退職願の宛名は社長宛てが基本!正しい書き方と注意点

目次

はじめに

本書の目的

この文書は、退職願を提出する際の宛名の書き方をわかりやすく解説します。特に社長への宛名の正式な記載方法、敬称の付け方、会社名の正式表記、提出前の確認事項など、実務で役立つ基本ルールと具体例をまとめています。

誰に向けたものか

退職願をこれから書く方、書き直したい方、人事や総務担当者にも役立ちます。日本のビジネス文書に不慣れな方でも使えるよう、具体例を多く示します。

本章での役割

まずは宛名を書く意味と注意点を押さえます。以降の章で細かい書式や記載例、提出時の手続きについて順を追って説明します。必要に応じて該当章だけ読んで使えるように構成しました。ご自身の状況に合わせて参考にしてください。

退職願における宛名の基本ルール

宛先は誰にするか

退職願の宛名は、会社の最高執行責任者に宛てるのが一般的です。通常は代表取締役社長や代表者の氏名を記載します。直属の上司ではなく、会社としての受理者を明確にするためです。

正確さが第一

氏名や役職を間違えると失礼にあたります。誤りは印象を損ない、手続きにも影響します。必ず会社の公式ホームページや名刺、社内規程で正しい表記を確認してください。

表記の例

・株式会社〇〇 代表取締役社長 田中 一郎 様
・〇〇株式会社 代表取締役 斎藤 花子 様
上のように会社名、役職、氏名、敬称の順で書きます。

注意点と実務的な確認方法

敬称は「様」が一般的です。役職名は正式名称で記載してください。確認方法は会社公式資料、経理や総務へ問い合わせ、就業規則の確認などです。誤りが不安なら事前に総務に確認を取ると安心です。

社長の役職名とフルネームの記載方法

概要

宛名には社長の「正式な役職名」と「フルネーム」を必ずセットで書きます。役職は会社の公的な表記を優先します。誤りがあると文書の正式性が損なわれます。

具体的な書き方

役職名を先に書き、その直後にフルネームを続けます。一般的な順序は「代表取締役社長 山田 太郎 様」のようにします。役職名と氏名の間は空白を1つ入れると読みやすくなります。

役職名の注意点

会社によっては「代表取締役」「代表取締役社長」「会長」など表記が異なります。公式サイト、名刺、登記簿(商業登記)で確認してください。役職が複数ある場合は、現在の実務上の肩書きを優先します。

氏名の表記ルール

氏名は戸籍上の表記(漢字)でフルネームを書きます。読みづらい場合は右にふりがなを付けても構いません。英語表記や略称は避けます。

記載例

・代表取締役社長 山田太郎 様
・代表取締役 佐藤花子 様
・会長 鈴木一郎 様

確認のポイント

会社の公式情報で役職名を確認し、氏名の漢字を正確に書いてください。間違いがあれば提出前に必ず修正しましょう。

敬称の付け方と位置関係

敬称の選び方

宛名につける敬称は、一般に「殿」と「様」が使われます。社内向けの正式書類や退職願では「殿」を使うことが多いです。一方、顧客や取引先、目上の方により丁寧に見せたい場合は「様」を用います。社内規定があればそれに従ってください。

敬称の付け方(具体例)

  • 代表取締役社長 山田太郎 殿
  • 代表取締役社長 山田太郎 様(社外用や会社の慣例で)
    敬称は名前の直後につけ、姓と名の間にスペースを入れて読みやすくします。

位置関係とレイアウトのポイント

宛名は自分の名前より上の位置に置きます。縦書きでは右上に宛名、左下に自分の氏名。横書きでは文書の上側または右上付近に宛名を置き、送信者の氏名は下側に配置します。これにより視覚的に敬意を示せます。

実務上の注意

  • 敬称を忘れないことは最低限のマナーです。
  • 社内の慣習で「様」を使う場合もあるため、提出前に上司や総務に確認してください。

会社名の正式表記

宛名に記載する会社名は、登記されている正式名称をそのまま書く必要があります。正式な文書ですから、省略形や記号は避けます。以下の点に注意して記載してください。

1) 正式名称を確認する

・登記簿謄本、会社の定款、名刺や公式HPの代表表記で確認します。分からなければ総務や人事に問い合わせて確かめてください。

2) 省略・略字は使わない(具体例)

・正:株式会社山田商事
・誤:(株)山田商事、㈱山田商事、山田商事
・正:合同会社トウキョウ
・誤:LLCトウキョウ(登記上の表記が日本語の場合)

3) 外国法人や英語表記

登記上の英語名が正式であればそのまま使います。英語名と日本語名の両方があるときは、宛先の慣例に合わせて記載してください。

4) 支店・部署の書き方

まず会社名の正式表記を記載し、その下に支店名・部署名・担当者名を続けます。会社名を省略すると誤解が生じやすいです。

5) 文字・記号の扱い

全角の漢字・かなを基本にし、不要な記号や括弧は使わないでください。敬称(御中、様)は会社名の右下または次行に添えます。

実際の記載例と書式

退職願の標準的な構成は次の通りです。

  • タイトル:「退職願」を用紙の中央やや上に記載します。
  • 冒頭語:「私儀(わたくしぎ)」を続け、簡潔に退職の意志を書きます。
  • 退職理由・希望日:理由は簡潔に一行程度で、退職希望日は年・月・日で明記します。
  • 宛名:用紙の上段、またはタイトルより下で右寄せに「株式会社〇〇 代表取締役社長 △△殿」のように記載します。
  • 氏名・所属と捺印:本文の末尾に所属部署と氏名を記し、氏名の右側か下に実印または認印を押します。宛名は氏名より上部に配置します。

記載例(横書き想定)

株式会社〇〇 代表取締役社長 △△殿

退職願
私儀 このたび一身上の都合により、令和X年X月X日をもって退職いたしたくお願い申し上げます。

所属部署 営業部
氏名 山田 太郎 印

別の宛先例:直属上司へは「部長 □□殿」、人事部へ提出する場合は「人事部 御中」でも差し支えありません。

ポイント:正式名は略さず記載し、敬称は相手に合わせて使い分けてください。日付や署名は自筆で記すと印象が良くなります。

提出前の確認事項と提出方法

事前に確認すること

  • 提出先:直属の上司か人事かを事前に聞く。ルールが社内規程や就業規則にある場合はそれに従う。
  • 宛名と役職:社長の正確な氏名と役職名を確認する。名刺や社内名簿で確かめると安心です。
  • 提出時期とタイミング:退職希望日から逆算して、必要な期間(引継ぎや有給消化)を考慮する。

提出方法の例

  • 対面で手渡す:一番丁寧な方法です。事前に面談日時を設定して渡すと良いです。
  • 上司経由で人事へ:上司に渡して人事へ回してもらう流れが一般的です。
  • 書面で郵送やメール:会社の規程で許可されている場合のみ使います。メール送付時は添付ファイルと受領確認を必ず取ること。

提出時の注意点

  • 控え:必ず控えを取り、受領印や受領メールを保存する。
  • 言葉遣い:冷静で礼儀正しい言葉を使う。感情的な表現は避ける。
  • 引継ぎ準備:簡単な引継書を添えると印象が良くなります。

よくある誤りと対処

  • 宛名の誤字:提出前に再確認し、誤りがあれば速やかに修正する。
  • 提出先の混乱:迷ったら人事に確認する。ルールがあいまいな場合は上司に相談してから行動してください。

フォーマットの活用

フォーマットがある場合

会社指定の様式があれば、まずそれを使ってください。宛名や日付、署名欄の位置が決まっているので、指示通りに記入するだけで済みます。記入は楷書で丁寧に行い、押印が求められる場合は忘れずに押してください。

フォーマットがない場合

基本ルールに従って自分で作成します。宛名は右上か本文の上に置き、役職名と氏名は正確に書きます。提出先の規定(紙・メール)を確認し、それに合わせた形式に整えます。

記入のポイント

  • 日付は提出日か退職希望日を明記
  • 本文は簡潔に「一身上の都合により退職いたします」などと記す
  • 署名・押印は最後に忘れずに

簡単なテンプレート例

  • 右上:年月日
  • 中央見出し:退職願
  • 左上:代表取締役社長 山田太郎 様
  • 本文:私事により○年○月○日をもって退職いたします。
  • 末尾:記 (提出日)氏名(押印)

フォーマットがあると手続きが早くなります。ない場合でも、この流れを守れば失礼のない退職願を作成できます。

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