いてください。

再発行依頼の書面化

口頭依頼だけでなく、メールや書面で再発行依頼を受け取ります。依頼書には、退職日、必要な年度、送付先(希望する受取方法)を明記してもらいます。

住所変更と送付方法

転居している場合は新住所を本人から確認します。旧住所へ送ると個人情報漏えいの恐れがあるため避けます。信書扱いで本人受取や簡易書留を推奨します。

記録管理

依頼書、やり取りの履歴(メール・電話の要旨)を保存します。保存期間は社内ルールに従い、再発行理由と対応履歴を残すと後対応がスムーズです。

退職時の事前対策

退職時に連絡先届(現住所、連絡用メールまたは電話)を確実に取得しておくと、再発行対応が早くなります。

令和6年分の最重要変更点~定額減税への対応~

変更の概要

令和6年分の源泉徴収票で最も重要な変更は、摘要欄への「源泉徴収時所得税減税控除済額×××円」の記載です。政府の定額減税対応のために、源泉徴収時に控除した金額を明記する必要があります。人事・労務担当者は必ず対応してください。

何を記載するか

摘要欄に「源泉徴収時所得税減税控除済額○○○円」と記載します。○○○円は、給与支払時に実際に差し引いた減税の合計額です。書式は読めればよく、例:「源泉徴収時所得税減税控除済額5,000円」のように記載します。

計算と手順(実務)

  1. 給与明細ごとに控除した減税額を集計します。2. 年間で合計した金額を源泉徴収票の摘要欄へ記入します。3. 給与計算ソフトを使う場合はテンプレートを更新し、自動集計できるか確認します。

再発行・訂正時の対応

既に発行済みの源泉徴収票に変更がある場合は、訂正して再発行します。再発行の際も摘要欄の金額を忘れず記載してください。

社内運用上の注意点

  • 金額は「円」単位でカンマ区切りにすると見やすい。- 計算根拠(給与ごとの控除額)は保存しておく。- 経理・税理士と連携してミスを防ぐ。

以上の対応で、令和6年分の定額減税に関する源泉徴収票の要件を満たせます。

令和7年分の様式変更

概要

令和7年分から源泉徴収票の様式が一部変更されました。項目名が「控除対象扶養親族の数」から「控除対象扶養親族等の数」に変わり、新たに「特親」という区分が加わっています。これは扶養親族の所得要件見直しと、特定親族に対する特別控除創設に伴うものです。

主な変更点と意味

  • 項目名の変更:従来の「扶養親族」だけでなく、控除対象となる親族等を合算して記載します。記入上は人数の合計を入れます。
  • 「特親」区分:特定親族特別控除の対象となる親族を区分するための欄です。該当する親族がいる場合に人数を記入します。

記入例(イメージ)

  • 例:扶養親族が2人、そのうち1人が特定親族特別控除の対象なら、「控除対象扶養親族等の数」に2、「特親」欄に1と記入します。

実務上の注意点

  • 給与担当者は使用する会計ソフトや雛形を最新版に更新してください。
  • 年末調整や再交付時は、新様式に基づき正しく集計する必要があります。
  • 詳しい該当要件や計算方法は、税務署の通達やソフトのマニュアルで確認してください。

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