はじめに
本調査は、令和7年分の源泉徴収票に関する受け取り場所、受け取り時期、受け取り方法、および再発行の対応を分かりやすく整理したものです。給与所得者と年金受給者の両方を対象に、法定期限や実務上の手続きも具体例を添えて解説します。
目的:源泉徴収票を受け取る際の疑問を減らし、確定申告や年末調整に備えることを目的としています。
対象読者:会社員、パート・アルバイト、個人年金受給者、そして事務を担当する方々です。
本書の構成:第2章で給与所得の源泉徴収票、第3章で公的年金の源泉徴収票を詳説します。第4章では受け取れない場合の対応方法を、最終章で全体のポイントをまとめます。必要な手続きを順序立てて説明しますので、安心して読み進めてください。
給与所得の源泉徴収票について
発行者と対象者
会社の総務・人事・給与計算担当が発行します。正社員だけでなく、パートやアルバイトも対象です。
発行時期と交付期限
年末調整が済んだ後、12月から1月中旬にかけて交付されることが多いです。令和7年分は令和8年1月31日までに交付する必要があります。
受け取り方法
多くの会社は年末調整直後の給与明細に同封して渡します。ほかに人事部からの手渡し、郵送、または電子交付があるので、会社の案内を確認してください。
種類と主な用途
源泉徴収票は「税務署提出用」と「受給者交付用」の2種類があります。受給者交付用は確定申告や金融機関への提出に使います。税務署提出用は会社が税務署等の管理のために保管・提出します。
記載される主な項目(例)
- 支払金額(年間の給与総額)
- 源泉徴収税額(差し引かれた所得税)
- 社会保険料等の控除額
必要なときにすぐ使えるよう、受け取ったら大切に保管してください。
公的年金の源泉徴収票について
概要
令和6年分の公的年金等の源泉徴収票は、はがきでの郵送と電子データの2通りで受け取れます。はがきは令和7年1月8日から16日にかけて順次発送され、電子データは令和7年1月7日から10日にかけてマイナポータルの「お知らせ」に送付されます。電子送付を希望する場合は事前に電子送付希望の登録が必要です。
受け取り方法(3通り)
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郵送(はがき): 自宅の郵便受けに届きます。封筒ではなくはがきで届くため、見落としやすい点にご注意ください。住所変更がある場合は届かないことがあるため、事前に住所登録を確認してください。
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電子データ(マイナポータル): 電子送付希望登録をしている人は、マイナポータルの「お知らせ」にPDFなどのデータが届きます。届いたらダウンロードして保存してください。税務申告で使う場合は印刷して保管すると安心です。
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ねんきんネットでの確認・保存・印刷: ねんきんネットにログインすれば、年金情報とともに源泉徴収票を確認できる場合があります。画面から保存や印刷ができるため、手元に残したいときに便利です。
電子送付希望の登録・再交付
電子送付希望の登録はマイナポータルで行います。すでに登録していない場合や再度受け取りたい場合は、マイナポータルから再交付申請が可能です。手続き方法はマイナポータルの案内に従ってください。
注意点
届いたデータは税務申告や確定申告で必要になります。受け取り後は必ず内容を確認し、紛失しないよう保存しておくことをおすすめします。
源泉徴収票がもらえない場合の対応
給与所得者の場合
給与の源泉徴収票を紛失したら、まず勤務先の経理や人事に再発行を依頼してください。転職している場合でも、以前の勤務先に発行を依頼できます。会社が発行できる書類は多くの場合すぐ用意してもらえますので、氏名、生年月日、退職日(転職済みの場合)などを伝えると手続きがスムーズです。
公的年金受給者の場合
令和7年1月7日から、年金の源泉徴収票は再交付を申請できます。申請方法は主に三つです。
– ねんきんネット(電子送付):手続きが簡単で、受け取りが早いです。ログインが必要です。
– 電話(郵送、約2週間):電話で申し込み、郵送で受け取ります。到着までに日数がかかる点に注意してください。
– 年金事務所窓口(即日対応):急ぎのときに最も早く受け取れます。窓口での受け取りには基礎年金番号が必要です。
急ぎの場合の対応
急ぎで源泉徴収票が必要なら、年金受給者は年金事務所の窓口を利用してください。給与所得者は勤務先に事情を説明して優先的に対応を頼むと良いです。基礎年金番号や本人確認書類を事前に準備すると手続きが速く進みます。
会社が存在しない、連絡が取れない場合
企業が倒産・解散して連絡が取れない場合は、税務署や年金事務所に相談してください。確定申告時は給与明細や振込記録などで所得を証明することが可能な場合があります。税務署は代替証明の方法を案内してくれます。
再発行申請で用意するもの(目安)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 基礎年金番号(年金の場合)
- 退職日や氏名などの情報
必要な書類は窓口や勤務先によって異なるため、事前に問い合わせると安心です。
まとめ
ここまでの要点をわかりやすく整理します。
- 受け取り先と時期
- 給与所得者は勤務先から、主に12月〜翌年1月中旬に届きます。例えば会社員のAさんは年末に給与担当から受け取るのが一般的です。
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年金受給者は日本年金機構から、令和7年1月中旬ごろに発送されます。
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法定期限と対応
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法定の交付期限は翌年1月31日までです。確定申告に必要なので期限内の受け取りを確認してください。
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紛失・未着時の対処
- 紛失した場合は再発行が可能です。勤務先や年金事務所に連絡して手続きを依頼してください。
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急ぎで必要なときは担当窓口に直接行くと早く対応してもらえる場合があります。身分証明書を持参すると手続きがスムーズです。
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保管と確認のポイント
- 受け取ったら氏名・金額・支払者名を確認し、複数年分をまとめて保管すると便利です。
- デジタルで管理する場合は、取り扱いに注意し、第三者に見られないようにしてください。
不明点があれば、まず勤務先の総務担当か年金事務所に問い合わせると解決が早くなります。ひとつずつ確認して、確実に手続きしてください。


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