はじめに
この記事の目的
本記事は、離職票にマイナンバーが記載されていない場合に備え、理由や対処法をわかりやすくまとめたものです。離職票の受け取り方やマイナンバー未登録時の手続き、紐付け状況の確認方法などを順を追って説明します。
対象となる方
- 退職して離職票を受け取る予定の方
- 会社から離職票が届いたがマイナンバーが記載されていない方
- マイナンバーの登録や確認手続きをこれから行う方
本記事の読み方
全9章で構成しています。第2章以降で具体的な理由や対処法、第5章で登録手順、第7章で届かない場合の対応、第8章で将来の受け取り方法について解説します。まずは概要を把握し、必要な章に進んでください。
注意点
個別ケースによって手続きが異なります。必要に応じてハローワークや市区町村窓口にご相談ください。
離職票とマイナンバーの関係
制度の背景
平成28年(2016年)以降、マイナンバーは行政手続きで広く使われるようになり、離職票にもマイナンバーの記載が基本になりました。離職票は雇用保険の手続きで使う重要書類です。
どのように記載されるか
通常は、在職中に会社へ提出したマイナンバーを基に事業主が離職票に記載します。会社の事務担当者が登録・転記して作成しますので、提出情報が正しく反映されます。
記載がない主な原因
- 会社側の事務処理ミスや入力漏れ
- そもそも従業員がマイナンバーを提出していない
- システム不具合や用紙管理の行き違い
まず確認すること
- 退職前に会社へマイナンバーを提出したか確認してください。2. 提出済みなら会社の総務や人事に記載の有無を問い合わせましょう。
事業主の責任と対応
事業主は正確な記載と速やかな発行に責任があります。記載漏れがあれば会社に訂正・再発行を依頼してください。必要ならハローワークへ相談できます。
受け取る側の注意点
離職票にマイナンバーがないと手続きで遅れが出る場合があります。急ぐ場合は身分証明書や提出済みの控えを用意しておくと対応がスムーズです。
離職票にマイナンバーが記載されていない理由
概要
離職票にマイナンバーが記載されていない主な理由は、会社がハローワークへマイナンバーを届け出ていないためです。制度導入前や資格取得時に情報登録がなかった場合、紐付けがされていないことが多く見られます。
よくある原因
- 会社がマイナンバーを提出していない:手続きが漏れている、あるいは担当者が把握していない場合があります。
- 制度導入前の雇用:2016年1月以前に入社していると、資格取得時にマイナンバーが登録されていないことがあります。
- 資格取得時の未登録:雇用保険の資格取得手続きでマイナンバーが記載されていないケースです。
稀なケース(記載ミスなど)
- 事務手続きの誤り:記載漏れや入力ミスで記載されないことがあります。
- 個人情報保護の対応:慎重に扱うあまり届出が遅れた例もあります。
まず確認すること
- まずは前の勤務先にマイナンバーをハローワークへ提出したかどうかを確認してください。直接問い合わせると早く解決します。
- ハローワークに問い合わせると、記載がない理由を教えてもらえる場合があります。
この章では、記載がない代表的な理由を分かりやすく説明しました。具体的な対処法は次章で詳しく説明します。
マイナンバー未登録時の離職票発行・受け取り
マイナンバーが雇用保険被保険者番号と紐付いていない場合でも、離職票は基本的に発行されます。ここでは発行される仕組みと受け取り方法をやさしく説明します。
離職票の発行はどうなるか
雇用主が退職手続きをハローワークへ届け出れば、ハローワークが離職票を作成します。マイナンバーの紐付けがなくても紙の離職票は郵送で受け取れますが、マイナポータルなどの電子サービスでの受け取りはできません。
自分でできる確認方法
マイナンバーと雇用保険の紐付け状況は、マイナポータルの「わたしの情報」で確認できます。ログインして表示がなければ未登録と判断できます。
会社側での確認方法
会社はハローワークに提出する「雇用保険適用事業所情報請求書」などを通じて登録の有無を確認できます。必要があれば社内の総務・人事に確認してください。
受け取りで気を付けること
- 早めに離職票が必要な場合は、まず会社にハローワークへの届出を済ませてもらってください。会社が届け出ることでハローワークが発行します。
- 郵送先住所に間違いがないか確認してください。住所変更があると届きません。
- もし離職票が届かないときは、会社か最寄りのハローワークに問い合わせてください。
次章では、未登録時にマイナンバーを登録する具体的な手順を説明します。
マイナンバー未登録時の登録手順
準備するもの
- マイナンバーカードのコピー、または個人番号が記載された書類(通知カードや住民票の写し)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 前職の被保険者番号が分かる書類(あれば)
会社への依頼方法
- まず勤務先の総務・人事に「マイナンバー未登録なので個人番号登録・変更届を出してほしい」と伝えます。口頭だけでなくメールで依頼しておくと記録が残り安心です。会社が手続きを代行します。
提出の流れ
- 会社が「個人番号登録・変更届」に必要事項を記入します。
- あなたは本人確認書類とマイナンバー確認書類のコピーを会社に提出します。原本の提示を求められることがあります。
- 会社がハローワークに届出を提出します。ハローワークで登録が完了すると、雇用保険の記録にマイナンバーが反映されます。
前職と現職で被保険者番号が異なる場合
前職の被保険者番号が分かると手続きがスムーズです。番号が異なる旨を届出に記載し、必要に応じて前職の離職票などを添付します。前職の情報が無い場合は会社とハローワークで確認してもらいます。
処理後の確認と注意点
- 登録後、会社またはハローワークから連絡があります。離職票や年金・保険の手続きに影響するため、反映を必ず確認してください。
- マイナンバーの扱いは厳重に管理します。コピーの渡し方や保管方法は会社に確認してください。
マイナンバーが分からない場合の対処法
まず自宅で確認する
保管している書類を順に確認します。多くの人は「個人番号通知書(通知カード)」や、過去に受け取った封筒、給与明細の控えに番号を書いている場合があります。身分証と一緒に保管していないか探してください。
会社に確認する
会社は雇用関係の手続きで番号を預かっていることがあります。総務や人事に「マイナンバーの確認方法」を問い合わせると、本人確認のうえ教えてもらえる場合があります。
市区町村役場で住民票を取得して確認する
通知カードが見つからない場合、住民票(個人番号記載あり)を役場で取得すると番号を確認できます。窓口で本人確認書類が必要で、手数料がかかります。窓口で「住民票(個人番号記載)」を希望すると伝えてください。
マイナンバーカードを申請する
マイナンバーカードを作れば、カードで番号を確認できます。申請方法や必要書類は市区町村で案内を受けてください。
注意点
番号は重要な個人情報です。電話やメールで安易に伝えないようにしてください。役所や会社で確認するときも、本人確認が必ず行われます。
離職票が届かない・もらえない場合の対応
主な原因
- 会社側でハローワークへの手続きが遅れている
- 会社があなたのマイナンバーを未登録・未連携のままになっている
- 送付先住所の誤りや郵便事故
まずやること(優先順位)
- 会社に連絡して、離職票の発行状況と送付先を確認します。電話だけでなくメールや書面で依頼を残すと安心です。
- マイナンバー未登録なら、登録手続きを依頼してください。登録後に再発行してもらえることがあります。
- 郵送トラブルが疑われる場合は、会社に再送や手渡しをお願いしましょう。
ハローワークでの対応
- 会社が手続きを怠っている、または発行が遅れるときは、最寄りのハローワークに相談します。本人確認書類と離職日が分かる資料(給与明細、雇用契約書など)を持参してください。ハローワークから会社へ確認や指導が入ることがあります。
代替書類で手続きできる場合
- どうしても離職票が間に合わないときは、給与明細や退職証明書で失業給付や年金切替の一部手続きができる場合があります。事前に窓口で確認しましょう。
やり取りのコツ
- 連絡は記録に残す(メール、郵送の控え)。
- 再発行依頼は具体的に「いつまでに必要か」を伝える。
- 会社が応じない場合はハローワークに相談し、指導を依頼してください。
上記を順に進めれば、多くの場合は解決します。迷ったらまずハローワークに相談することをおすすめします。
2025年1月以降の新サービス:マイナポータルでの離職票受け取り
サービス開始日
2025年1月20日から、マイナポータルを通じて離職票を直接受け取れるサービスが始まりました。従来の紙に加え、電子での受け取りが可能になります。
利用条件(主な3点)
- ハローワークにマイナンバーが登録されていること:失業給付手続きと連携するためです。
- マイナンバーカードを取得し、マイナポータルの利用手続きを済ませていること:ログインして受け取れるようにします。
- 会社が電子申請で離職手続きを行っていること:事業主側が対応している場合のみ電子送付されます。
利用の流れ(簡単)
- マイナンバーカードでマイナポータルにログインします。2. 通知が届いたらマイページで離職票を確認・ダウンロードします。3. 必要に応じて印刷して使用してください。
紙の離職票になる場合
上記のどれかが満たされないと、従来どおり会社から紙の離職票が送付されます。電子受け取りは雇用保険手続きの効率化が目的です。
注意点
- マイナポータルの通知を見落とすと手続きが遅れることがあります。ログイン情報は安全に管理してください。
- 会社やハローワーク側の手続きに時間がかかることがあります。疑問があればまず勤務先に確認し、それでも不明ならハローワークへ相談してください。
離職票にマイナンバーがない場合の注意点
- はじめに
離職票にマイナンバーが記載されていないと、失業給付や各種手続きで手続きが止まることがあります。できるだけ早めに登録や確認を行いましょう。
- マイナンバー未記載で生じる主な影響
・ハローワークでの失業認定や給付申請の際に番号提示が求められる場合があります。
・税務や社会保険の処理で照合が遅れ、手続きが長引く可能性があります。
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まず行うこと(具体的手順)
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会社に連絡して、雇用側でマイナンバーが登録されているか確認します。2. マイナンバーをまだ提出していない場合は、通知カードやマイナンバーカードの写しを用意し、会社の指示に従って提出してください。3. ハローワークへ行く必要がある場合は、本人確認書類とマイナンバーを持参して相談します。
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離職票の記載に誤りや不足があった場合
誤った項目(離職理由や給付に関わる日数など)があれば、まず会社に修正・再発行を依頼してください。会社で対応が難しいときは、ハローワークで訂正の手続き方法を案内してもらえます。
- 個人情報の扱いに関する注意
マイナンバーは慎重に扱ってください。写真や電子データを送る際は、安全な方法で渡すようにしましょう。会社と連絡が取れない場合は、ハローワークに相談して対処法を確認してください。


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