2025年法改正対応の就業規則改訂で押さえる重要ポイント

目次

はじめに

本資料の目的

本資料は、2025年に改正される育児・介護休業法や関連労働法に対応した就業規則の改訂ポイントを分かりやすく整理するために作成しました。人事・労務担当者が必要な修正箇所を把握し、自社規則に確実に反映できることを目指します。

想定する読者

中小企業から大企業の人事・労務担当者、社労士や総務担当者を想定します。法務の専門家でなくても実務で使えるよう、専門用語は最小限に抑え、具体例を交えて説明します。

本資料の構成と使い方

第2章で法改正の概要と就業規則改訂の必要性を説明し、第3章で実務的な改訂手順を示します。第4章は改訂時の注意点、第5章は具体的な修正箇所、第6章は法改正以外の改訂が必要となるケースを扱います。各章は独立して読める構成ですので、自社の課題に応じて該当章を参照してください。

留意点

法令の解釈や運用は個別の事情で変わります。本資料は一般的な指針を示すものであり、具体的な対応には専門家と相談することをお勧めします。

2025年の法改正と就業規則改訂の必要性

改正の全体像

2025年に育児・介護休業法や高年齢者雇用安定法などが大きく改正されます。これらは従業員の休暇・労働時間・継続雇用に直接関係するため、現行の就業規則が新法と合致しなくなります。企業は早めに規定を見直し、運用に齟齬が出ないよう整備する必要があります。

主な改正点と就業規則での対応ポイント

  • 休暇名称と対象年齢の変更
    新しい名称や対象年齢が導入されます。就業規則内の呼称を法令に合わせ、対象となる年齢や条件を明確に記載してください。例:対象年齢を「法令で定める年齢まで」と明記し、別表で具体値を示す方法が分かりやすいです。

  • 所定外労働の制限範囲の拡大
    育児目的での時間外労働制限の対象が広がります。該当する従業員の範囲を明記し、残業免除の運用ルール(申請手続き、上長の対応)を定めてください。

  • 短時間勤務の代替措置
    短時間勤務制度に代わる選択肢(フレックス、テレワーク等)の整備が義務化される場合があります。代替措置の利用条件や申請・承認フローを就業規則に盛り込んでください。

  • テレワークの導入促進
    育児・介護目的でのテレワークを明文化してください。通信費や就業時間の管理方法、機器貸与の扱いを規程化すると運用が安定します。

  • 介護休暇の取得要件緩和
    取得条件が緩和されるため、対象家族や取得回数・日数の表記を見直してください。

  • 継続雇用制度の全員対象化
    継続雇用の対象範囲が広がります。適用年齢や申請手続き、賃金・勤務条件の扱いを明確にしてください。

優先的に進めるべき実務ステップ

  1. 現行就業規則の該当条項を抽出する。2. 法改正の条文に合わせて条項案を作成する。3. 労使間での協議・説明を行い、必要があれば専門家に確認する。4. 周知・教育と試行運用を行い、運用上の不備を修正する。

どの項目も運用方法が重要です。改訂後に運用が行き届くよう、手続きや周知方法まで設計してください。

就業規則改訂の手順

概要

就業規則の改訂は段階を踏んで進めます。目的を明確にし、関係者の合意を得て、法令に沿って届出・周知することが大切です。ここでは実務で押さえる具体的手順を順に説明します。

1. 現状把握と改訂目的の整理

まず現行の就業規則を読み、改訂が必要な箇所を洗い出します。例:労働時間の管理方法や休暇制度の変更。目的を「法改正対応」「業務実態に合わせる」などに分類します。

2. 案の作成と社内承認

改訂案を作成します。条文の追加・削除は具体例を付けて分かりやすく記載します。経営陣や人事の承認を得て、最終案を決定します。必要なら法務や社会保険労務士に相談します。

3. 労働者代表への意見聴取

労働契約法に基づき、従業員の代表(労働者代表)から意見を聴取します。説明資料を用意し、質疑に丁寧に答えます。重大な不利益変更では同意が必要な場合があります。

4. 労基署への届出

決定後、所轄の労働基準監督署へ就業規則を提出します。届出書と就業規則を添付し、提出日を記録します。

5. 周知と保存

変更点を全従業員に周知します。社内説明会、メール、掲示、配布文書など複数の方法を使うと確実です。就業規則は所定の場所に保管し、閲覧方法を明示します。

6. スケジュール管理と担当者設定

改訂の期限、説明会の日時、届出締切などをスケジュールに落とし込みます。担当者を明確にし、チェックリストで進捗管理すると確実です。

改訂時の実務上の注意点

1. 法令対応は必須

法令改正には必ず就業規則を合わせます。未対応は違反になります。まず改正点をリスト化し、現行規定と照合してください。

2. 現状実態との整合性確認

就業規則と日々の運用が違うとトラブルになります。例えば試用期間の扱いや残業の申請方法、テレワークの実態を点検し、必要なら規定を実態に合わせるか運用を改めます。

3. 不利益変更の扱い

労働条件を不利益に変える場合は従業員の合意が必要です。個別同意や労働組合との協議、代替措置(経過措置や補償)を検討してください。書面での確認を残すと安心です。

4. 従業員説明と意見聴取

改訂案は分かりやすく説明し、意見を集めます。説明会やFAQの配布、個別相談窓口を用意すると反発を減らせます。

5. 運用準備と研修

管理職や人事に新ルールの運用方法を教育します。解雇手続きや懲戒の運用基準は明確にし、適正な運用を徹底してください。

6. 文書管理と施行日

改訂履歴、施行日、周知方法を記録します。施行前に一定の周知期間を設け、問合せ対応を準備してください。

7. 実務チェックリスト(例)

・改正点一覧化・現場運用との齟齬確認・不利益変更の合意取得状況・管理職研修実施・施行前周知完了状況

2025年対応就業規則改訂で押さえるべき具体的修正箇所

1. 子の看護等休暇(名称・対象の見直し)

名称を「子の看護等休暇」に統一し、対象年齢と取得理由を明確に広げます。例:乳幼児に限らず就学中の子どもまで対象とする、学校行事や感染症対応も取得理由に含める、といった具体例を就業規則に記載します。

2. 所定外労働の制限対象拡大

所定外(残業)制限の対象者の範囲を明示します。管理職やテレワーク中の労働時間管理方法も定め、上限や代替措置(代休・振替)を規定します。具体的な例として「育児・介護中は事前申請で残業免除」と明記します。

3. 柔軟な働き方の新設規定

短時間勤務、フレックスタイム、テレワークの利用条件・申請手順・機器貸与・費用負担・評価方法を盛り込みます。例:テレワーク実施日は上司承認と日報提出を必須とする、など運用ルールを明示します。

4. 介護休暇の取得要件緩和

介護対象範囲を拡大し、医師の診断書を必須としない代わりに家族状況の申告や市区町村の証明で対応できる旨を規定します。

5. 継続雇用制度の対象拡大

定年後の継続雇用対象年齢や勤務形態(短時間勤務・契約更新の基準)を明確化します。再雇用の申請期限や評価基準も規定してください。

6. 申請手続き・届出方法の明確化

申請書様式、提出期限、承認フロー、オンライン申請の可否、却下時の説明責任を明記します。書式例や電子申請の手順を付けると運用がスムーズになります。

各項目は具体的な運用例を添えて記載すると実務で使いやすくなります。変更条項は条番号を振って差分が分かるようにし、労使で説明会を開く運用も推奨します。

法改正以外で就業規則改訂が必要となるケース

1. 会社の規模拡大

従業員数が増えると、適用する制度や手続きが変わります。たとえば、管理職の増加に伴う評価基準や休暇の取扱い、労使協議の仕組みを規定に盛り込む必要があります。具体例を挙げて、どの規定が影響するかを洗い出してください。

2. 事業内容や働き方の変化

新規事業や業務の外注化、テレワーク導入などがあれば、就業時間、在宅勤務ルール、設備負担などを明確にします。実務上、誰が承認するかやコミュニケーション手段も規則化すると運用が安定します。

3. 労働基準監督署からの是正勧告や指導

是正勧告を受けた場合は、指摘箇所を速やかに改訂します。どのように改善したかを記録し、従業員へ説明することで信頼回復につながります。

4. 就業規則と実態の乖離

現場での慣行と書面が異なるとトラブルになります。残業の申請方法や休暇取得の実際を確認し、必要なら実態に合わせて改訂してください。

5. その他よくあるケース

賃金制度の変更、退職金・定年制度の見直し、M&Aでの統合、ハラスメント対策強化なども改訂理由になります。

改訂時の実務ポイント

関係者(管理職・人事・労働組合など)を早めに巻き込み、改訂案を現場で検証します。改訂後は周知と教育を徹底し、運用状況を一定期間チェックしてください。変更理由と適用時期を明確に示すと理解が進みます。

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