退職届をメールで提出する際の注意点と書き方完全解説

目次

はじめに

この章では、本ドキュメントの目的と対象、全体の構成をわかりやすく説明します。

目的

退職届をメールで提出する際に、法的妥当性やマナー、書き方のポイントを整理し、安全かつ円滑に手続きを進められるようにすることが目的です。会社への印象を損なわず、トラブルを避ける実践的な方法を示します。

対象読者

在職中で退職を考えている方、人事担当者、管理職の方など、実際にメールで退職届を扱う可能性があるすべての方を想定しています。

本書の使い方

項目ごとに順を追って確認してください。まずは法的な基本と会社規則の確認を優先し、その後に件名や本文、添付ファイルの作り方、一斉送信の注意点など実務的な部分に進んでください。必要に応じて実例の文例を参照し、テンプレートとして活用できます。

注意点

社内規定や就業規則を最初に確認し、口頭での事前連絡も行っておくと安心です。重要なやり取りは必ず控えを保存してください。

メール提出の法的妥当性

法律上の扱い

民法上、退職の意思表示は相手方に到達した時点で効力を生じます。したがって、内容が相手に届けば書面に限らずメールやチャットでも法的に有効です。たとえば上司がメールを受信・確認した時点で意思表示が到達したと扱われます。

退職予告期間

一般的な退職予告期間は1か月です。就業規則や労働契約で別の定めがある場合はそちらが優先します。退職日を決める際は必ず就業規則や雇用契約を確認してください。

提出方法の制限はないが

法的には提出方法に厳格な制限はありませんが、会社側が書面の原本提出を求めることがあります。重要書類の手続きや年金・保険処理のために原本が必要なケースもあるため、事前に人事に確認することをお勧めします。

マナーと実務上の注意点

社会人のマナーとしては、まず口頭で上司に伝え了承を得てからメールで正式に提出するのが望ましいです。メールで送る場合は受領確認を求め、添付ファイルはPDF等の汎用形式にしてください。勝手に一方的に送るとトラブルになりやすいので、配慮ある手順を心がけましょう。

事前確認と準備事項

退職をメールで提出する前に、社内ルールや必要な準備を確実に整えましょう。以下の項目ごとにチェックすると手続きがスムーズになります。

就業規則と退職手続きの確認

就業規則で退職の届出方法や必要な期間を確認します。提出先や承認の流れも明記されていることが多いので、まずは目を通してください。

提出期限と受理方法の確認

退職の申し出が何日前までに必要か確認します。メール提出の場合は、受理の証拠(受領返信や受理書)をもらえるかを確認すると安心です。

社内書式や人事への確認

会社独自の退職届フォーマットがあるか、人事に事前に問い合わせてください。署名や押印、ファイル形式(PDF推奨)も確認します。

上司への事前相談

メール送付前に直属の上司へ口頭やチャットで一報を入れると誤解が少なくなります。時期や理由は簡潔に伝えましょう。

添付ファイルと保存

提出用の書類はPDFで保存し、自分用に控えを必ず残します。送信後は送信済みメールや返信を保存してください。

引継ぎ準備

退職日までに担当業務や重要情報を整理し、引継ぎメモを作成します。引継ぎ先や期限を明確にしておくと後々のトラブルを防げます。

メールの件名の書き方

概要

メールの件名は一目で用件が分かるよう、簡潔かつ具体的に書きます。書面の表書きと同じ役割を果たし、受け取る側の混乱を防ぎます。

基本の書き方

  • 先頭に【退職届】や【退職願】など文書の種類を入れます。
  • 氏名はフルネームで記載します。
  • 必要なら提出日や退職日を添えます(例:提出日:2025/12/01)。

具体例

  • 退職届 山田太郎
  • 【退職届】送付 山田太郎
  • 【退職願】提出(山田太郎)
  • 【退職届】送付(山田太郎)提出日:2025/12/01

状況別のポイント

  • 上司へ直接送る場合:件名に「報告」や「提出」を入れると丁寧です。
  • 総務や人事宛て:書類名と氏名、提出日を明記すると処理が早まります。

注意点

  • あいまいな表現は避けます(例:「ご相談」「重要」だけでは不十分)。
  • 件名が長くなりすぎないよう、要点を絞ります。
  • 社内ルールがある場合はそれに従ってください。

短く明確な件名は受け取り側の負担を減らします。丁寧で分かりやすい表記を心がけましょう。

本文の構成と記載事項

必須で記載する項目

  • 退職希望日(具体的な日付)
  • 提出日
  • 所属部署と氏名
  • 宛先(上司や人事担当者の氏名)

本文の流れ(おすすめの構成)

  1. 時候の挨拶(簡潔に)
  2. 退職の意向表明(「退職したい意向です」など明確に)
  3. 理由の簡潔な説明(詳細は不要、例:家庭の事情や健康上の都合)
  4. お詫びと感謝の言葉(業務に迷惑をかける点への配慮)
  5. 今後の対応(引継ぎや最終出勤日の調整について)

書き方のポイント(具体例)

  • 例文: “このたび、一身上の都合により○月○日をもって退職いたしたく存じます。”
  • 理由は簡潔に:長々と説明せず、要点だけにする
  • 感謝は具体的に:”お世話になりました”に加え業務名などを入れると丁寧です

注意点

  • 感情的な表現は避ける
  • 機密情報や社内批判は書かない
  • 宛先や日付に誤りがないか必ず確認する
  • 添付ファイルがある場合は本文で明記する(例:退職届を添付しました)

挨拶と退職の意思表示

冒頭の挨拶

メールはまず丁寧な挨拶で始めます。例:「いつもお世話になっております。○○部の△△です。」短く自分を名乗ると相手が分かりやすくなります。

退職の意思表示の書き方

挨拶の後に退職の意思を明確に断定表現で伝えます。具体的な文例を使うと誤解が生じにくいです。例:「私事で恐縮ですが、このたび一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたします。」

退職理由の表現

自己都合の場合は「一身上の都合」と記載します。会社や上司への不満は書かないでください。理由を書く必要がない場合は省略して構いません。

感謝の一言

退職の意思を伝えた後に、簡潔な感謝の言葉を添えます。例:「これまでお世話になり、ありがとうございました。」

宛先と文体の注意

宛先はまず直属の上司と人事部が基本です。文体は丁寧語で統一し、感情的な表現や詳しい事情説明は避けます。退職日や引継ぎに関する相談は別途打ち合わせで行う旨を添えると親切です。

例文(短め)

「いつもお世話になっております。○○部の△△です。私事で恐縮ですが、一身上の都合により○年○月○日をもって退職いたします。これまでお世話になり、ありがとうございました。引継ぎ等につきましては改めてご相談させてください。」

ファイル形式での提出方法

概要

退職届をファイルで添付する場合は、本文を簡潔にして添付を明記します。受け取る側が開きやすい形式で送ることが大切です。

推奨ファイル形式

  • PDF:レイアウトが崩れず、最も無難です。ファイル名や署名もそのまま残ります。
  • Word(.docx):受領者が編集して処理する必要がある場合に限ります。事前に確認してください。
  • 画像(JPEG/PNG):手書きで署名・捺印した用紙をスキャンする場合に使います。解像度を高めにしてください。

ファイル名の付け方

例:「退職届_山田太郎.pdf」のように内容と氏名を入れます。どこに何が入っているか一目で分かります。

添付時の本文の書き方(例)

・退職届を添付いたしました。ご確認のほどお願い申し上げます。
・添付ファイル「退職届_山田太郎.pdf」をご覧ください。何か不備があればご指示ください。

署名・捺印の扱い

手書き署名や捺印が必要なら、原本をスキャンしてPDFにします。電子署名を用いる際は、事前に受領側の合意を得てください。

送付前のチェックリスト

  • 添付ファイルを開いて内容と署名を確認する
  • ファイル名が適切か確認する
  • ファイルサイズが大きすぎないか確認する(必要なら圧縮)
  • パスワードをかける場合は別途連絡する

以上を守ると、受け取り側にとって分かりやすく、スムーズに手続きが進みます。

退職願と退職届の使い分け

違いの基本

退職願は「退職したいと願い出る」文書です。会社が受理するまでは撤回できます。退職届は「退職を届け出る」文書で、受理されれば効力が確定します。性質は退職願が柔らかく、退職届が正式です。

どちらを使うかの目安

  • 相談段階や上司と調整が必要なとき:退職願を使います。意向を伝え、引き継ぎや退職日を相談できます。
  • 退職条件が固まり、正式に手続きを進めたいとき:退職届を提出します。入社規程や就業規則で届け出が求められる場合もあります。

文面と提出方法の違い

退職願は理由や希望日を柔らかく書き、撤回の可能性を残す表現が許されます。退職届は断定的な文言で作成し、押印や署名を求められることが多いです。提出は紙での手渡しが基本ですが、会社の運用によってはメール添付でも受け付けられます。

撤回・受理の注意点

退職願は口頭や書面で撤回できますが、相手の同意が必要です。退職届は受理後の撤回が難しいため、提出前に必ず上司や人事と確認してください。

書くときのポイント

  • 就業規則を確認する
  • 退職日と引き継ぎ案を用意する
  • 相談は口頭で先に行い、書面はその後に出す
  • 重要な書類はコピーを保管する

以上を参考に、状況に応じて退職願と退職届を使い分けてください。

一斉送信時の注意点

概要

社内向けに退職挨拶を一斉送信するときは、受信者のプライバシー保護が最優先です。宛先の見え方ひとつで個人情報が漏れることがあります。

宛先の選び方(TO/CC/BCCの使い分け)

  • TO: 宛先は自分のアドレスか代表アドレスにします。多数をTOに並べないでください。
  • CC: 特定の少人数に情報共有が必要なときのみ使用します。
  • BCC: 大人数に送るときは必ずBCCを使い、他人のメールアドレスが見えないようにします。

件名と本文での配慮

件名は簡潔に「退職のご挨拶(氏名)」などとし、本文では感謝と今後の連絡先を短く記載します。全員返信(Reply All)を避ける旨を一文添えると親切です。

個人情報の扱い

氏名やメールアドレス以外の個人情報は記載しないでください。部署や業務上の連絡先だけにとどめます。

送信前の最終確認チェックリスト

  • 宛先がBCCになっているか確認
  • 添付ファイルに個人情報が含まれていないか確認
  • 件名・本文に誤字脱字がないか確認

送信後の対応

万が一誤送信した場合は速やかに上司や情報システムに連絡し、指示に従って対応してください。

退職届メール提出時の注意点まとめ

件名と宛名の正確さ

件名は「退職届(氏名)」「退職のご提出(氏名)」など簡潔にします。宛名は上司や人事部署の正しい役職・氏名を確認して記載してください。

退職の意思・理由・退職日の明記

退職の意思は明確に伝え、理由は簡潔に述べます。退職日は就業規則に従い、具体的な日付を記してください。

提出時期と上司への事前連絡

正式なメール送付前に口頭で上司に連絡し、提出の了承を得ます。就業規則に定められた期間を守りましょう。

添付ファイルと保存

退職届を添付する場合はPDFなど改ざんされにくい形式にします。送信後は控えを保存し、受領の確認を求めてください。

語調と礼儀

丁寧な表現で簡潔に書き、感謝の意を忘れず伝えます。感情的な表現や不必要な細部は避けます。

トラブル回避のための確認事項

送信先、件名、添付の有無、退職日を二重に確認してください。必要なら人事窓口へ事前に相談すると安心です。

実例:退職願のメール例文

添付ファイルで提出する例

件名: 【退職願】の送付(山田太郎)

本文:
部長 山田太郎です。いつもお世話になっております。
このたび、退職願を提出させていただきます。詳細は添付ファイル(退職願_山田太郎_2025.pdf)をご確認ください。退職希望日は2025年6月30日です。業務の引継ぎは責任を持って行います。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

署名:
山田太郎
内線: 1234
メール: yamada@example.com

添付ファイル名の例: 退職願_山田太郎_2025.pdf(PDF推奨)


本文に記載する例

件名: 【退職願】(山田太郎)

本文:
部長 山田太郎です。いつもお世話になっております。
このたび、一身上の都合により2025年6月30日をもって退職したく、ここに退職願を提出いたします。業務の引継ぎは速やかに実施し、必要な資料は整えます。ご確認とご指示をお願い申し上げます。

署名:
山田太郎
内線: 1234
メール: yamada@example.com

ポイント:
– 添付する場合はPDFで保存し、氏名と日付をファイル名に含めます。
– 上司に個別送信し、CCは必要最小限にします。
– 丁寧な挨拶と退職希望日を明確に記載してください。

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