離職票の要件緩和とは?対象になる条件と30日以上の考え方・記載ポイントを解説

目次

はじめに

「離職票の要件緩和って、どのような場合に対象になるの?」
「“30日以上”という条件は、どこからどこまで数えればいい?」と迷っていませんか。

離職票を作成する際、病気やけが、育児などで長期間働けなかった期間があると、通常の離職票と同じ考え方で記載してよいのか、賃金支払基礎日数や期間をどう扱うのか分からず迷ってしまうことがありますよね。

この記事では、離職票の要件緩和が適用される条件や30日以上の考え方、離職票を作成するときの記載ポイントまで順を追って説明していきます。

離職票の「要件緩和」とは?

離職票に関する「要件緩和」とは、雇用保険の基本手当の受給資格を確認する際に、通常よりも長い期間までさかのぼって被保険者期間を算定できる仕組みです。

ここでは、通常の受給資格の考え方から、算定対象期間を延長できるケース、最長4年間まで延ばせる仕組みについて説明します。

通常は離職前2年間の被保険者期間で受給資格を判断する

雇用保険の基本手当は、原則として離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あるかどうかで受給資格を判断します。

被保険者期間は、賃金支払基礎日数が11日以上ある月、または労働時間が80時間以上ある月を1か月として数えるため、まずは離職前2年間の加入状況を確認しましょう。

病気やケガなどで賃金を受けられない期間があると算定対象期間を延長できる

離職前2年間に、病気やケガなどで引き続き30日以上賃金を受けられなかった期間がある場合は、その期間を加えて受給資格を判断できることがあります。

通常の2年間では被保険者期間が足りなくても、それ以前の期間までさかのぼることで受給資格を満たせる場合があります。

要件緩和では算定対象期間を最長4年間まで延ばせる

要件緩和によって期間を延長できる場合でも、さかのぼれるのは離職前から最長4年間までです。

そのため、賃金を受けられなかった期間が長い場合でも、受給資格の確認に使える期間には上限があることを覚えておきましょう。

離職票の要件緩和が認められる主なケース

離職票の要件緩和は、離職前に一定期間、賃金を受けられなかった事情がある場合に認められることがあります。

ここでは、30日以上賃金を受けられなかった場合を中心に、要件緩和の対象となる主なケースを説明します。

病気やケガで30日以上賃金を受けられなかった場合

病気やケガで働けず、引き続き30日以上賃金を受けられなかった期間がある場合は、要件緩和の対象になることがあります。

その期間を離職前2年間に加えることで、通常より前までさかのぼって被保険者期間を確認できます。

出産や育児などで30日以上賃金を受けられなかった場合

出産や育児などで働けず、引き続き30日以上賃金を受けられなかった場合も、要件緩和の対象になることがあります。

対象となる期間を離職前2年間に加えて、受給資格を満たしているか確認します。

事業所の休業や海外勤務などで賃金を受けられなかった場合

事業所の休業や海外勤務などによって、30日以上賃金を受けられなかった場合も、要件緩和が認められることがあります。

該当する期間を加えたうえで、延長された期間内の被保険者期間を確認します。

要件緩和の「30日以上」はどう判断する?

要件緩和の対象になるかを確認する際は、「30日以上」をどのように数えるのかが重要です。

ここでは、要件緩和における「30日以上」の具体的な判断方法を説明します。

30日ちょうどでも要件緩和の対象になる

要件緩和では、賃金を受けられなかった期間が30日ちょうどの場合も「30日以上」に含まれます。

そのため、対象となる理由で30日間賃金を受けられなかったことが確認できれば、算定対象期間を延長できる場合があります。

途中に出勤日があっても対象期間を合計して判断するケースがある

賃金を受けられなかった期間の途中に出勤日があっても、一定の条件を満たせば対象期間を合計して判断する場合があります。

出勤日があるだけで対象外と考えず、実際の賃金の支払い状況や対象となる期間を確認しましょう。

休職期間と賃金を受けていない期間が一致するとは限らない

会社で定められた休職期間と、要件緩和の対象となる期間は必ずしも一致しません。

休職中でも賃金を受けている期間があれば対象にならない場合があるため、実際に賃金を受けられなかった期間を確認することが大切です。

要件緩和を使うと離職票の算定対象期間はどう変わる?

要件緩和が適用されると、通常の離職前2年間だけでなく、賃金を受けられなかった期間を加えて、さらに過去へさかのぼって被保険者期間を確認できるようになります。

ここでは、要件緩和によって算定対象期間がどのように変わるのかを説明します。

通常の2年間では被保険者期間が足りない場合の考え方

通常は、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あるかを確認します。

12か月に届かない場合でも、要件緩和の対象となる期間があれば、算定対象期間を延長して受給資格を判断できることがあります。

病気などで賃金を受けられなかった期間を加えて過去にさかのぼる

病気などで30日以上賃金を受けられなかった期間がある場合は、その日数を離職前2年間に加えて過去へさかのぼります。

たとえば対象期間が6か月であれば、離職前2年6か月まで広げて被保険者期間を確認します。

すでに受給要件を満たしている場合でも記載が必要になることがある

離職前2年間ですでに受給要件を満たしていても、要件緩和の対象期間について離職証明書への記載が必要になる場合があります。

会社側で判断して省略せず、対象となる期間がある場合は記載の要否を確認しておきましょう。

要件緩和に該当する場合の離職票の記載・確認ポイント

要件緩和に該当する場合は、対象となる期間を離職票で確認できるようにすることが重要です。

ここでは、要件緩和に該当する場合の離職票の記載内容と確認しておきたいポイントを説明します。

会社側は離職票に要件緩和の対象期間などを記載する

要件緩和に該当する期間がある場合、会社側は離職証明書に賃金を受けられなかった期間や理由などを記載します。

これらの情報をもとに、ハローワークが算定対象期間を延長して受給資格を確認します。

診断書など対象期間を確認できる書類が必要になる場合がある

要件緩和を受ける際は、賃金を受けられなかった期間や理由を確認できる書類が必要になる場合があります。

病気やケガであれば診断書などを求められることがあるため、必要な書類をハローワークへ確認しましょう。

記載漏れがある場合は会社やハローワークに確認する

離職票を受け取ったら、要件緩和の対象期間が正しく反映されているか確認しましょう。

記載がない場合や実際の期間と異なる場合は、会社へ確認したうえで、必要に応じてハローワークへ相談します。

離職票のどこを確認・記入すればよいか分からない場合は、本人が書く欄や確認ポイントも確認しておきましょう。
▶離職票で自分が書くところはどこ?離職票1・2の書き方を解説

離職票の要件緩和で迷いやすいケース

離職票の要件緩和では、休職や欠勤の状況によって対象になるか判断に迷うことがあります。

ここでは、要件緩和で迷いやすいケースごとに確認すべきポイントを説明します。

長期間休職してから退職した場合

長期間休職したまま退職した場合は、休職期間のうち実際に賃金を受けられなかった期間を確認します。

要件緩和の対象になれば、その期間を加えて最長4年間までさかのぼり、被保険者期間を確認できます。

短期間の欠勤を繰り返して合計30日以上になった場合

短期間の欠勤を繰り返し、賃金を受けられなかった日数が合計30日以上になっても、必ず要件緩和の対象になるとは限りません。

対象となる事情や賃金の支払い状況によって判断されるため、分からない場合はハローワークへ確認しましょう。

過去の離職票と合わせて受給資格を判断する場合

現在の勤務先だけで被保険者期間が足りなくても、一定の条件を満たせば、前の勤務先で加入していた期間を通算できる場合があります。

過去の離職票が手元にある場合は、現在の離職票とあわせてハローワークへ提出し、受給資格を確認しましょう。

過去の離職票が手元になく、再発行できるのか気になる場合は、再発行の手続きや申請先も確認しておきましょう。
▶離職票は再発行できる?必要な手続きや申請方法を解説

まとめ

離職票の要件緩和は、病気やケガ、出産・育児などで長く賃金を受けられなかった方が、通常の算定対象期間だけでは受給資格を満たせない場合に関わる仕組みです。

条件に当てはまれば、離職前2年間より前の被保険者期間まで含めて判断してもらえる可能性があります。

ただし、休んだ日数だけで決まるわけではなく、賃金を受けられなかった期間やその理由などによって扱いが変わります。

長期間の休職など思い当たる期間がある方は、離職票の内容を確認し、記載漏れや分からない点があれば会社やハローワークへ相談してみましょう。

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