はじめに
背景と目的
本資料は、退職日をメールで報告する際の適切な表現や構成を分かりやすくまとめたものです。社内一斉送信、上司・同僚・取引先それぞれの宛先に応じた書き方と例文を紹介します。退職日や最終出社日の記載方法、感謝の伝え方など、ビジネスマナーに基づく実務上の注意点を扱います。
想定する読者
退職を予定している社員、退職連絡を準備する担当者、人事部の方を想定しています。メール文面に自信がない方でも、例文を元に簡単に調整できるようにしています。
本章で学べること
・メールで伝える際の基本的な心構え
・必ず盛り込むべき情報（退職日・最終出社日・引継ぎ・連絡先）
・送信タイミングや宛先の注意点
メール作成の基本的な心構え
丁寧で簡潔に、事実を明確に伝えることを第一にします。感謝は必ず盛り込みますが、長くなりすぎないように注意してください。社内規定がある場合は、人事に確認してから送信してください。
退職挨拶メールの基本構成
退職日をメールで伝えるときは、相手に伝わりやすく、失礼のない構成にします。基本は「件名」「報告部分」「退職日の記載」「お礼の部分」「結びの文」の5つです。以下で順に説明します。
件名
簡潔に目的を示します。例：「退職のご挨拶（山田太郎）」「退職のご報告／山田太郎」。件名で内容が分かれば、受信者が開きやすくなります。
報告部分
冒頭で退職する旨を謙虚に伝えます。主語を明確にし、感情表現は控えめに。例：「私事で恐縮ですが、このたび退職することになりました。」という一文を置きます。
退職日の記載
退職日と最終出社日を具体的に書きます。例：「退職日：2025年3月31日（最終出社日：同月27日）」。手続きや引継ぎの期日がある場合は短く触れます。
お礼の部分
指導や支援への感謝を述べます。具体例を一つ入れると印象が良くなります。例：「在職中は多くのご指導をいただき、心より感謝しております。特に○○プロジェクトでの助言は大変勉強になりました。」
結びの文
締めは手短にします。今後の連絡先を載せる場合は明記し、相手の活躍を祈る言葉で終えます。例：「末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。」
ポイント：丁寧で簡潔にまとめ、長文になりすぎないよう注意してください。
社内向け一斉送信の場合のメール例文
概要
件名は「退職のご挨拶（名前）」とし、関係者各位や部署の皆様に向けて一斉送信します。本文では一身上の都合で退社すること、最終出社日、在職中の感謝を明確に伝えます。直接の挨拶が難しい場合は謝罪文を入れ、引継ぎ先や連絡先を記載すると親切です。
送信時のポイント
- 宛先は部署名や関係者各位を基本とします。個別に感謝を伝えたい相手には別途メールや挨拶をします。
- 最終出社日を明記します。引継ぎ担当者が決まっている場合は名前と連絡先を添えます。
- フォーマルな文面を基本とし、差し支えなければ連絡先を最後に記載します。
例文（フォーマル）
件名: 退職のご挨拶（山田太郎）
関係者各位
平素よりお世話になっております。営業部の山田太郎です。このたび一身上の都合により、○年○月○日をもって退職することとなりました。最終出社日は○月○日です。在職中は皆様に大変お世話になり、心より感謝申し上げます。直接ご挨拶できず失礼いたします。引継ぎは田中太郎（tanaka@example.com）が担当いたします。今後とも変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます。
山田太郎
営業部
内線:1234
例文（ややカジュアル・馴染みのある部署向け）
件名: 退職のご挨拶（山田）
部署の皆様へ
お疲れ様です。山田です。このたび一身上の都合により○月○日をもって退職します。在職中は本当にお世話になりありがとうございました。直接ご挨拶できず失礼します。引継ぎは佐藤が行いますので、何かありましたら佐藤までご連絡ください。
山田
注意点
- 宛先の設定（To/CC/BCC）に注意し、個人情報が不要に流れないようにします。人事や直属の上司をCCに入れるとスムーズです。
- 送信タイミングは業務開始後の午前中が無難です。
必要があれば、具体的な氏名や日付を入れた文面を作成します。
上司への報告メールの例文
件名: 【ご挨拶】退職のご報告
例文（丁寧・正式）
〇〇部長
お疲れさまです。○○（氏名）です。突然のメールで失礼いたします。直接ご挨拶できず申し訳ありません。
このたび、一身上の都合により◯年◯月◯日をもって退職することになりました。在職中は「プロジェクトA（例：新製品開発）」をはじめ、多くのご指導とご助言を賜り、心より感謝しております。特に◯◯の進め方や判断の仕方を教えていただいたことは今後の糧になります。
引き継ぎは□□さんと進めており、必要な資料は共有済みです。ご確認いただきたい点やご指示がありましたらお知らせください。
短い間でしたが、大変お世話になりました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
○○（氏名）
部署名／連絡先
例文（簡潔）
部長 お疲れさまです。○○です。突然のご連絡で失礼します。◯年◯月◯日をもって退職いたします。在職中はご指導ありがとうございました。引き継ぎは進めておりますが、不明点があればご連絡ください。今後ともよろしくお願いします。
ポイント
- 件名は明確に「退職のご報告」とする。
- 直接報告できない場合は冒頭で謝罪する。
- 具体的なプロジェクト名や助言への感謝を述べると印象が良くなる。
- 退職日と引き継ぎ状況、連絡先を必ず明記する。
同僚へのメールの例文
件名: 【ご挨拶】退職のご報告
ポイント:
– 親しみやすいトーンで、でも丁寧に書きます。
– 在職期間や一緒に取り組んだ具体的な仕事や思い出を一つ二つ挙げて感謝を伝えます。
– 連絡先の共有は任意ですが、今後の健康や活躍を祈る一文で締めます。
例文（親しい同僚向け・短め）:
皆様へ
このたび、○月○日をもちまして退職することになりました。入社以来、○○プロジェクトや飲み会での楽しい時間など、皆さんと過ごした日々は私の宝物です。特に△△の対応を一緒に乗り越えた経験は忘れません。短い間でしたが本当にありがとうございました。今後の皆様のご活躍とご健康を心よりお祈りしています。
例文（部署全体向け・やや詳しく）:
皆様へ
突然のご連絡で失礼します。私、○○は○月○日付で退職することとなりました。在職中は□□業務の改善や○○システム導入に携わり、皆様のご協力で多くを学びました。特に××さんとは遅くまで議論を重ねたことが印象に残っています。感謝の気持ちでいっぱいです。連絡先は△△（任意）です。皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
社外向け（取引先）メールの例文
件名例
退職のご挨拶（自社名）（氏名）
本文テンプレート（正式）
拝啓 平素より大変お世話になっております。○○株式会社の（氏名）でございます。
私事で恐縮ですが、このたび一身上の都合により、（退職日）をもちまして退職することになりました。在職中は（取引先名）様の（プロジェクト名）において格別のご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
後任は（後任者氏名）（役職）で、今後の窓口は（メールアドレス／電話番号）です。引き継ぎは既に進めており、ご不明点があれば私または後任までご連絡ください。
短い間ではございますが、これまでのご厚情に深く御礼申し上げます。今後とも貴社のご発展をお祈り申し上げます。
敬具
（氏名）
（会社名・部署名・役職）
（連絡先）
本文テンプレート（簡潔）
いつもお世話になっております。○○株式会社の（氏名）です。
このたび（退職日）をもちまして退職することになりました。在職中は（プロジェクト名）等で大変お世話になり、ありがとうございました。
後任は（後任者氏名）です。今後のご連絡は（メール／電話）までお願いいたします。
短くなり恐縮ですが、まずは御礼まで。
書き方のポイント
- 件名は一目で分かるように簡潔に記載します。取引先では正式な表現を優先します。
- 退職日と後任の連絡先は必ず明記します。相手が安心できます。
- 個別のプロジェクトでの感謝を一文添えると誠意が伝わります。
- 私的な連絡先を載せる場合は相手の負担にならない表現にします。
署名例
氏名／会社名・部署・役職／会社電話／メールアドレス
以上を参考に、取引先ごとに一文を調整してお送りください。
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